810 すべては下に(1)

路地裏の整体術 第810号 2015年6月26日
▼ すべては下に(1)

月に一度、メンテナンスに来られる70代の女性Hさん。今日は、首を回すと痛いのと、階段を降りる時に膝が痛いのと、この二つをおっしゃいました。

首を回すと痛い、という症状はごくありふれたもので、打ち込み法を使えば簡単です。「打ち込み法」と私たちが呼んでいるのは、正體術矯正法で、足をトンとやる方法のことです。

例えば、右に回すと痛みが出るとしましょう。右に回すと痛いのは、背骨がどこかで左に捻れているからです。そのために、右へは捻じりにくくなっているというわけです。

ここで「背骨」というのは、頸椎も含めて言っています。頸椎か胸椎か腰椎かは分かりません。頸椎と腰椎は互いに関連していることが多いので、腰椎が捻れている可能性も高いと思われます。

この状態を修正するためには、首の捻れと反対向きに足首を捻って、トンと足を打ち込めばいい。背骨が左へ捻れているのですから、修正する方向、即ち、右へ向けて足首を捻って、打ち込めばいいはずです。

それなら左足首を左に捻ってもいいのか、という質問が出てくるかもしれません。確かに、それでもOKですが、どちらの足を使うかは、足首の形を見て決めるのがいいと思います。

足首が内側へ閉じすぎている人や、外側へ開きすぎている人を見かけることがありますね。そういう場合は、それを修正する方向を選択すればいいわけです。

例えば、右足首が外へ開いていて、左足首が内側へ閉じている人なら、右側を選択して、右足首を内側へ捻るようにしてから、トンと打ち込めば、開きの修正にもなります。逆に右足首が内側へ閉じ、左足首が外へ開いている人なら、左足首を内へ、右側へ捻ってトンと打ち込むと、背骨の捻れの修正と足首の開きの修正が同時にできることになります。

さてHさんの場合は、どうだったか、首をどちらに回しても痛いのだそうで、こういうケースは、どうしたらいいのか迷いますが、両方やってやればいい。

足首の動きを確かめてみると、両方とも、内側へ行きにくいことになっていましたから、両足をいずれも、内側へ捻って、トンと打ち込んでみました。そして椅子に坐ってもらって、首を回してみると、左右とも自由に回る状態
になっていました。原因は下の方にあることが分かりますね。

首が横に倒しにくくなっている時は、どうすればいいのか、とおっしゃるのでしょうか。その場合は、腕から引っ張られていますから、手指や腕をよく調べて、凝りを取り除いてやることが必要でしょう。

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808-9 顔面痙攣 

路地裏の整体術 第808号 2015年6月16日
▼ 顔面痙攣をどうする

右の目がピクピク動く症状の女性Oさんが来られました。「眼瞼痙攣」か「眼瞼ミオキミア」などの病気が考えられますが、目だけでなく周辺の筋肉までが動くので、片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)が疑われます。

ウィキペディアから引用すると、

──片側顔面痙攣(hemifacial spasm、へんそくがんめんけいれん)は、片側の顔面がピクピクと痙攣を起こす不随意運動の一つ。半側顔面痙攣と呼ばれることもある。日本神経学会での正式用語は片側顔面攣縮である。

となっています。

様子を拝見していますと、痙攣が起きるたびに、まぶたが垂れ下がったようになって目がふさがり、ものを見るのが不便なだけでなく、容姿にも大きな影響があります。

このような症状の方は時々見かけることがあるものの、それを主訴として来られたのはOさんが初めてです。どうやれば解決するのか、まったく見当がつきません。

ご本人のお話によれば、神経の手術をしないと解決しないと言われたとか。脳を開けて、その辺りを切り刻むのでしょうか。それとも頸の神経を何とかするのでしょうか。詳細は分かりませんが、いずれにしても難しい手術が必要だと言われたわけで、大抵の人は、言われただけでひるんでしまうでしょう。

