831 ナンバ歩き(四)

路地裏の整体術 第831号 2015年8月20日
▼ ナンバ歩き(四)

ナンバ歩きに関して、いくつかのご意見をいただいております。それぞれ、参考になる点がありますので、まとめてご紹介いたします。

■Kさん(北海道)という方から、驚くべきご報告をいただきました。

──以前、ギックリ腰になりネット検索したことから、路地裏の整体術を読んでいます。難しくてわからないことも多いのですが、今回のナンバ歩きは実践してびっくりしたのでメールさせていただきます。

私は心疾患により、少しの坂道や階段を上る時でも途中で休まなければなりません。先日高低差約30m、距離約250mの上り坂をナンバ歩きで上ってみました。

何と一度も休憩することなく上り切ってしまいました。本当に自分が信じられませんでした。いつもならゆっくり上って途中で3回は休んで息を整えていましたので。

この時の嬉しさと言ったらなかったです。自分に自信が持てました。これからはできるだけナンバ歩きで歩こうと思っています。

ありがとうございました。

■Mさん(住居地不明)から次のような参考になるご意見もありました。やり方によって、深みのあるやり方にもなりうると思われます。

──私は、いわゆる、ナンバ歩きを二十年弱続けております。最初は、ナンバ歩きを練習しようと思ったのではなくて、身体の使い方について、色々、やっていたら偶然にそうなったのです。
「そういえば、最近、ナンバ歩きというのが話題だが、これがそうなのか?」
と興味をそそられ、そのまま続けて、二十年弱になります。

つまり、身体のバランスで、偶然にそうなったのですから 、現代人の身体使い(バランス)のまま、訓練でナンバ歩きを作るのは、少し違う気がしております。

その偶然の経過を書かせて頂こうと思いますが、その前に・・・
歩き始めて間もないころの赤ちゃんを思い浮かべて頂きたいです。手は振ってません。手を振る筋肉がまだついておりません。
全身の筋肉が弱いのに、立って歩くのですから、非常に効率の良い歩き方だと思います。

つまり、人はみな、いわゆるナンバ歩きの時代があったことになります。そのまま成長したのが、手を振らずに歩いた昔の日本人かもしれないですね?

人間の歩き方は、先天的ではなく、周りを見て覚えるのだそうです。甲野さんの本に書かれてますが、オオカミに育てられた人間は、一生四足をやめなかったそうです。

さて・・・私が、いわゆるナンバ歩きに偶然になった経過です。当時、武道をやっていた関係で、とにかく力を抜くことを研究しておりました。

あ・・・前提条件として、骨盤の角度が前傾しすぎていてはダメです。手を振る現代人は、前傾過ぎの人が多いように感じます。「仙骨姿勢」という本がありますが、なかなか参考になると思います。(太極拳の骨盤の角度なども参考になります)

まず、壁のそばで、背中を壁に着けずに立ち、頭皮・顔の力を抜き、首の力を抜く。気持ちをほっとさせるのがコツでした。
それができたら、背中の筋肉が重力で地面に落ちるくらいのイメージで、力を抜きました。
ここまでは、骨盤の角度に問題なければ、意外と簡単だと思います。

コツがいるのが、肋骨のすぐ下(周囲全部ですが特に胸椎12番下)~骨盤のすぐ上・・・方形筋などの特定の筋肉を考えると間違うような気がいたします。肋骨のすぐ下は、リラックスして横隔膜が下がるくらいのイメージで抜きます。そのイメージを骨盤の上(腸骨稜辺り)まで広げて、力を抜き続けます。

これが上手くいくと、突然、後ろに倒れ始めます。(だから、壁のそばに立ってやります)驚くほど、明確に倒れ始めます! つまり、現代人の多くは、背中の筋肉をぐっと力を入れ、締めて、それをバランスして立っているわけです。

ここまでできれば、あとは、簡単です。後ろに倒れるくらい力抜けたら、それを維持して、まっすぐ立ちます。
要は、倒れないように、身体を前に傾けて、バランスとって立つわけです。

さて、その状態のまま、何も考えずに歩くと、手を振ってないです。手を振る必要が無くなります!! ここまでで、いわゆるナンバ歩きはできますが、その後、背中側だけでなく、胸、お腹はもちろん、全身の力を抜いていくと、さらに発展していきます。

因みに、この状態の身体は、研究すると驚くことがいっぱいあって、楽しいです。気持ちの操作なども楽になってくるようです。また、相撲なども、 こういう状態の身体でやれば、決して、外国人には負けないと思いますし、スポーツでもかなり有益だと思います。私自身は、腰椎分離症ですが、かなり助かっています。

ナンバ歩きを、一般の方にまで広めるのは、なかなか難しい気がいたします。一つには、もし、私の説明通りできたとしても、それを日常の身体として定着させるには、やはり、それなりの期間が必要です。

毎日毎日、一日中意識して、2週間以上はかかると思います。その間、非常に興味深い身体の変化を体験できるのですが・・・私も、これまで、何人かに伝えてきましたが、身につけることができたのは一人だけです。

