935 靴紐を結ばないと体がゆがむ 16/12/16

靴の紐の結び方一つで、からだの状態が非常に変化することをご存知ですか。

靴というか履物の歴史はずいぶん長いらしく、人類とともに履物があるといってもいいそうです。

そのためかどうか、履物を軽視している人が多いように思えます。ク◯ックスなどというサンダル形式のものを外でも履いている人がいますが、庭をうろうろする程度ならいざしらず、外出時にあれで歩くのは感心できません。

サンダル形式のものに限らず、【踵が固定していない履物】(下駄や草履はまったく別の範疇に属します)は足指を傷めるだけでなく、【からだ全体をゆがめる】結果になっているように思われます。

このメルマガでも一度とりあげたことがある話題として、「浮き指」がありました。

実際、趾(あしゆび)を見せてもらうと、ほとんどの人が「浮き指」になっていると言っても過言ではないでしょう。

第3関節が上方へ曲がり、第2関節が床から浮いてしまっている形の人が非常に多い。

その原因の一つは、つっかけ形式の靴を履いている人が多いこと。それから、重要なのは、靴紐をしっかり縛っていないことです。つっかけ形式とは、長靴(ブーツを含む)、スリッパ、上履き類などです。

例えヒモ靴を履いていても、靴を脱ぐ時に紐はそのままの人が多い。つまり紐を飾りとみなしている人が多い。

靴紐をしっかり結んでいないと、どうなるか。

大抵の靴は踵が高く作ってありますから、足先が靴の奥まで突っ込まれることになる。

すると、指先が奥に当たって押し返される。これが歩いているあいだ中ずっと続きますから、どうしても指先が曲がってしまうことになります。つっかけ形式の履物も同様です。スリッパとか、ブーツとかも同じことでしょう。

ところで、先日のセルフ整体教室でのこと。教室ご参加者の皆さんに、毎回、自己紹介+近況報告をしていただいております。これは参加者の顔ぶれが毎回変化することもありますが、少しずつでも、皆さんに向けて何かのメッセージを出して、互いに情報交換をしてもらいたいということもあります。

その時、参加者の一人Nさんが、整体を受けた時に教わった靴紐の結び方を子どもたちに教えたところ、縄跳びが上手になりました、という話をされたんです。

なるほど、と納得したわけです。やってみると分かりますが、紐の結び方ひとつで、歩き易さが変化します。縄跳びの技が向上したとしても不思議ではありません。

この靴紐の結び方は、YouTube でも見られます。「イアン・ノット」で検索すると、色々出てきますから、どれでもいいでしょう。ただ、この方法は、ちょっと見た目には、難しそうだな、と思った人は次の方法へ。

これとは少し違った結びです。しっかりと結ばれて、決してほどけません。Nさんにお教えしたのは、この方法でした。→

https://www.youtube.com/watch?v=BN4ss4OpXF0

整体を受けに来られて、帰宅してすぐに痛くなったと電話をして来られる人がいますが、こういう人は靴の紐に問題があると思います。

【靴紐の結び方ひとつでからだの状態がころっと変わる】のですから、心したいものです。

靴の影響がこれほど大きいことが意外に知られていないのは残念です。そのため、私は、整体を受けに来る人ごとに靴の履き方を指南しないと行けないという状態に陥っています。次回来られるときまで、おかしな靴で歩いてもらっては操者も困りますし、ご本人もせっかく整体を受けたのに、いつまでも何だかおかしい、というのも具合の悪いものです。

最高の健康法は、靴の結び方だ、と言っても言い過ぎにならないと思います。逆に靴紐を結びっぱなしにしていると、いくら立派な健康法を行っても無駄になるかもしれません。

 

