アフターフォロー付操法

「アフターフォロー付きの操法」を開始します。これまでの操法に付け加えて、事後の電話・メールなどでのフォローを優先的に行うものです。電磁波除けグッズの配布など、お得なサービスもついています。

遠隔地から来られる人など、事後に繰り返し来られない人は、電話・メールなどでもフォローを希望される場合が多い。

事前に+2000円をお申し出くださると、優先的にそのようなサービスを提供します。

また、勉強のために来られる方は、操法の時に説明を丁寧につけさせていただくことも可能です。講座に参加する代わりに、この方法だと、個人教授を受けられるというわけですね。

あるいは、複雑な症状があって、1回では終わりそうもない、と思われたら、2回目以降の相談に詳しくのらせて頂きます。

共鳴法整体研究所 www.shugeitei.com


反り腰を直す

「反り腰」とは何か? 背骨全体の反りが強く、特に腰椎の反りが大きい状況のことです。逆になっていて、後方に曲がっているものは、私は「曲がり腰」と呼んでいます。

これの調節について明確に書いている人は大正・昭和初期の高橋迪雄(みちお)です。

ただ、高橋の書いている本は旧漢字・球かなで読みづらいので、私の解釈で書きます。

固めの床に仰向けになります。布団の上はやわらかいので不可。畳の上、フローリングの上がよい。

両脚を上に上げます。腰が直角になるまで。腕は好きな位置でOK。

膝から下(つまり下腿)をぶらっと下げます。

下腿を床にドンと下ろします。

足裏が床についたら、そのままの姿勢でじっとしています。

3呼吸ほど、そのままにしています。ここで動いてしまったら失敗。

そろそろと両脚を伸展します。

以上を3階行います。反り腰が直ったかどうか、家族に確認してもらいます。

以上でおしまい。修正が十分でなければ、日を置いて、別の日に行ってください。

靴の紐をしっかり結ぶと・・・

第1087号 2019年4月21日

長野県在住のMさんから次のようなお便りをいただきました。

「靴の先が細い、幅広すぎで同じような[腰痛の]経験をしました。

  ーーブーツに中敷を入れてきつくなった、が最初の腰痛。
  ーー自宅がフローリングなのでゆるゆるスリッパで日常過ごして足裏踏ん張り過労で腰痛と膝の障害。
  ーーその後仙骨歪みと背筋衰えなど症状が重なり、階段から滑り落ちるほど、重症になりました。」

こういう経験をしている人は多いはずです。

今度は私自身の最近の体験です。

先日の靴講座を聴講しましたので、靴の扱いについて、いろいろな知識を得ることができました。そこで、スポーツ用品メーカーMの京都にある専門店まで靴を新調しに出かけたと思ってください。

店員さんの話や靴の扱いも、靴講座の川本さんの話と符合する内容で、一つ一つ納得が行くものでした。

まず、自分の足のサイズを測っておきました。これまでの思い込みより1サイズ小さい25でOKということを確認してありました。幅に関しても幅広は不必要であることを確認してありました。

というわけで、サイズ25でEの表示(EEとか、EEEとか)のないウォーキング・シューズを選びました。

紐を引き締めてみると、かなりきついような気もしますが、これでとりあえず歩いてみることにしよう。

歩いて見たのは、奈良県南部の葛城(かつらぎ)古道です。この辺りに興味はあるものの、奈良からはかなり遠いので、あまり歩いたことはありません。(これまでに一度だけ)

近鉄御所(ごせ)駅を降りて、南東の方角へ向かいます。

数々の古寺・古社が街道沿いに点在していて、それぞれに興味深い。

この地域は、古代には、鴨族と呼ばれる豪族が住んでいたとかで、「鴨」の名をいただいた古社がいくつもあります。「かも」は「かみ」に通じるという説もあるそうで、京都の上賀茂・下鴨神社の先輩格とも言われています。

中でも「鴨山口神社」というところには、アマノミナカヌシの神が祀られていて、珍しい。掃除がいきとどき、田舎のお社には見られない風格があります。

[註] アマノミナカヌシは、アメノミナカヌシと言われることも多いが、カタカムナの文書にはアマノミナカヌシと書かれていて、この方が古形であると思われる。

このあたりまで靴は快適に履けていたのですが、少し指先が痛くなってきた。指先が痛むということは、足が先の方まで突っ込まれているということですから、このあたりで少し紐の結び方を反省してみなければなりません。本殿の前で靴の紐を結び直しました。

そう思って見ると、やはり紐が緩んでいる感じがします。これをもう一段しっかり締めてと。

それから先は、かなり歩いても、指先が痛くなることはありませんでした。

やはり最初の結び方では緩くて、足先が靴の奥まで突っ込んでいたということです。

こうして見ると、やはり靴の紐は伊達や体裁でついているものではない、ということです。足裏と靴とが密着するために紐がある。

ところが、先日我が家に来ていた孫娘の靴を見ると、紐の格好をしたゴムがくっつけてある、という、子どもの靴だから、何でもいいや、というのかどうか、かなりいい加減な靴(ニューバランス製)で、なるほど、これでは子どもの足も悪くなるはずだと、改めて驚かされました。