いずれにしても右側にだけ筋肉の緊張があるわけですから。まずはどんな風に緊張が生じているのか、しばらく観察することにしました。

【観察なくして解決なし】──これが操法の極意というか、操法に取組む場合の要諦です。

Oさんの場合、常に筋肉の運動状態があるわけで、静止状態の筋肉を観察するより遥かに解りやすい。目の下の咬筋、頬筋あたりが目と一緒に動いています。

つまりこれは下の方に緊張があって、それが顔面の筋肉を引っ張っているのではないだろうかと考えられます。原則としてまとめると、【上方の緊張は、下から来ている】ということです。

初回は、あちこち観察することで、時間が来てしまいました。滋賀県から来られているので、何度も来ていただくのは恐縮ですが、止むをえません。

第2回。緊張は脚から来ているという仮説のもとに、観察と操法を進めました。そうすると、下腿の緊張が緩むと、顔面の緊張が緩み、一時的ではありますが、痙攣が止まりました。

ところが、さらに操法を追加して、緊張を緩めようとすると、痙攣が再開してしまいました。下の緊張と痙攣が完全に並行しているわけでなく、下の緊張が、いろいろ寄り集まって顔面の緊張を作りだしているのでは、と思われる状態だったといえます。

私は「これでおおよその見通しがつきましたから、大丈夫ですよ。次回さらにやってみましょう。」というようなことを言って帰っていただきました。

第3回。今回は、脚の続きをするのでなく、なぜか、手をやってみようと思いました。なぜかは自分でも判然としないのですが、Oさんの目の表情を見ている内に、これは手から来ているのではないか、とふと思ったのでしょう。

このあたりのところは、言わく言いがたいところで、説明しようとしても簡単に説明することができない。これまでの経験の集積で、【何となく】そう思うということがあるものです。

実はこの【何となく】の構造は、大切なポイントなんではないか、と思っているのですが、いずれにしても文章で説明しにくい。話して説明するのも困難です。

データを分析して、、というようなことを言う人がありますが、これはデータの分析で出てくるような問題ではない。データの分析にかからないところに、実は大切なポイントが隠れているように感じています。いつの日か、【何となく】の構造を明らかにしてみたいと思っています。佚斎樗山『天狗芸術論』の名が浮かびます。

── 一切の芸術、放下づかひ、茶碗回しにいたるまで、事の修練によって
上手をなすといへども、其奇妙をなすはみな気なり。天地の大なる、日月の
明らかなる、四時の運行寒暑の往来して万物の生殺をなすもの、みな陰陽の
変化に過ぎず、其妙用は言説の尽す所にあらず。(『天狗芸術論』巻二)

顔面痙攣のある女性Oさん。顔面の筋肉が引っ張られている様子だったので、2回目までは脚のどこかが引っ張っているという想定のもとに、脚を調べ操法していました。そして3回め。

脚の続きではなく、手を操法してみようと思った。右側に緊張がありますから、問題があるとすれば右手です。Oさんの右手の指を触ってみると薬指、中指辺りが硬い。

この【硬い】という感覚も説明するのが難しい。あくまで手の感覚なので、操者が自分の経験で「硬い」と感じる感覚を養成するしかありません。どこかで線を引いて、ここまでは柔らかい、ここから硬いと明確に区別できるものでもない。

「これは硬いのですか、柔らかいのですか」と尋ねる人がいるけれど、そんなのを教えることなど不可能です。もし、そんなことを私が教えるとすれば、私の感じ方が、その人の感覚の基準になってしまうでしょう。その人が自分の感覚で、どう感じるかが大切ですから、教えることなどできないし、教えたくない。

指が硬いと、その指が上方を引っ張っている事実をこれまで何度も見てきました。例えば、突き指を直すと肩が楽になる。前腕の拘縮をとると首が楽になる、などの事実です。

そこで、この硬い指をどうすればよいか。オルゴン・リングを使ってみることにしました。

オルゴン・リングに対して否定的な見解があることは承知しています。安価な物ではありませんので、どうしても金銭がからんでくるのは事実ですし、それが嫌という人がいても不思議ではない。

しかし使ってみれば、確かに効果があるのは事実ですし、手をかざしてみれば、だれでもそこから何かのエネルギーが出ていることを感じ取れるでしょう。百均で売っている指圧棒のようなものでこする方法もあるものの、効果が歴然と違う。

私は今までのところ、オルゴン・リング本来の使い方はしていません。硬くなっているところを緩める程度の用途にしか使っていませんので、専門の方々から見れば、もったいないと言われるかもしれない。しかし本来の用途に使うには時間がかかる。これがネックになっています。