ただ、伝える過程の部分部分については、一般の方にも役に立つ部分はあるように思います。いくつかあげれば・・・特に、力の抜き方・・・特定の筋肉に注目し、観察しながらでは、力は抜けず、抜きたい場所を意識しながら、ホッとする気持ちで力が抜ける事。

頭部、首の力を抜いて、それを維持しながら何かの作業にかかれば、不意の腰痛予防効果があること。
そして、骨盤の角度は、現実には、ヘルニアの方などには、かなり役に立つことがあるように感じました。

■Sさん(愛媛県)からは、踊りとの類似を指摘していただきました。

──今回のナンバ歩きの記事で、夏のお盆時期ならではの「ある動き」に似ているとふと思いました。

「四国、お盆」と言えば・・・徳島の夏祭り「阿波踊り」の動きは、手と足を同時に出し、体幹は捻らせず、「女踊り」は特に、頭から足まで、キリっと真っ直ぐに踊ります。

それから、それぞれ地方ならではの踊り方はあるとは思いますが・・・盆踊りも手と足が同時に出しながら踊ります。どちらも、長い時間を踊ります。

身体を捻らないからこそ長い時間踊り続けられるのでとても理にかなっているのではないかと思いました。

830 ナンバ歩き(三)

路地裏の整体術 第830号 2015年8月16日
▼ ナンバ歩き(三)

昔の人々のからだの使い方を見るのに最適の本があります。

葛飾北齋『北齋漫画』(芸艸堂、2007年)

この他にも文庫本も出ています。(青幻舎、2014年)

私の持っているのは前者です。

人の歩く姿を探して見るのですが、ぶらぶらと何も持たずに歩いている姿がほとんど見当たりません。歩いている人は、多くが肩に何かを担いでいるか、手に何かを持っています。つまり、歩いていても、ほとんどの人が何かの仕事の一部として歩いています。飛脚とか、駕籠かき等もいます。

これは北齋が、そういう姿に興味を持ったからだ、とも言えるでしょうが、今の人々が歩く姿と比べると、随分と違うなと感じます。歩くことが仕事と一体になっていたといえばいいでしょうか。北齋を探しても、歩く姿がありませんので、今度は広重の版画をみてみました。

東海銀行創立50周年記念『風景版画の巨匠 広重』(1991年、非売品)

という画集に「東海道五十三次」などが網羅されています。

ここには歩く人の姿が多数見られます。隷書版五十三次の「日本橋」に江戸は日本橋を渡る人々の姿がたくさん描かれていて、興味を唆られます。ただし、ここでも、腕をぶらぶらと何も持たずに歩いている姿がほとんどありません。

武士が二人並んで歩いていて、手前を行く武士は腕と脚が同時に前に出ているように見えます。ようするに、ナンバ歩きをしていると見えます。何も持たず歩いているのは、中央付近をあるいている僧侶、しかし、この人は手がころもの中に隠れていて、腕を振っている様子はありません。

他は、天秤棒を担いでマグロか何か大きな魚を運んでいる男、風呂敷を背に、お使いにでも行く様子の丁稚風の若い男、振り分け荷物を肩にした旅人、桶を担いで行く鉢巻すがたの職人、数人かたまって行く若い女性集団、彼女たちは、いずれも袖の中に手が隠れていて、腕を振っている様子はありません。

こんな風で、どの人を見ても今風に腕を振って歩いている人は一人もいません。北齋と同じで、すべて働いている人達のように見えます。用もないのに、街の中をぶらぶら歩くという習慣がなかったと思われます。時代劇などに、通りをぶらぶら歩いている人達の姿が出てきますが、あれは、史実とは違っているのではなかろうか。

朱鯨亭のお客様で、山間部から来られた女性に、おたくの近くだったら歩けるところがたくさんあるでしょう、と尋ねたところ、うちの近くを一人で歩いていると、あの人は「おかしい」と言われるとおっしゃったのが妙に記憶に残っていますが、江戸時代もそうだったのかもしれません。

要するに現代とは、歩く文化がまったく違っていたと思われます。仕事や職業のあり方もまったく違っていたでしょう。衣服の違いもありますし、今の観点から、それをどうこうと言ってみても仕方がない、という気がします。

江戸の日本橋を歩いている人達の共通点は何か。腕を大きく振って歩いている人がいないという点ですね。

それから全体に杖をついている人が今より少ない。老人が少ないということもあるでしょうが、ナンバ歩きを続けていると、膝がよくなって来たという報告もあります。身体を捻らないため、膝に故障を起こしにくいのかもしれません。

◆ナンバ歩きをしている人からのご意見
──一度大阪で講習を受けバネ指をその場で治して頂きました。それから体と
良く向き合うようになりました。ナンバ歩きは何年も前に古武術で普段役に
立つ本の中に書いてました。それから仕事には意識して階段の上り降りにし
ています。凄く楽になりました。ガスメーターの検針をしていますが、夏は
特にやくにたっています。会社で言うのですがみんな難しいので出来ません!
説明が下手なのでしょうね? 年を重ねた人にもっと広まれば良いといつも
思っています。

829 ナンバ歩き(二)

路地裏の整体術 第829号 2015年8月14日
▼ ナンバ歩き(二)