934 小菱形骨点 16/12/12 

前号で小菱形骨(しょうりょうけいこつ)について書いたところ、そんな話は聞いたことがない、というお便りをいただきました。

確かに、小菱形骨にいついて本誌上で書いたことはなかったと思います。自分で書いたように思い込んでいたのでしょう。

そこで、今回は小菱形骨点について。

小菱形骨という骨はどこにあるか。手の付け根、つまり手根部です。詳しく言うと、示指(じし、人差し指)の付け根。「手の骨」で画像検索してご覧ください。

「ペンフィールドの図」というものをご覧になったことがあるでしょう。ペンフィールドというカナダの神経学者が描いた図で、例えば次のところにあります。変な形の小人を使って表示することから、「ホムンクルスの図」と呼ばれることもあります。ホムンクルスとは小人の名前です。

http://www.gokkuncho.sakura.ne.jp/sector06/20051223.html

これを見ると、拇指(親指)と示指とが神経の働きとしては大きいことがわかります。実際によく使うのも拇指と示指ですね。よく使う指が緊張しやすいというのも理解しやすいことで、拇指と示指の付け根は緊張しやすいところであるようです。

逆に言えば、示指の付け根にある小菱形骨の周辺はコリの発生しやすいところです。ここのコリが肩の緊張とつながっていることに気づいたので、小菱形骨の付け根の手の平側のポイントを【小菱形骨点】と名付けました。

ここは、大抵の人が圧痛を感じる点なので、解りやすい点だろうと思います。示指のラインを手前に伸ばして、手首のラインと交差するあたりの少し上です。拇指の付け根のふくらみ=金星丘の下端あたりといえばいいでしょうか。

肩の前が、前に飛び出している人が多いですね。その飛び出している箇所を押さえてみてください。硬くて、前に飛び出していることがわかります。

これを【前肩点】と呼んでおきます。そこの感触をつかんでおいて、次に【小菱形骨点】に反対手の指を当てて、しばらくジッと愉気をしてください。

すると、さきほど調べた前肩点が緩んでいることが分かるでしょう。これは薬指の付け根(第3関節)のポイントを使っても同じようにできますけれど、薬指の第3関節より、【小菱形骨点】を使った方が効率的に緩みます。

これは、示指や拇指の付け根が肩と密接に結びついていることを示しているわけで、肩の問題を抱えている人は、示指や拇指を緩めることに利点があることを示しています。

【肩の問題を抱えている人は、示指や拇指を緩めるとよい】。

一昨日のセルフ整体教室でも、むかし中指を傷めた経験のある人の中指をジッと握っていると、肩が緩んできました。つまり難しいことをしないでも、示指や拇指を握ってジッとしていると、それだけで肩が緩んでくる可能性があるということです。

そうした中でも特に【小菱形骨点】はよく効果があがる点だと言っておきましょう。

 

933 基本を守る 16/12/9

Sさんは40歳代男性、茶畑で働いておられ、以前から月に一度くらい健康管理の意味で通って来てくださっています。

そのSさんが珍しい症状を昨日、訴えて来られました。左肘のすぐ下あたりが痛く、これが手首から来ているような感じ。それだけではなく、そのスジが上腕にも伸びており、左腕全体がだる重い感じで、非常に不快である、と言われます。

こういう症状は決して珍しいものではなく、よく見かけるものですが、Sさんとしては珍しい。そこで、尋ねてみました。

── 何か左手をよく使うような作業をされているんですか。と私。

── いやあ、別に通常どおりですけど。

── 通常どおりというと、今は普通の事務仕事が中心ですか。

── まあ、そうですね。

といったやりとりの後、取り掛かります。腕の場合の手順がありますので、それを順にやって行きます。

1) 前腕の親指がわにある橈骨を上げる。

2) 寝床体操の5番、つまり前腕の二本の骨を締める操作をする。

3) 下橈尺関節の引っかかりを改善する。

4) 肘の内側、内側上顆と肘頭のあいだの窪みを押してみる。

5) そこに少し痛みがあるので、外側から愉気をする。

6) 小菱形骨のところを愉気して、肩の前を緩める。

7) 腕全体を引っ張りつつ、左側から前に回転させ、肩の前部の脱出を修正する。

・・・というような操法の手順で、少しはよくなったようですが、決定的ではない。何かが足りないようです。

── 左手で何をされたんですか。

── 別に何も・・・。

── 何もせずに、こんな風になるわけないですよ。

── うーん。

ひょっとして左手の親指が硬いのではないか、と考えて、Sさんの親指を触ってみますと、IP関節(親指の先の方の関節)とMP関節(親指の付け根の関節)の間が、どうも硬い。