それはさておき、オルゴン・リングでOさんの硬くなった指をこすってみました。指だけでなく、中手骨もこすってみた。手の平側も擦りました。すると、顔面の反応が緩くなってきた。やがて、痙攣が収まりました。

ちょっと一休み。

また再開してはまずいので、安定させておこうと、追加して指を緩めておこうとすると、痙攣が再開してしまった。指の緊張=痙攣という単純な図式ではないと思われます。

しかし、ここまで来ると、単純ではないものの、指の緊張と痙攣の間に明らかな関連があることが分かりましたから、もう焦ることはありません。ゆっくり全体を整えて行くうち、再び痙攣がなくなりました。

念のため、Oさんには、もう一度来ていただいて、安定させようという意見を差し出したのですが、Oさんはこれで様子を見ることにするということだったので、終わることになりました。

その後、今日に至るまで、痙攣が再開したという知らせを受けていませんので、これでOKだったのかなと思っています。

この件をまとめて考えると【顔面に異常がある時は、手の指を見よ】ということになるかと感じました。ただ、脚も無関係ではないようです。

807 化膿活点

路地裏の整体術 第807号 2015年6月15日
▼ 化膿活点

うちのカミサマ(もちろん神様ではなく、おカミサンの方ですが)山茶花の木に近づいて、チャドクガ(茶毒蛾)の毛虫に刺されたらしい。右腕から肩にかけてひどく腫れ上がって、猛烈なかゆみがあるようです。こんな時あせってはダメ。

さっそく愉気をすることにしました。愉気をする場所は肩と肘の中間点前あたり。この辺りを軽く探ると、少し硬く感じるところがあります。ここが「化膿活点」と呼ばれている場所で、ここに愉気をすると、虫の毒とか、怪我から来た化膿等に対応することができます。

少し硬く感じる場所に、私は右手の親指を押し当てて、じっとしているだけです。「押し当てて」と書きましたが、力を入れて押す必要はありません。押すというより、触っている感じでしょうか。カミサマは、痒いところを手で引っ掻こうとするので、辛抱するように言って、こちらは知らん顔。冷たいようですが、これが一番よい対応法だろうと思います。

そして指を当てること5分ほど。固かったところが少し緩んで来た感じがすれば終わりです。こういう時に「5分」と書くと、6分では長すぎますか、とか、4分では短いですか、とか数字にこだわって質問してくる人がありますが、そんな数字に振り回されるのは愚の骨頂。それより、自分の感覚を信じて、指先に何かの変化を感じた頃が、終わるタイミングです

この原則は、他の操法でも同じ。よく何分くらいと質問する人がいますが、そんなのは、自分で感じるようにして自分の感覚を磨かなければ、いつまで経っても何分ですか、と質問を続けなければならないことになってしまいます。テキストに「何分」と書いてあっても、それはあくまで目安。そんな数字に大した意味はないと思った方がよい。

料理だとか、ものの製造であれば、厳密な時間を守ることが必要かもしれません。しかし人間の身体は、ものではない。人によって、その時の状況によって、時間は長くも短くもなります。それを自分で感じて判断する習慣が求められます。さきほど「5分」と書きましたが、私は時計を見ていたわけではない。時計を見て計測すれば、4分33秒だったかもしれないし、10分だったかもしれない。そんな数字に意味はない、と肝に銘じることが必要です。

話を戻します。何分か指を当てていたら、ふっと緩んだ感じがした。これで何かが急速に変ったわけではありません。しかし翌朝になると、酷かった腫れが少し引きました。痒みもマシになったようです。そこでもう一度同じ操法をしました。腫れのひどい右側だけでなく、あまり腫れていない左側にも同じことをしました。

こうして続けているうちに、腫れがどんどん引いて、痒みも軽減してきた。やれやれです。半年ばかり前から、私は、こんな具合に妻の低温やけどや、骨折や、今回の毒虫騒ぎにつきあってきました。何だか、こんなばかりを繰り返しているような気がします。

