靴の紐の結び方一つで、からだの状態が非常に変化することをご存知ですか。
靴というか履物の歴史はずいぶん長いらしく、人類とともに履物があるといってもいいそうです。
そのためかどうか、履物を軽視している人が多いように思えます。ク◯ックスなどというサンダル形式のものを外でも履いている人がいますが、庭をうろうろする程度ならいざしらず、外出時にあれで歩くのは感心できません。
サンダル形式のものに限らず、【踵が固定していない履物】(下駄や草履はまったく別の範疇に属します)は足指を傷めるだけでなく、【からだ全体をゆがめる】結果になっているように思われます。
このメルマガでも一度とりあげたことがある話題として、「浮き指」がありました。
実際、趾(あしゆび)を見せてもらうと、ほとんどの人が「浮き指」になっていると言っても過言ではないでしょう。
第3関節が上方へ曲がり、第2関節が床から浮いてしまっている形の人が非常に多い。
その原因の一つは、つっかけ形式の靴を履いている人が多いこと。それから、重要なのは、靴紐をしっかり縛っていないことです。つっかけ形式とは、長靴(ブーツを含む)、スリッパ、上履き類などです。
例えヒモ靴を履いていても、靴を脱ぐ時に紐はそのままの人が多い。つまり紐を飾りとみなしている人が多い。
靴紐をしっかり結んでいないと、どうなるか。
大抵の靴は踵が高く作ってありますから、足先が靴の奥まで突っ込まれることになる。
すると、指先が奥に当たって押し返される。これが歩いているあいだ中ずっと続きますから、どうしても指先が曲がってしまうことになります。つっかけ形式の履物も同様です。スリッパとか、ブーツとかも同じことでしょう。
ところで、先日のセルフ整体教室でのこと。教室ご参加者の皆さんに、毎回、自己紹介+近況報告をしていただいております。これは参加者の顔ぶれが毎回変化することもありますが、少しずつでも、皆さんに向けて何かのメッセージを出して、互いに情報交換をしてもらいたいということもあります。
その時、参加者の一人Nさんが、整体を受けた時に教わった靴紐の結び方を子どもたちに教えたところ、縄跳びが上手になりました、という話をされたんです。
なるほど、と納得したわけです。やってみると分かりますが、紐の結び方ひとつで、歩き易さが変化します。縄跳びの技が向上したとしても不思議ではありません。
この靴紐の結び方は、YouTube でも見られます。「イアン・ノット」で検索すると、色々出てきますから、どれでもいいでしょう。ただ、この方法は、ちょっと見た目には、難しそうだな、と思った人は次の方法へ。
これとは少し違った結びです。しっかりと結ばれて、決してほどけません。Nさんにお教えしたのは、この方法でした。→
https://www.youtube.com/watch?v=BN4ss4OpXF0
整体を受けに来られて、帰宅してすぐに痛くなったと電話をして来られる人がいますが、こういう人は靴の紐に問題があると思います。
【靴紐の結び方ひとつでからだの状態がころっと変わる】のですから、心したいものです。
靴の影響がこれほど大きいことが意外に知られていないのは残念です。そのため、私は、整体を受けに来る人ごとに靴の履き方を指南しないと行けないという状態に陥っています。次回来られるときまで、おかしな靴で歩いてもらっては操者も困りますし、ご本人もせっかく整体を受けたのに、いつまでも何だかおかしい、というのも具合の悪いものです。
最高の健康法は、靴の結び方だ、と言っても言い過ぎにならないと思います。逆に靴紐を結びっぱなしにしていると、いくら立派な健康法を行っても無駄になるかもしれません。