さて、その後、日を改めて高鴨神社や、鴨都波神社もまわり、鴨族の痕跡を堪能しました。皆さん方にも、古代奈良を知るのに、葛城古道、お勧めのコースです。

989 不安について

第989号 2017年9月12日
▼ 不安について

多くの症状をかかえ、それを繰り返す人がいます。こういった人から、この前みていただいたら、悪化して痛くなってしまった、何とかしてほしい、というような電話をいただくことがあります。

こういう時は、休みの日でも、時間外で臨時に拝見することがあるのですが、それでよくなることもあり、あまり変化のないこともあります。(どういう場合に変化があるか、というのは重要な課題ですが、それについては、別の機会に取り上げたいと思っています)。

こういう人とやり取りをしていて、強く感じるのは、この人は不安を抱えているのではないか、ということです。

例えば、病院で診てもらったら「脊柱管狭窄症」といわれた。背骨が歪んでいるので、神経と触っているという。そのことが強い不安を生み出しているわけです。

背骨のこの辺りが悪いらしい、このちょっと出っ張っているところが、これ以上歪んで来たらどうしよう。もう立てなくなるのではないか、まともに歩けなくなるのではないか、という不安を感じることになります。

そのため、その辺りに少し痛みを感じると、ああ、もうだめだ、どうしよう、どうしよう、俺はこれで終わりになるのか、というような不安を感じる。すると、余計にそこが痛くなってくる。

そのことが潜在意識に忍び込んで、夜中に悪夢を見るかもしれません。こういうことは、迂闊に人に話せないので、自分ひとりの胸にしまいこんでしまう。すると、もういけません。余計に不安のエネルギーが増大して、同じようなことを繰り返してしまう。

そこで、私のところに電話をして、何とかしてくれないか、と言ってくることになります。ある場合には、朱鯨亭の予約をキャンセルして、別のところの予約をとり、整体ショッピングをする人もいるらしい。

こういう人が、実は多いのではないか、と想像するのです。

誰しも、自分が不安を抱えて、それで苦しんでいるなんて、他人にいいたくない。医者にも整体屋にも話さないということになりがちなのではないか。

すると、不安がいよいよ内向してしまいます。

「脊柱管狭窄症」だけではありません。ヘルニアや膝痛でも、内臓疾患でも、同じことがありうるのではないか。

一つの症状があると、それが気になってしようがない、大して強い症状があるわけではなくても、こりゃもうだめだ、と感じてしまう

こんな「症状神経症」的な人が多いのではないか、と感じられます。一に健康、二に健康、という世間の風潮も、このことに拍車をかけているのではないでしょうか。

ですから、医療や、癒やしに関わる者は、相手に不安を与えるような発言を決してすべきではない(これは私自身への戒めでもあります)。家族も同じです。ところが、病院で言われたことに不安を感じて、やってくる人が実に多い。困ったことです。

医術の古典として知られる古代ギリシャの医師ヒポクラテスの 『古い医術について』(岩波文庫)という有名な本がありますが、その中に流行病という項目があり、古代の流行病のレポートを読めます。これを読んでみると、最後「精神異常」を起こして亡くなったという記述が多いことに気づきます。

つまり病気というものは、最後は不安にさいなまれるという事態になりやすい。脊柱管狭窄症やヘルニアで死に至るわけではありませんが、不安な心は、そういうところに追い込まれてしまう。

そのことを、周りの人たちはもっと考えるべきだ、というのが私の感ずることです。逆に患っている人の立場に立って言えば、自分自身の不安感を克服することが、重要な課題だということになるでしょう。

959 胃下垂と浅指屈筋

第959号 2017年3月2日
▼ 胃下垂と浅指屈筋

前回、心臓と肝臓の下垂について調べました。今回は、胃下垂についてです。

といっても、内臓の下垂は繋がっているらしく、胃だけ下垂しているわけはなく、隣接する内臓も同時に下垂していると考えた方がよさそうです。

これに気づいたのは、肝臓の下垂を調べている時でした。肝臓が下垂しているというようなことが有りうるのであれば、それに隣あった膵臓とか十二指腸とかも下垂しているのではないか、いや、そういう意味では胃も下垂しているのではないか、と思ったわけでした。

どこで、前回、圧痛の有無を調べた右手の金星丘の隣はどうか。と思って周辺を調べると、
金星丘の上に示指につながる浅指屈筋(せんしくっきん)の腱があります。金星丘から上に辿って行くと、つっぱったスジが触るでしょう。(浅指屈筋については、筋肉の解剖図などで確認してください)

ここに少し圧痛を感じました。そこで、これは胃下垂ではないか、と考えました。

そこで、胃と、その下の下腹部を両手で押さえ、少しばかり上に押し上げるようにしていると、確かに浅指屈筋の腱が緩んできました。

ですから、肝臓や心臓だけでなく、胃など、その外の内臓も調べるようにしようと考えました。ですから、短指屈筋の腱を調べて、その圧痛を除去すると、胃下垂だけでなく、その周辺の下垂を修正できるのではないだろうか、というのが結論です。