そうか。これか。さっそくそこをじっと握って愉気をします。異常に硬いというほどではないものの、通常の状態ではない。これを見落としたのがいけなかった。

腕の問題がある時は、親指をよく調べるのは、「基本のキ」であったはずだ。しばらく愉気を続け、これでどうですか、と尋ねると、

── あ、よくなりました、という答え。

── これは、必ず親指を使っていますよ。

── あーそうか。お茶を刈る機械があってね、その機械を動作させるレバーを親指でじっと押さえていたんです。

── なるほど。それですね。

── それが、かなり強い力で押える必要があるんです。

── 腕が悪い時は、親指を調べるのが基本なんですが、それを抜かしていました。

── いつもやっていることなんで、あれが悪かったとは、思いませんでした。

というやりとりの後、その機械の写真をみせてもらうと、かなり大掛かりな機械です。 Sさんが操作されていたのと同じ機械かどうか、定かではありませんが、例えば、次の写真

http://www.kawasaki-kiko.co.jp/chaen/pdf/KJ2.pdf

機械の運転台の横についているレバーを押し続けると、お茶の木を刈って行くことができるそうで、「茶刈機」というそうです。

ここまで来て、私の反省点は、基本に忠実ということ。私自身も時々操法テキストを読んで勉強しています。「いいことが書いてあるなあ」と自画自賛で感心しながら。

この場合は、「腕を見る時は、まず親指から」──これです。

これを忘れて遠回りをしてしまいました。でも、これはテキストに書いてなかったな。

筋肉が収縮するのに、「等尺性収縮」というのがあり、これは筋肉の長さが変わらず、力だけがかかるタイプの収縮です。

レバーを同じ位置で押し続けるような動作が、これに当たります。スマホをじっと持っているのも同じことで、筋肉の長さが変化する「等張性収縮」に較べて疲労が少ないわけではないようです。

スマホやタブレットをジッと持っていると腕が疲れてきませんか。どこの筋肉を使っているか、感じてみてください。スマホの場合は、親指を使って文字を打つという動作が加わりますから、さらに疲れがひどいかもしれません。

腕がだるい、腕が痛い、というような症状が出た時は、親指に注意です。筋肉が硬くなっている場所を探して、そこに愉気(反対側の手指を当てて)をしてください。

 

932 健康不安についてのご意見 16/12/8

前号で「健康不安」について触れたところ、いくつかご意見をいただきました。それらをご紹介するとともに、私の意見(▼)も書いておきたいと思います。

◎1 Kさん(奈良県在住、口頭で伺ったご意見) 「健康不安がないのが健康だ」というのは、その通りだと思うが、ただ、前提条件がいる。

タバコをじゃんじゃん吸い、酒をがぶがぶ飲むなど、メチャクチャなことをしていて、健康不安がないというのは、どうだろうか。

▼ 確かにもっともなご意見です。私もそう思いますが、少し注釈を付け加えたい気がします。健康に悪いことをしない、というのも、健康不安を呼ぶのではないか、と思うからです。

例えば、〇〇はからだに悪い、などという話は色々あります。〇〇はからだに悪いという意見を目にすると、そういうことに意識が先鋭に向いて、健康不安をつのらせている人がいるのではないか、と思うのですが、どうでしょうか。

つまり現代人は自分の身体にかかわることを本能的に、あるいは直感的に判断できなくなっている。頭でしか判断できなくなっている人が多いし、そういう社会になってしまっているということだと思います。いずれにしても、私達の暮らす社会は対応の難しい複雑怪奇な社会になってしまいました。

【〇〇にはいる具体的な名詞についてご意見を色々いただいても、私には対応しきれませんので、念のため】

◎2 Kさん(東京都在住、メール) 私 [Kさん] の院に来た時はすでに慢性膵炎と診断されたあとだったのですが、診断されるまでの経緯がすごかったです。というのは・・