ナンバ歩きを実際にやってみようと思い立ったのは、次の本を読んだのが契機でした。

大黒屋宏芳 『ナンバ歩きの秘訣』(歩行道普及協会、2011年)

ここには、ナンバ歩きの利点が数多く挙げられています。まず「歩危防止」が第一に挙げられています。「歩危」というのは著者の独特の用字法で、かなで書くと、差別だとか何だとか非難されるのを避けるためでしょう。

本書には、「人間の二足直立歩行の正しい歩き方として日本人が保存してきた、宇宙の法則に則った身体所作」だと書かれていて「身体所作によって意識を高め、驚くほど意識を活性化させることのできる方法」である、と断言されています。ちなみに著者が設立した「歩行道」協会は「あるきどう」協会と読みます。

ナンバ歩きをしてみて、私は何を感じたか。

普通一般に現代の人が歩くときには、腕を前後に振って歩きます。すると、どうなるか。腕と脚とが互い違いに前に出るので、胴体が常に捻れていることになりますね。上半身と下半身とが、常に捻れつつ歩いて行くことになります。

これに対してナンバ歩きをすると、著者の言葉を借りれば「上体も脚もエネルギーを消費しないうえ、抵抗を受けにくいために、さらにエネルギーを温存できる。最小限の労力で最大限の効果を上げる、コストパフォーマンスの抜群にいい走行法」だという言葉が納得できます。速度が出るのに、疲れにくいというメリットが感じられます。

現代人の一般に歩いている歩き方は、明治以降、兵隊がまともに走れないことに衝撃を受けた軍部が訓練用に編み出し、学校教育に取り入れ、運動会などで生徒にさんざん練習させた「行進法」だと言われます。ですから(前回の甲野さんのお話にも西南戦争の話題が登場しますが)、これを「行進歩き」と呼んでおくと「行進歩き」は胴体を捻りながら歩くので、その分エネルギー消費が大だということになります。

「ナンバ歩き」に対して別の言い方として「常歩」(なみあし)という呼び方を提唱しているグループがあります。詳しくいうと、「常歩」と「ナンバ歩き」は、違うことになるようですが、細かく専門的なことを言いだすと、一般の人たちが困惑し歩けなくなってしまいます。ですからこの二つは同じものだとおおまかに考えておきます。(スポーツに応用するなど専門的な追求を目的とする方は常歩についてご自身でお調べになってください)。

828 ナンバ歩き《一》

路地裏の整体術 第828号 2015年8月13日
▼ ナンバ歩き(一)

「ナンバ歩き」という言葉を聞いたことがある人は多いようです。では、実際にナンバ歩きをしている人は、と問うてみると、少ない。ナンバ歩きの説明として「脚と腕を同時に前に出す」というようなことが言われ、実際にそんな歩き方をしてみても、うまく行かないですから、諦めてやらない。そんな事情があるように思われます。

初めて「ナンバ歩き」という言葉を聞いたという人のために書いておきますと、「脚と腕を同時に出す」歩き方ではなく、【腕を振らない歩き方】といえば正確だろうと思います。

具体的にはどうするか。決まった形があるわけではないので、好きなように歩けばいいのですが、例えば、両手を握って腰にあてて歩けばよい。手首のあたりを腰骨に当てる感じでしょうか。

お能を見ていると、登場人物は決して腕を振っていません。手に扇などを持っているか、太もものあたりに手を当てているかでしょう。あれがナンバ歩きです。

簡単にいえば、ナンバ歩きという特殊な歩き方があるわけではなく、腕を前後に振らずに歩けば、それがナンバ歩きになっているということです。ですから階段の上がり降りには、誰もが無意識のうちにナンバ歩き、またはそれに近い歩き方をしています。

「ナンバ歩き」という呼び方が昔からあったのか、というところは議論の分かれところらしいですが、例えば古語辞典を引いてみても「なんば」というのは出て来ません。一説によれば、映画監督の武智鉄二さんが使い始めたとも言われます。

武智さんは歌舞伎の世界にも関わっていましたから、歌舞伎の世界に「ナンバ」という言い方があったのでしょう。とすれば、それが何年のことであれ、ずい分新しい話で、江戸時代からナンバ歩きという言い方があったわけではないことが明らかでしょう。

どんな歩きなのか。YouTube に三上一人さんの実演がありますから、どうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=CAMOW57JXJE

また古武道で有名な甲野善紀さんのお話も参考になりますよ。こちらもどうぞ。
https://www.youtube.com/watch?v=DC66NZj8pJ4

甲野さんのお話の中に、「前に倒れていく力を使ったんだろう」というくだりが出てきます。確かに、やや前傾姿勢で脚を出して歩いてみると、2割ばかり速く歩けることが分かります。

(続く)

827 またムドラー

路地裏の整体術 第827号 2015年8月4日
▼ またムドラー

またか、とお思いでしょうが、再びムドラーの話題です。日本語でいうと「印相」ということになるでしょう。手で何か意味のある形をとって、ジッとしていること。仏さまが胸の前で手を一定の形に組んでいるようなのが、ムドラーです。ヨーガの世界では別の意味で使われることもあるようですが、ここでは「印相」という意味で使います。