806 頭の形

路地裏の整体術 第806号 2015年6月12日
▼ 頭の形

頭蓋骨は硬くて、頭の形は変化しないものだと思われているかもしれません。ところが、詳しく観察してみると、けっこう変化しているものです。

他人の頭を触って、その形がどうだこうだと論評するのは失礼にあたるかもしれないので、自分自身の頭の形を調べてみれば、どうでしょうか。

まず、寝る前に自分の頭部を押さえてみて、ほぼどんな形になっているかを覚えておきます。後頭部の左が出っ張っているな、とか、頭頂部が硬くなっているな、とか、色々感じることがあるはずです。

次に、朝起きた時、その頭部がどんな形に変化しているかを感じ取ってみるわけです。

夜中にトイレに立つようなことがあれば、その時の形も観察しておきます。

すると、寝る前、夜中、起床時で、それぞれ形が微妙に違っていることに気づくことでしょう。

昼間の偏り疲労で、体幹部が歪んでくる。それが寝ている間に、徐々に修正されて行くことに気づくことができると思います。

だからどうなのだ、と尋ねられても、結論はありませんが、毎日の生活の中で、身体が変化し、それが睡眠によって自動的に修正されているのは、生命の叡智というべきでしょう。

毎朝、自分の顔を眺める人は、顔がどのように変化して行くかを観察してみるのも興味深いかもしれません。

804 片側ラジオ体操

路地裏の整体術 第804号 2015年5月25日
▼ 片側ラジオ体操

第801号「偏り疲労」で行きやすい方へ動かす方法をご紹介しました。これを読んで長野県のTさんが「片側ラジオ体操」を試しにやって見られた。ラジオ体操は左右・前後を平等にする体操ですが、これをやりやすい側だけやってみようというわけです。Tさんのメールにあったのは、次のような提案でした。

──今回のメルマガを見て、こんな事をやってみたら面白いかも!!と思ったことがあります。ラジオ体操のやりやすい側をまずチェックして、その後やりやすい側だけ通しでやってみる。その後左右両側でもう一度通しで体操してみる。どんな感じになるか、試してみます。(^o^)

なるほど、これは面白そうですね。何事にも実験精神を持って挑む人が私は好きです。で、続報は、次のようでした。

──あれから1週間、片側ラジオ体操やってみました。

(どちらがやりにくいに傾向はあるか?)
正直、左右の差が微妙なものも多く、判定がしづらいものもありましたが、結構毎日変化しました。前日・当日の偏り疲労が体に現れてきているのでしょうか? 自分は毎日同じ動作を行う仕事ではない《林業だそうです──編集者注》のですが、工場のラインで作業している人など決まった体の使い方をする人は、同じ側にやり
にくさが出てくるかもしれません。

(ラジオ体操10番目の体を回す体操について)
これは、何度やっても片側だけだと目が回り(時には気持ち悪くなり)、慣れませんでした。明らかに両側とも体操した方が気持ちいいと感じます。

(体操すると楽に感じる場所)
脊柱起立筋

肩甲骨周り

余談ですが、自分は疲れると腰周りに問題が出るのですが、この1週間でそれが大きく改善するほどの効果は得られていません。

(その他)
この体操を行うにはラジオ体操を2回分、検査を含めて10分以上かかります。正直結構手間です。
どんなに良いものでも、手軽にできるものでないと、なかなか継続できるものではない、と自分は思うのですが、
この体操はそういう意味ではちょっとクエスチョンマークかもしれません。しかしながら効果自体は感じられるので、13種類ある体操をひとつかふたつ抜き出して、たとえば呼吸法と合わせてやってみるな どはいい方法かもしれません。

また、複数の方で実験すると、どんな結果が出るのだろう?とも思っています。

こういうことを考慮した新しい体操が誕生すればいいですね。ただ、一人ひとり違ったことをやるとなると、ピアノに合わせて、というのは少し無理かもしれません。毎日、パソコンと取り組んでいる人がこの体操をやると、どうなるか。興味が湧くところです。

手をついた

路地裏の整体術 第803号 2015年5月21日
▼ 手をついた

久しぶりに来られたFさん。肩が痛いのだと言われます。どうしたのですかと
伺ってみると、転倒して手をついた時から痛くなったそうで、手をついて肩が
痛くなるのは、よく見かける例だと思います。Fさんは腰も調子が悪いという。