初めは、その方の旦那さんがテレビの健康番組で自分が膵炎かもと思ったらしく、ネットで調べ始めました。よこで見ていたら自分もそんな気がして来た・・というのが事の始まりです。

そのあと医療機関に十数軒行って、さいごの病院で慢性膵炎だね~、と診断されました。本当は膵炎じゃなかったんでしょうけど、自ら病気を作ってしまった・・そんな気がしました。

▼ やっぱり、という感じですかね。「健康不安」というより、なんと言えばいいのか、「病名願望」とでも言えばいいのか、「病名」が付くと安心するという心理。この根底にあるのは、医学信仰なのでしょう。

◎3 Tさん(長野県在住、メール) 西洋医学の検査は、身体を診る上で一つの指標になるとは思いますが、必要があって上がっている数値もあるわけでしょうから、結果に左右され過ぎないよう、自分自身が出来る限りの知識と自信を持てるようにしたいものです。

整体させてもらう時は、どうしたらこの人が自分の身体に対して無くしている自信を取り戻してもらえるか、という事を念頭に置いています。

「健康不安がない状態こそ、健康なのではないか」とのお話、 言い得て妙ですね。思わず手を叩いてしまいました。

不安、言いかえれば恐怖が強い方は、野口整体の感情活点がなんかヒンヤリしていたり、(本などに時々出ている)右肩甲骨内側の違和感などを感じる様な気がします。

▼「感情活点」とは、左側の肋骨の下辺、みぞおちから左側あたりのことですね。「ヒンヤリ」とありますが、このあたりが硬くなっている人も同じでしょう。

 

932 健康不安ということ

「健康不安」 とでも呼ぶより仕方のない事例を最近いくつか経験しましたので、それについて。ただし特定の個人の事例を対象にしたものではなく、私が日頃から感じていることを書いたものです。

『不安な心の癒し方──あなたの悩みを解消する7つの認知療法』 (ロバート・リーヒ著、アスペクト) という本があり、それから引用します。(この本を推薦したいわけではなく、実例の一つとして取り上げるだけです)

シルビアという女性の例が取り上げられています。

──三週間ごとに医師の診察を受けているが、どこも悪いところが見つからない。インターネットで医学関係のサイトをあちこち見ては、あらゆるタイプの癌や、まれな病気について調べているという。

そこに書いてある、吐き気、めまいなどの症状が自分の体の不調と同じなので、癌や脳腫瘍といった恐ろしい病気の徴候だと彼女は思っているのだ。

内科、婦人科をはじめ、さまざまな専門医のところに定期的に通い、おびただしい数の検査を受けたが、いずれも結果は異常なしだった。

それでもシルビアは納得しようとしない。家に帰ると、見落としたことがあるかもしれないと思い、「もしも間違いだったらどうしよう。先生はすべての検査をしたわけじゃないし、見つけられたはずの癌を見落としていたらどうしよう」と、あれこれ考えた。─(395ページ)

これは極端な事例でしょうが、似たような事例がこのシルビア以外にも増えているように感じられます。つまり、当人は、自分には 「体に異常があって困っている」 と思っているのに、操法をする立場から見れば、「異常があるという不安にさいなまれている」だけなのではないか、と思われるケースです。

初めは、背中が痛いとか、脚がしびれるとかの症状があった。そういった症状が長く続くと、これは何か重大な病気の兆候なのではないか、という思いがつのってくる。診察や検査を受けても、異常ありませんと取り合ってもらえない。

そのうちに、何もなくても手がしびれてきたり、どこかが痛くなるといった症状が出始める。こうなると、もういけません。体に痛みや痺れの根拠があれば、操法でそれを解決することが可能ですが、不安によって生まれている症状は、いくら操法をしたところで解決しません。それどころか、体にとって必要のない操作を加えているわけですから、却ってますますひどくなることもある。

最近、こんな症状(?)の人が増えている感じをもっています。どうしたらよいのか。「健康不安」ともいうべき不安が解消されればいいわけですけれど、社会全体に「健康不安」をあおる雰囲気があります。