この前の肩ムドラーには、効果があったというご報告をいくつかいただきました。ただ、お断りしておかねばなりませんが、慢性化して、かちかちになってしまっている症状に対しては、あまり効果が期待できないかもしれません。あくまで近ごろすこしおかしいな、という程の症状に対して効果が期待できるということで、毎日、「寝床体操」をしている人などには大した効果が現れないと思われます。

インドのヒーラー、チャクラバルティさんが『聖なる旅路』の中で取り上げている本格的なムドラーの場合は、1日のうちに時間にして45分続けるということになっています。あるいは30分を2回でもいいそうですが、私がここで取り上げているムドラーは、そんなに長い時間続けなくても、効果があると思います。

さて、今回のムドラーは「またムドラー」つまり、股関節のムドラーです。立ち上がった時、歩き出した時に、あ、股関節がおかしいな、という程度の時に試してみてください。

身体全体と手の共鳴関係でいうと、股関節は小指の付け根にあたります。小指の付け根のMP関節(第3関節)の骨のところに、親指の先を当てます。その状態でしばらく歩いてみればよろしい。しばらくすると、股関節の違和感が解消しているでしょう。

ですから、この前の「肩ムドラー」との違いは、相手の指が薬指か小指かという違いだけです。このような関係を見つけ出せば、自分で新しいムドラーを見つけ出すこともできるでしょう。

皆さんの工夫をお待ちしております。

★スマホの問題について次のようなお便りを欧州在住の方から頂いています。

──スマホ の電磁波の危険性が日本語版ウィキに載っていない、というのは興味深いですね。もう10年前になりますが、フランスでは、12歳未満の子供の携帯電話の使用は禁じられていることを知りました。それから、電話会社社員の医療保険掛け金は一般より高く設定されていることも。フランスでは、電磁波の影響を真剣にうけとめていることはショックでした。

826 坐骨神経痛と手首の深い関係

路地裏の整体術 第826号 2015年8月2日
▼ 坐骨神経痛と手首の深い関係

古い友人からの紹介で来られたFさん。「坐骨神経痛」というありがたくない診断名を頂戴しているそうです。この病名の人は厄介なことが多い。医学界の正式見解では、この病気は、坐骨神経の障害ということになっているわけです。

しかしながら、実のところは脚に問題があることが多い。それだけではなく、臀部の筋肉の状態などもからんでいるので、どこの操法家も迷う症状ではないかと思います。

このメルマガでも、最近これに関連した記事を何度か書いています。例えば、第785号「坐骨神経痛という症状」、第792号「身体はどう捻れるか」、第803号「手をついた」などです。

Fさんが初めて来られた時は、脚を主に操法しました。それで痛くないという状態に辿り着いたのですけれど、2回めに来られた時には、完全に戻っているらしい状態でした。

そこで、この日は違った操法と取り組んでみようと思いました。そのヒントになるのは、第803号「手をついた」。この記事にある状況では、腰椎5番が手首の操法で変化したという不思議なといっていいほど、離れた関係でした。早速Fさんに尋ねてみると、手をついたことがあるらしい。そこで、手首を操法すれば腰が変化するはずだ、すると「坐骨神経痛」の症状も変化するかもしれない、とこんな推論だったわけです。

私は、時々こういう大胆な推論に基いて操法することがあります。言ってみると、ある種の賭けともいえますが、平凡な操法をしていたのでは、変化しないとなれば、ある種の賭けも必要になります。ダメ元でやってみる。まあされる方は、えらい災難ですが、うまく行くかもしれないので、災難だとも限らない。

手首の操法は、第803号に書いておきましたので、そちらを参照してください。要するに一言でいえば、手首の捻れを取る操法を行ったことになります。

ただ、この操法は自分ではやりにくい、だれかにやってもらわないと難しい。ですから、ここでは自分でやるやり方を書いておきます。

手首のところにグリグリが二つありますね。親指側の「橈骨茎状突起」と小指側の「尺骨茎状突起」です。それぞれの突起の一番飛び出しているところに、反対側の手の親指と人差指をそっと当てて、二つの突起の頂上の皮膚を内側へ(親指側へ)捻る方向にわずかに捻じります。そのまま数分間、じっとしているだけでよろしい。これで、手首の内ねじれが改善してくれます。

実際に私がFさんに施した操法は、下橈尺関節をそっと捻る方法でした。でも、上に書いた自己操法でも同じ効果が得られるはずです。確認のため腰椎5番を強めに押さえてみました。すると痛くない、とのこと。

これで手首の操法が奏功しているはずです。「どうぞ、立ってみてください。」とFさんに立ってもらった。すると、お尻の痛みが消えているんだそうです。不思議なことに坐骨神経痛の痛みが、手首の簡単操作だけで消えてしまった。

私も、ここまでの効果があるとは思っていませんでした。賭けでしたから。

その後、「これで終わりにすると、不安になるでしょうね」とFさんに尋ねた。そうですね。ということだったので、1週間ほど後で来て貰う予定にしました。それが本日だったのですが、刻限が来ても、Fさんは来られない。電話をかけてみますと、寝過ごしたんだそうです。調子はとお聞きしてみると、良いと言われるので、それなら、しばらく様子を見てください、と言って電話を切った。

