1043 春風体操

第1043号  ’18年6月27日
▼ 春風体操

「春風体操」というものを考えました。もちろん、こんな名前でネットを検索しても、何も出てきません。以前に「春風操法」というものを考案しましたが、その体操バージョンとでもいうべきものです。

では「春風操法」というのは何か。これは数年前にからだほぐし教室で行ったもので、その時、気持ちの良い春風が吹いていたので、そう呼んでみたというだけです。

この「春風操法」も一部に含んでいますが、一応は別物。それでは説明して参ります。

注意:首は回さないこと。

まず仰臥。一番の体操。踵を支点にして足首を左右に動かし(回旋)します。10回。(左1回、右1回と数えて、以下同様)

次、二番の体操。踵を少し手前に引いて、膝を立て、足首を左右に動かし(回旋)します。10回。

三番。膝を高く上げ、左右に倒します。無理に床に付けなくて結構です。10回。

四番。膝を立て、脚を十分引いて左右に倒す。10回。

五番。膝抱えをして、腰を左右に動かす。10回。痛みの出る人については、後述。

六番。以下、正坐して行う。腰骨のところに手を当てて、腰を左右に回転させる。10回。

七番。以下、正坐で行うのは同じ。手の位置を少しずつ上げて行きます。まずは肋骨の下辺あたり。

八番~十番。手の位置を肋骨の真ん中、胸のあたり、上胸部、とすすめる。

十一番。手の平を脇の前に当てて、同様に回転。

以上で体操は終わり。次に春風操法に移る。手の平の両外側、小指の先から始め、手首のところまでなでおろす。

このまま上向きに仰臥。十一分間静臥する。正中線がまっすぐ通るように注意。

これでおしまい。終わったら立位前屈をしてみると、かなり改善していることが分かる。

(五番で痛みの出る人は、骨盤が真ん中にない、またはこれまでしばしば横すわりをしてきた、などの人ですから、横すわりや脚組を止めれば痛みがでなくなるはずです)。教室に来ていただければ、その他の対策をお知らせします。

  * *

文章だけでは分かりにくいという人は、朱鯨亭に来てください。からだほぐし教室、セルフ整体教室など、皆で一緒にやります。

立位前屈だけでなく、その他の動きも、それぞれ改善しているでしょう。例えば首の動き。

要するに背中の動き、硬さの改善体操です。十一分静臥するのが大切。これによって、体操の結果が安定する。背中の硬さ、肩のこりなど感じている人は、整体院・マッサージなどに通う必要がなくなります。全部やっても20分程度で終わるでしょう。どこかへ行く手間も省ける。お金も一切かかりません。

不眠の方は、これをした後、そのまま寝てしまってもよろしい。よく眠れるようになっているはずです。血圧も少しずつ下がって行くことでしょう。

今後は、これでは解決しない人だけ朱鯨亭に通ってください。普段からこれをやって下されば、そのほかの問題も解決しやすくなると思います。

背骨の捻れ

第1063号 2018年11月22日
▼  背骨の捻れ

少しばかりぼんやり過ごしていますと、たちまち時間が経って、このメルマガの発行が遅れてしまい、読者諸氏のご期待に添えなくなっていると気づき、愕然とすることがあります。

少し言い訳めいたことを申し上げると、本当はぼんやり過ごしているわけでなく、あれこれと工夫を重ねたり、どこかへ行って発想の転換をはかったりしているんですが。

先日などは、「大和三山」の一つ香具山(かぐやま)に登ってみました。頂上から眺めると、西北西に二上山が望まれ、真西に畝傍山がくっきりと見えました。香具山の付近には、興味深い史跡も数多く、その話も面白いのですけれど、それはまたの機会にとっておくことにいたします。

さて朱鯨亭では、背骨の捻れている方が続いています。というより、私自身がそのことに注目しているために、背骨の捻れというテーマが気になっているということです。

一般的にいえば、右利きの人が圧倒的に多いですから、右肩を前に出して、左側が後ろに来ている人が多いことになります。言い換えれば、左回り(時計と逆回り)の捻れが多いことになります。(もちろん左利きの人の場合はすべて逆になります)

すると、椅子に座っていただいて背中から見ると、左側が後ろに来て、右側が前に行っている人が多いことでしょう。

床にうつ伏せになってもらうと、左側が盛り上がって高くなっており、右側が下がって低くなっていることでしょう。

中には、このような捻れがほとんど見られない人もいますが、それでもよくよく見ると、どちらかに少し捻れている。

大正・昭和初期に活躍した操法家の高橋迪雄(みちお)なら、打ち込み法を使って、一発でうまく直してしまうのでしょうけれど、私たちがまねをしてみても、そううまくはいきません。

なんとかうまく一回で直す方法はないものか。いろいろと工夫を重ねて、たどり着いたのは、コロンブスの卵というような方法です。自分でも大真面目にこんなことをしている姿がおかしい。

共鳴法でいえば、背骨は手の中指と対応しています。それがどちらかに捻れているわけですから、それを修正する方向に捻り返せばいいのではないか、と考えました。

上記の例でいうと、腰椎のところが逆時計回りに捻れているとしましょう。つまり伏臥してもらった時に左側が床に向かって高く、床からみて右側が低くなっているとします。

その時、右手の中指を用意します。共鳴法の原則からすれば、腰椎は中指の中手骨ですけれど、そこは大まけに負けてもらって、中指の全体を背骨と考えます。

すると、中指の基節骨あたりが腰椎ということです。そのあたりを左手で握り、指先から見て時計回りの方向にぐるりと回してみます。もちろん力をかけてやるわけでなく、いつもの通り、皮膚だけをそっと持って回す感じにしてください。

そのままじっとしているのではなく、ぐるりと回す格好をしてパッと離すだけです。

そんな漫画のようなことをして、何が変わるものか、と思う人が多いでしょうが、それが不思議や不思議、人によっては、そのまま放置していると、あっというまに変化していることがあります。もちろん、反応の速さは人さまざまで、遅い人もあり、ほとんど変わらない人もあり、あっという間に変わる人もあります。

変化の遅い時は、何度か繰り返し、しばらく待つことが必要です。じっと待たなくても、その間にほかのことをして、すっと元の座り位置に戻ると、いつのまにか変わっているということがしばしばです。

これをしておくと、ほかの症状が簡単に解決しやすい。例えば膝痛などは、この操法をやっておくと、効果的です。

どうぞ、お試しください。このごろは、あらゆる症状はこれで解決するのではないか、と妄想をたくましくしています。

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