健康雑誌は、どうすれば健康になるか、としつこく呼びかけていますし、テレビはサプリの広告に余念がない。健康の話題はテレビ番組や新聞の中心的な話題の一つになっています。

健康、健康と世の中全体が叫び声を上げていることが、健康不安を煽る結果になっていないでしょうか。

健康に関心のある人は、ますます不安に取り憑かれる、という悪循環になっているように思われます。しかも、はっきりとした不安としてあるというより、雰囲気としての不安になっていますから、どうしても不安として自覚されにくい。

そういう人が増えているように思われます。血液検査を受けて、どの項目かにH(高い)やL(低い)の記号がついていると、気になって仕方がない。

あるいは、殆どゆがみのない体なのに、私は歪んでいるように思うと訴えてくる人が多い。

最近、このような傾向が増えているように思っています。

「健康」というのは、血液検査の数値がすべて基準を満たしているとか、体に歪みがないとかではなく、本人が健康などということを考える必要がない、いいかえれば「健康不安」がない状態こそ、健康なのではないか、と私などは考えるのですが。

 

930 脚長が揃う 16/11/18

脚長(脚の長さ)が違うと色々不都合が出て来るかもしれません。ちょっと考えてみただけでも、歩きにくい。まっすぐに絶ちにくいといったことがありそうです。股関節の不都合もあるかもしれません。

脚長をどこからどこまでと考えるか、考え方によって違いがあるでしょうが、とりあえず、大転子のところから始まると考えれば解りやすいと思います。

大転子というのは、股関節の外側、大腿骨の角といえばいいか、骨盤に大腿骨が差し込んである場所といえばいいのか。要するに、股関節の横あたりにぐりぐりの骨の突起が感じられます。と言っても、腸骨(こしぼね)のことではないので、お間違えのないように。

もっと、ずっと下、股関節の横です。。この位置は、手との相応関係でいえば、どこになるのかというと、小指の中手骨骨頭の側面です。わかりやすく言うと、手の小指の手前にある長い骨の付け根の側面。これが大転子に相応します。

この点に軽い刺激を入れると、大転子が変化し、脚長も変化するということです。

さて、それでは始めましょう。

初めに左右の内果(うちくるぶし)の位置で、脚の長さを較べてみます。仮に右が長く、左が短いと仮定しましょう。もちろん逆の人もいます。

こういう場合、小指の中手骨の骨頭側面を、右は手前方向、左は足先方向に撫でて、しばらく、そのまま受け手に寝ておいてもらいます。

すると、受け手の内部感覚で右脚が伸びる感覚があって、数分してから見てみますと、両足の長さが揃っています。そんなばかなことがあるはずがない、と思う人は、実際にご自分の脚で試してご覧になればよいでしょう。

今まで色々な人で試してみましたが、全然動かなかったのは、ご老体のみで、大抵の人は、脚長が揃って、立ち上がった時に、「違いますね」「あっ長くなった」などとおっしゃいます。

もっとも何にでも例外はあるもので、股関節に人工関節が入っている人の場合は、左右の脚長が違う状態でバランスをとっているらしく、脚長が揃うと却ってあるきにくくなった人もいると試してみた人から聞きました。でも、これも慣れの問題かもしれません。

教室で、この実習をしている時に、片方をどんどん伸ばしたら、どうなるかしら、などと奇抜なことを考えていた人もあるようですが、心配しなくても、そういう摩訶不思議なことは起こりません。

多分、関節のアソビの部分で縮んでいたところが伸びるのでしょう。決して必要以上に伸びるような奇妙なことはありませんので、ご心配なく。

また操法を間違えた時とか、逆にしてみたいという時は、操法を逆にすればいいだけのことですから、言ってみれば、脚長を自由に揃えることができるわけです。

脚長が大きく違う人の場合は、うまく行かないでしょうが、少しばかりの足底板で調節するような厄介なことをしなくてもよくなれば、脚の不自由で困っている人にとっては朗報になるかな。色々お試しください。

不都合や、すばらしい成果などありましたら、お知らせくださると、さいわい。