具合が悪ければ、人は決して忘れたりしません。だいぶよくなっているのだと思われます。早とちりの癖のある人に言っておきたいのは、この操法がすべての坐骨神経痛に効くと主張しているわけではないことです。「坐骨神経痛」と言われた人の中に、この操法で助かる人もいるんじゃないだろうか、という話です。

坐骨神経痛のある人で、手首を傷めたことがある人は、試してみてください。もし、これで改善したという人がいれば、詳しい状況を知らせてくださると、皆が助かります。

825 肩ムドラー

路地裏の整体術 第825号 2015年8月1日
▼ 肩ムドラー

以前に何度か「ムドラー」というものをご紹介しました。
http://shugeitei.com/mudra.html

伝統的に伝えられたムドラーが色々あるのでしょうが、一つ付け加えてみたい。こんなことをいうと、ヨーガをする人たちから伝統の破壊だとたしなめられるかもしれませんが。新しい時代の新しいカタチがあってもいいのではないか。

共鳴法でいえば、薬指の付け根というか、第3関節は「肩関節」に当たります。第3関節の掌側です。つまり、薬指の付け根から少し下がったところの関節の部分。これが肩関節の前に当たります。

この部分を反対手の指でジッと押さえていると、肩が楽になってきます。でも、このやり方だと、両手がふさがりますから、他のことができません。そこで、一計を案じて、例えば右の肩が痛ければ、右手の親指の先を右手薬指の付け根にジッと当てていれば、それでいいのではなかろうか。先にも書いたとおり、付け根というのは第3関節の骨を感じるところです。

すると、親指を折って、「一」と数えたカタチになるでしょう。しばらく続けると、痛かった肩が楽になってきたり、動かない肩が動くようになったり、色んな効果が実感できるはずです。

もちろん、痛む側だけすればいいわけだけれど、左右のバランスを取るためには両手でやっても問題ありません。これをやりながら歩くというのもいい。だったら、新種のムドラーとして、これを挙げてもいいのではないか。「肩ムドラー」と呼んでおきます。

肩に問題がある人は、この「肩ムドラー」をしながら道を歩いてみてください。おそらく30分とか、45分とか長くやらなくても、しばらくやっただけで即効があると思います。テレビを見ながらでもかまいません。

これで、また整体のお客様が減ってしまうかもしれません。そうなれば、めでたいことです。

824 踵正坐で足取りも軽く

路地裏の整体術 第824号 2015年7月31日
▼ 踵正坐・三論

私は性格がしつこいところがあります。結論が出るまで何度も同じことを繰り返したりする。今回も、美術館(museum)を繰り返してみることにしました。またしても美術館へ行って、この前の踵正坐の成果を確かめてみたい。

美術館といっても、どこでもいいわけではない。自分がみたいものを開催しているところでなければ行った甲斐がありません。今回は西宮の大谷記念美術館に行ってみることにしました。調べてみると「具体の画家、正延正俊」というのをやっています。この画家のことは知らないけれど、その絵をひと目みて、行って見ようと思いました。→ http://otanimuseum.jp/home/

場所は阪神・香櫨園駅から徒歩10分ほどのところ。静かな住宅街の中に小さな美術館があります。この正延という人は知りませんでしたが、神戸灘区の西郷小学校の美術の先生をしていたらしい。子どもの頃、私は神戸のこの辺りに住んでいましたから、何となく親しみを感じます。

正延の絵は、「具体」という名とは違って、抽象そのもの。細かな線が無数にうねっている絵で、たとえば肖像画を描いても虚しい、人の顔の表面とその内に活動している生命の躍動を捉えなければ意味がない、と言っているようです。絵の中に具体的な形があるわけではなく、そこには、生命の躍動だけがあるというのが正しい説明のように感じます。

さて、4つの展示室を回って、そろそろ脚がダルくなってきたかな、と思って脚の調子をみても、今日はさほどダルくはない。ともかく、椅子の上に坐ってみよう。踵正坐をしてみます。私が踵正坐をしている前を人が行き来します。
うん? この前ほど痛くない。絵を見て回る「立ち仕事」を1時間ほど続けたけれど、痛くないのです。ということは、前回の国立博物館の後の踵正坐で、ある程度は異常が解消してしまったこと。今回の「立ち仕事」では足首の異常が発生しなかったことが分かります。

もちろん、これは私だけの体験なので、皆さん方に試して、確かめていただかなくては、まともな結論になりませんが、取り敢えずの傾向はつかめたかも、と思いました。踵正坐には、ただ一度でも大きな効果があるらしい。

さて、美術館を離れようとすると、玄関の脇に「庭園順路」と書いてあります。庭園を歩けますよ。ということでしょう。美術館の建物をぐるっと取り囲んでこじんまりした庭園が続いています。

そのうちに水琴窟がありました。前に立っていると、庭師の方が「いい音がしますよ」と言われたので、押されるようにして近寄ってみました。すると地の底からメロディーが響いてくるのです。水滴の落ちる音がメロディーになっている水琴窟というのは始めての経験です。

