路地裏の整体術 第791号 2015年4月10日
▼ 手の平がくすぐったい
珍しい現象なので、忘れないうちに書いておきます。昨日こられた女性です。
色々と現在かかえている症状についてのお話を伺って、最後に出たのが、手の
平がくすぐったい(関西弁でこそばい)と言われる。言われてみれば、私自身
も、そんなことがあったような気がします。
しかし記憶を辿ってみても、最近そういうことを訴えて来られた方はなかった
はずです。
で、これを聞いて私はどう思ったか。こういう症状に対応したことがない、ど
うすればいいか、と考えた。考えても、いいアイデアが出てくるわけではあり
ません。でも、この時は、足の類推で行きました。足の裏に違和感を覚えると
いう訴えは時々あります。そんな時、どうしたかを辿ってみました。
足の裏がくすぐったい、という訴えに遭遇したら、多分、足の中足骨が落ちて
いると考える。だから、これに反動をかければ解決するはずだ。手も同様にし
て解決するはずです。
そこで、咄嗟に私は、
──それは、手の骨が歪んでいるんですよ。
と答えた。自信があったわけではありません。でも思いつきでそう答えた。
判断が外れていれば面目丸つぶれになるところですが、私の場合、こういう咄嗟
の判断がものを言うことが多い。
40代の女性の手をとって、両手で相手の手をサンドイッチにし、甲側からぐっと
押さえ、パッと放す操法を試しにやってみました。
──どうですか。
──何もありません。
(何もありません、て、こそばいのが取れたという意味だろうか)
──こそばくありません。と彼女。
(やれやれ、良かった)
反対側の手も同じようにします。
──はい、何もありません。
──それは良かった。
──ありがとうございます。
ということで、この件は落着です。手に歪みがあると、肩に影響があるはずです。
から、これを先にやっておくのが正解です。
足の裏がこそばいというのも、同じ操法で、甲側からぐっと押さえてパッと放す。
ということを繰り返せばよろしい。
何にせよ、人が言ってくる症状はさまざまで、予想外の症状も、色々有ります。
こんなのテキストになかったと嘆く前に、よく似た症状を頭の中で探してみて、
その類推でやっていけば、案外、案ずるより産むがやすし、となるものです。
ただし、どんな症状でも、どんな操法でも、そうですが、カチカチに硬くなって
いる人の場合は、うまく行くとは限らない。その部分を柔らかくする算段を前に
やっておくことが必要です。そうでないと、操法がうまく効かないかもしれない。
この操法はうまく効きません、と弱音を吐く前に、カチカチを緩めてかかること
が必要かもしれない。このことをお忘れなく。