手を地面につくと、上半身の重みが手首にかかります。で前腕の橈骨と尺骨の
間が開いてしまうと同時に、橈骨と尺骨のあいだの関節の動きが悪くなります。
「下橈尺(か・とうしゃく)関節」と呼ばれる関節です。

この関節が大丈夫かどうか調べようとすれば、どうしたらいいか。この関節の
両側に「茎状(けいじょう)突起」と呼ぶ出っ張りがありますね。「手の踝」
と言っても間違いではない二つの出っ張りです。親指側には「橈骨茎状突起」、
小指側に「尺骨茎状突起」があり、この二つは橈骨と尺骨の末端をなしている。

そこで、この二つの茎状突起を、操者の手の指で甲側・掌側から挟み、動かし
てみましょう。どうするかと言いますと、例えば故障を起こしたのが右手だと
しますと、尺骨茎状突起を操者が左手の親指と人差指ではさみ、橈骨茎状突起
を右手の親指と人差指ではさみます。

そうして、どちらか一方を甲側へ、もう片方を掌側へと反対方向に動かしてみ
ます。次にどちらもその逆の方向へも動かしてみます。何も問題がなければ、
どちらへでも自由に動きますが、故障があると、動かそうとした時に、動きが
悪く、硬い感じを受けるはずです。

どちらが行きにくいかが分かれば、行きやすい方向に、わずかに動かす気持ち
で、しばらくじっと持続すると、動きがスムーズになります。

で、この下橈尺関節が正常になると、肩もよくなるはずです。手首の動きの悪
さが肩にまで影響しているわけです。Fさんの場合は、それにプラスして、肩
関節の前方転位を直す必要がありましたが、いずれにせよ、基本は下橈尺関節
の狂いにあったということです。

この関節は大きく動く関節らしい関節ではないので、あまり注目されていない
と思いますが、この動きが悪くなると、他の場所の故障につながります。例を
上げると、この関節がよくないと、腰椎5番が整いにくい。腰椎5番と仙骨の
間の腰仙関節は、全身でも重要な関節ですが、ここが整いにくいと、あちこち
影響が出てきます。だから、腰の悪い人の操法をする時には、手首を調整して
おいた方がよい、ということになります。

なぜ下橈尺関節が腰椎5番に影響するのかは不明ですが、事実として、そんな
関係があるようです。簡単にまとめると、腰椎は、両脚と両腕のバランスの上
に成り立っているのでしょう。

春風操法

路地裏の整体術 第802号 2015年5月18日
▼ 春風操法

足首は全身の中でも、決定的に重要な場所だと感じられます。足首が内向きに
なると、腓骨が下に引っ張られ、骨盤も引っ張られ、体側を遡って側頭骨まで
引っ張られます。

足首の状態が変わるだけで、肩こりが治ると操体法の橋本敬三さんは書いてい
ますが、なるほど、もっともと頷けるところがあります。

そこで、この事実を使った簡単操法を考えてみました。名づけて「春風操法」。

とても簡単なので、やってみてください。まずどちらの手でもいいので、手の
甲側から見て、小指の外がわの側面(尺側)を指の先から始めて、手首の線に
達するまでそっとなでおろす。撫でるのに、どの指を使ってもかまいません。
何度も撫でる必要はありません。1度で十分です。

この操作を両手ともやってみてください。それが終わったら、仰向けに寝て、
じっとしている。あまり動かない方がいいですが、少しくらいはかまいません。
時間にしておよそ11分。横臥では効果がありません。仰臥すること。

終わったら起きてみましょう。そうして全身の調子をみると、なぜ「春風」と
いうネーミングがされたかが、わかると思います。

手前に撫でると、引き締めの効果があるはずだ、という疑問を持たれる方も
いらっしゃるかもしれません。その通り、足首が内向きになっているのは、
体側を下に引っ張っているわけですから、その引っ張り力を上の方に引き締め
て解除するのですから、全体に無駄な引っ張り力が解除されて、楽になるわけ
です。

春風の入る部屋にねそべって、この操法をしてみてください。あなたの身体は
「春風」のように楽になりましたか。

特別な効果を感じられた方がいらっしゃれば、教えてくださるとありがたい。