香櫨園駅までの帰り道は、足取りも軽く。

823 踵正坐・再論

路地裏の整体術 第823号 2015年7月29日
▼ 踵正坐・再論

いま、奈良国立博物館で「白鳳」展が開かれています。自宅から歩いて行ける距離にありますので、昨日、出かけました。白鳳時代の仏像・仏具などが煌星のように集められ、国宝・重文級の作品がひしめいているのは、壮観でした。

一例として、現在修理中の薬師寺東塔の相輪や水煙が目の前で見られるんです。レプリカを展示してあるところがあるかもしれませんが、実物を目の前で見る機会はもうないでしょう。修理の終わった東塔によじ登りでもしなければね。

博物館や美術館にいると、作品の前でじっと立っているわけです。すると次第に疲れて来ます。さっさと歩いている時とは違った疲れで、休憩席があると、よっこらしょと腰をおろしたくなります。

一巡して、玄関の椅子に坐ったので、ここで踵正坐をしてみようと思いました。背もたれのない椅子なので、ちょうど具合がよい。踵正坐そのものは、何度もやっているので、いまさらという感じもあるのですが、ともかくやってみよう。

一昨日に山口のNさんから電話をいただき、以前、腰椎1番が出っ張っていたので、「これは老化だと言われましたね、だけど、踵正坐をすると凹んできました」というご意見を聞かせてもらったので、どんなことになるか、と興味もあって、やってみる気になったわけです。こんな風にご意見をくださる方は、大変ありがたい存在です。

この頃では、Nさんに「老化だ」と言い放った私自身の腰椎1番が出っ張って来ています。これはまずい。という思いもありました。
で、踵正坐をしてみると、とても痛くで坐れません。普段から時々これをするようにしていますので、痛くて坐れないということはなかったのですが、それが坐れない。立っているうちに踵の周辺が歪んで来たということでしょう。

とすると、立ち仕事の人は、大変ですね。常に歪みの要因を抱えていることになりますから。立ち方が真っ直ぐなら問題ないか、と言えば、それはそうだとしても、そんなに常に気を付けて真直ぐに立っていられるか、という話しです。

以前から、立ち仕事の人におかしな歪みが多いなと思っていましたが、立ったままでじっとしているのは、かなり歪みを起こす原因になっているのでしょう。博物館で立っているのは、立ち仕事のうちに入るようです。

博物館の椅子の上で痛くても、踵正坐を続けてみました。すると、次第に痛みが和らいできました。踵まわりの歪みが修正されて来たということでしょう。立って歩いてみると、さきほどのような重さがなく、さっさと歩けます。

この踵正坐を提唱している金聖一さんの『朝30秒の正座で腰痛が治る』という本によれば、いくつかの注意点があるようです。本の題名にあるように「朝」にやる方が効果が上がること。寝る前にすると、交感神経を刺激して眠りが浅くなる、という点です。

もう一つは、毎日すること。もちろん朝に、です。改善例として上がっている症状にどんなものがあるか。まず腰痛。ヘルニアやギックリ腰、O脚、尿漏れ、膝痛、肥満、などが上がっています。確かにこのような効果があるかどうか、確かめたわけではありませんが、足首が変わると、このような効果があっても不思議ではないといえます。

どうしても痛くて出来ない人には、タオルを使ってやる方法が本書に紹介されていますので、そちらをお読みください。30秒となっていますが、慣れると、数分連続で坐っても痛みなく坐ることが可能です。

で、私の腰椎1番は、どうなったか。いまのところ大きく改善されたわけではありませんが、少し出っ張り具合がマシになってきています。毎朝つづけるのが楽しみになってきました。

820 スマホの健康被害

路地裏の整体術 第820号 2015年7月21日
▼ スマホの健康被害

先日の集中中級講座でスマホの害が話題になったので、検索窓に「smartphone hazards」(スマホの害)と入力してググってみると、多数の論文などが出てきました。一つ一つについて詳しくご紹介できればいいとは思いますが、何しろ一つ一つの長いこと、数が多いことで、お手上げです。

でも代表的なものについて、ちょっと書いておきたい。一つはウィキペディア。ウィキペディアは一つの言語で書かれると、各国の執筆者が、それを自国の言語に翻訳しますから、すぐに世界に情報が拡散される仕組みです。

ウィキペディアにあるのは、Mobile phone radiation and health という項目で、すでに各国の言語に翻訳されていますが、驚いたことに日本語版がありません。

誰も手がける人がいないのか、それとも誰かが書いても何者かによって消去されるのか、その辺りの事情は想像するしかありませんが、ともかくヘンです。

時間がたっぷりあれば、私がやってもいいのですけれど、それだけの馬力が私にありません。どなたか、若い人がやってくれませんかね。

ともかく、その冒頭部分だけ訳出しておきます。(訳文に少々おかしいところがあるかもしれませんが、それは大目に見てください)

──【携帯電話の電磁波と健康】 携帯電話の電磁波が人の健康に与える影響については、携帯電話の使用が世界に広がっているため、世界中で研究と関心の的となっている。2011年11月までのところ、携帯電話の契約数は世界で60億台を超えた。携帯電話が使用している電磁波はマイクロ波のレンジに属していて、それ以外のデータ通信などのデジタル無線システムも同じ電磁波帯を使用する。

2011年、国際がん研究機関(IARC)は、携帯電話の電磁波をグループ[2B](ヒトに対する発がん性が疑われる、possibly carcinogenic)に分類し、[2A](ヒトに対する発がん性がおそらくある probably carcinogenic)、または[1](ヒトに対する発がん性が認められる)には入れていない。これは、「発がんのリスクが幾分かある」ことを意味しており、長期にわたって携帯電話を頻繁に使用するような場合は、さらに研究が必要であることを意味する。世界保健機関(WHO)は2011年の6月に、「現在のところ、携帯電話の使用による
健康への悪影響が立証されているわけではない」とし、また2014年の9月にも、これを再確認した。電磁波の害について助言を行う民間団体が、予防原則に基いて、電磁波への曝露を極力へらす方策を取るよう市民に勧告している。(以上、ウィキペディア英語版から引用)

私は、以前に携帯電話の磁力線量を測ってみたことがあります。それによれば、発信時に磁力線量が大きくなるので、電話を掛ける時は耳から離し、かかってから出るようにすれば、幾分でも曝露量を減らすことになると思います。電磁波の曝露量は、距離の2乗に反比例するからです。

その他、お母さんが赤ちゃんの頭の上でスマホを使うようなことは止めてほしい、とか、他にも色々と書きたいことがありますが、関心のある方は、ネットにたくさんの記事がありますから、お読みになってください。

819 膝の痛みを止める

路地裏の整体術 第819号 2015年7月20日
▼ 膝の痛みを止める

膝が痛いとき、どうするか。もちろん、足首を調えるとか、骨盤を調えるとか、やるべきことは色々あるはずです。そうしたことをやった上で、まだ痛いという。さて、どうするか。という問いです。

膝に問題のある人の場合、私は朱鯨亭の階段を上がり降りしてもらいます。すると降りる時に「痛い」などの反応がありますから、その場合はまだ問題が残っていると考えて、次の手を打ちます。

何度やっても痛いというような人の場合、何がどうなっているのか、といいますと、お皿に引っかかりがある。半月板の位置がおかしいのかもしれませんし、膝蓋骨のどちらかの表面に拘縮ができているのかもしれません。いずれにせよ、そのような引っ掛かりがあって、本人は痛みを訴えます。

こういう時は膝の共鳴法の対応箇所、つまり小指の第2関節(PIP関節)をちょっと押し加減で揉んでみると、そこにも痛みを覚えるはずです。

その痛みが軽くなるまで、しばらく揉み続けます。やがて、小指の痛みが軽減してきます。すると、階段を上がり降りしても痛くなくなります。
中には膝には痛みがないのに、小指に痛みを感じるという人もいるかもしれません。そんな場合は、そちら側の膝も、すでに何らかの異常をかかえている可能性がある。そちらの膝も大事にしなさい、という警告と考えた方がよい。

簡単なやり方なので、騙されたと思って、試してください。きっとお役に立つはずです。これは膝に限らず全身どこでも、対応個所を揉んでみると、よくなるという場合が色々あるはずです。

階段を降りる時に痛いと感じた時など、ちょっと立ち止まって、この操法をしてみると、確かに楽になったと感じられるはずです。

818 仙腸関節の締まり過ぎ

路地裏の整体術 第818号 2015年7月17日
▼ 仙腸関節の締まり過ぎ

昨日のからだほぐし教室でのこと。常連のTさんが腰が痛くて、一向に改善しないと。早速、見せてもらうことにしました。どうやら仙腸関節に痛みが出ているようですので、伏臥になってもらって仙腸関節の辺りを押さえてみます。

といっても正確に言えば、仙腸関節という骨盤の中にある関節は、直接触れることができません。仙骨の外側のラインから斜めに上にあがって行くライン、私が「仙腸ライン」と呼んでいるラインの辺りを押さえてみます。

この辺りには、もちろん腸骨・仙骨という骨がありますが、その表面に筋肉が広がっているので、正常な人の場合は、さほど硬くはないはずです。ところがTさんの仙腸ラインは、かなり硬く感じられます。

「硬く」とは、どのくらいなのかというご質問がありましたが、こういうご質問は、たいへん答えにくいものです。「感覚」ですから、どのくらい「熱い」のかとか、どのくらい「張り」があるのか、とかのご質問と同じく、感覚で感てみるしか捉えようがありません。

こういう時は【仙腸関節が締まり過ぎ】になっていることがあります。というと、仙腸関節は、体重を支えている関節だから、開き過ぎというのは、ありえても、締まり過ぎはないのではないか、というお考えの人もあるかと思います。

しかし、現実に【締まり過ぎ】としか考えられない場合があることを否定できません。締めるのではなく、緩めることによって問題が解決するからです。

共鳴法で仙腸関節を締めようとすると、「仙腸操法」と呼んでいる方法を使えばうまく行きます。→ http://shugeitei.com/bempi.html/ の下の方に図示してある方法です。これは締めるときの方法なので、逆方向に撫でると、仙腸関節が開きます。

私は、Tさんの右の仙腸関節のみ【3回緩め、その後、1回締める】という操作をしました。Tさんが痛みを訴えていたのは右の仙腸ラインだけだったからです。

3回緩めて、1回締めるのなら、2回緩めるだけでいいのではないか、と言う人がいるかも知れませんが、現実はさほど単純ではない。ねじを締める時のように全体に緩めておいてから締めるという操作をしないと、うまく行きません。

さて、この操法をしただけで、Tさんにどんな様子か聞いてみると、痛みはなく、ボカボカした感覚がある、そうです。Tさんは、仙腸関節は締めればいいものだ、と思っていたそうで、一生懸命に毎日締めていたんだ、そうです。締まり過ぎになっていたわけです。

何にしても【過ぎたるは及ばざるがごとし】。過ぎた時は、逆向きの操法が必要であるという、明らかな実例でした。Tさんは、操法を知っているから、こんなことになったのではないか、と考える人もいるでしょうが、操法を受けに来られたお客様で、同じ状態の人が先日ありました。なぜ締り過ぎだったのかは分かりませんが、あるいは他所の整体師にグイグイ締められたのかも。

811 すべては下に(2) 顎が開きにくい

路地裏の整体術 第811号 2015年6月27日
▼ すべては下に(2)

70代女性Hさんの場合。シリーズ第2回です。階段を降りる時に膝が痛い。

これも大切なポイントで、「すべては下に」というタイトル通り、足を操法すればいいのですけれど、詳しく書く必要があるので、またの機会にして、今回はHさんが帰りがけに、「先生、後ちょっとこれだけ、顎が・・」と言われた。顎の開きが悪くなっているのだそうです。

終わりの頃にこういうことを言われると困るわけです。顎の開閉がちょっとで済めばいいけれど、大抵はそうは行かない。

顎関節が整うためには、頭蓋骨を調える必要があります。それで、今回は足で操法してみようと考えました。

ご本人は、顎が悪いと言っているのに、足を触られるとは面妖な、と思われたかもしれません。でも不思議なことに、顎の不正は足の第3趾、つまり中指の付け根をもみほぐすとよい

たいていの人は趾(あしゆび)の付け根を触られると痛みを感じるものです。特に中指の付け根は堪(こた)えるかもしれません。

手の親指と人差指で第3趾の付け根を摘んで、上下左右に揉んでやります。これをしばらく(数分程度)続ける。反対側の足の趾も同様にしてやります。

さあてこれで起き上がってもらって(寝たままですと、顎の位置が適当ではない)、顎を動かしてもらいますと、「はい、大きく開きます」とのことで無事、終了することができました。

自分でもできますから、顎の開きにくい人は、やってみられるといいです。自分でやるより、仰臥して、誰かにやってもらう方が効果が高いかもしれません。

すべての顎の問題が、これで解決するわけではないですが、顎の問題を抱えている人は試してみる価値があると思います。クリック音がする場合は、別の操法が必要かもしれませんが。

というわけで、この日一日で足は全身にとって大切なところであることが確かめられたことになりました。

886 セルフ整体教室・募集→満席です。

路地裏の整体術 第886 2016年3月4日
▼ セルフ整体教室・募集

人に直してもらうのではなく、やはり自分で直せないだろうか、と考えている人が多いと思います。従来から「からだほぐし教室」をやっていますが、長く通っている方が多く、レベルが非常に高くなっていて、素人には入りづらいという声を頂戴しておりますので、初歩からぼちぼちの教室もほしい。

お一人、お一人のお客様には、その人に合わせて体操などをお教えする場合があります。だが初歩から積み上げたものでないだけに、どうしても偏った方法になりがち。

そこで登場。「セルフ整体」──つまり自分ひとりで自分に操法をする教室です。自分自身に操法をしてメンテナンスをしようという趣旨です。もちろんご家族・ご友人にやってあげることも可能です。

ただし時々誤解する人がいるので、単なる体操教室ではないことをお断りしておきます。

【日時】毎月、第1土曜・第3土曜の2回。午前10時~11時50分。
<第1回>4月2日(土) <第2回>4月16日(土)・・
毎回参加が必須ではありませんが、初めのうちは毎回参加されるのが望ましいです。
【場所】朱鯨亭2階(奈良市西笹鉾町40)
【費用】1回2000円(毎回納入の場合)。3ヶ月10000円(一括納入の場合)。
【資格】特にありません。どなたでも結構ですが、保育はありません。
整体のプロを目指す方は、講座の方にご参加ください。
【服装】動きやすい服装なら結構です。ジーンズ・スカートは不可。着替えることも可能。金属類ははずしてご参加ください。
【テキスト】特にありませんが、「共鳴法教本」が参考書になります。→
http://shugeitei.com/stext.html
【定員】場所の関係で、最大14名に限定。【すでに満席】
【申込】shugeitei@gmail.com 宛に、お名前、ふりがな、およその住所(奈良県王寺町・大阪市天王寺区など)、メルアド、電話(できれば携帯)、どういう症状に関心をお持ちか、「共鳴法教本」をご希望の方は、その旨もお書き添えください。