特に女性の場合には子宮や卵巣を切除している人がかなりいます。そういう方々は、あるべきところにあるものがないのですから、下垂し易いことでしょう。

もう一つの教訓は、掌は内臓と深い関係があること。高麗手指鍼でも掌に内臓のツボが多く確認されています。

さて、以上の操法から引き出せるもう一つの教訓は、ある操法を施した後で、その周辺にも似たものがないかどうかよく考えてみるということ。これは私がものを考える時に、よく使っている一般原則の一つです。【類縁の原則】とでも名付けておきましょうか。

938 靴の履き方と学校

2016年12月20日
靴の履き方と学校

読者のSさん(大阪府在住)から、靴の履き方に問題があることに、学校が一役買っているのではないか、と次のようなお便りをいただきました。

──【靴紐を前の方までいったん緩め、しっかり縛り治すプロセスが必要だ】、

これ、自然にやってました! 前の方が緩いと、フィットしませんから。靴紐をちゃんと締めると、足が軽ーく(自動的にという感じ)前に出てくれて、楽に動けるということはわかりました。

それにしても日本人の靴紐締めがいい加減になるのは、ある程度は学校のせいだと思います。とにかく校舎の中に上履きゾーンと下履きゾーンが混在し、靴を大慌てで脱ぎ履きしなければならない場面が多い。

そのため靴を中途半端な(すぐ脱げるような)状態にしておいて、そのまま走ったり、階段登ったりすることが常態化しているんですね。学校の先生もしています。かかとを踏んだり、クロックス等のつっかけを履いたり。

私は仕事柄、大学に取材に行くことが多いのですが、土足禁止の研究室に行くことがわかっている時は、脱ぎ履きが面倒な靴は履いていけないなと考えます。。。他の人を待たせることになってしまうからです。しかし研究室の上り口に脱ぎ散らかしてある靴たちの有様を見ると、持ち主の歪み/捻れ具合が推し量れてしまい「あーあ」と思います。──

なるほど。これが実情だとすると、ますます意識して靴紐に接しなければなりませんね。Sさん、ご意見ありがとうございました。

928 金星丘が痛い 16/11/6

昨日の集中初級講座が終わってさて帰ろうとすると、参加者のTさんが質問してこられた。私の講座では、質問のある人は、即座にその場で尋ねるように言っています。

答えにくい質問や、答えようのない質問も出てくる可能性があるので、過去に参加したあるセミナーでは質問用紙を配って質問を制限するようなことをしている主催者もありました。

しかし質問を制限すると、その場で抱いた疑問を解消できないまま帰ることになって、不満が残ります。それで私は何でも質問してください、と呼びかけています。すると、驚いたことに、「奥さんと知り合ったのは、どんな時ですか」という質問が出てきて、これには参りました。

でも、これくらい自由な雰囲気がないと、セミナーや講座というものはつまらないものになりがちです。で、すべて終わってからTさんが質問をして来られた。

自分はマッサージの仕事をしているので、親指を使いすぎる傾向がある。右手親指の付け根の膨らみのところが腫れて痛みが出ている、何とかならないか、というお尋ねでした。手相学で 「金星丘」 と呼ぶところです。

──ここが痛いのですけれど。

──これは肝臓ですよ。

──え。ここは肝臓なんですか。

──肝臓が下垂しているんです。

──はあ。

というようなやりとりの後、手の平を肝臓のあるあたりに当てて、そっと上の方向へ皮だけ持ち上げるようにしてみてください、と言いました。

Tさんは右の肋骨の下に手の平を当ててじっと上の方へ軽く押し上げています。1分ばかりたったので、頃はよしと、止めてもらって、Tさんの右手の金星丘を押さえてみると、痛くない。これにはTさん、驚いた様子でした。

もう一度、自分でも押してみてTさんは痛みが消えたことを確認された。いまも、Tさんのびっくりされたお顔が思い出されます。この操法は、前回の上級講座の時に参加者のMさんが紹介してくださったもので、このような珍しい操法を互いに交換できるチャンスは得難いものです。Mさん、ありがとうございました。

 

917 肩で坐骨神経痛に対応する

肩で坐骨神経痛に対応する

さる12日、近鉄奈良駅前の啓林堂書店で「トークセッション+サイン会」。来られた方にモデルになってもらって、カンタン操法をやろうと最初から思っていました。

話を事前に準備するなどというやり方は、私にはできませんし、そんな柄にもないことをすると、失敗するに決まっています。

操法というものは即興でやるもので、一定の道筋がありません。大体の順序のようなものはあっても、いつもその順序通りというわけにはまいりません。

いろいろな方が出て下さって、ありがたとうございました。肩・腰・頸などに問題を抱えている方が前の机の上の臨時施術台の上に上ってくださいました。

例えば、登場してくださったのは、坐骨神経痛があると言われる。どちらの脚ですかとお尋ねすると、両脚だと言われる。これは厄介な人が現れた、と思ったものの、公開の席上ですから、逃げるわけにはまいりません。

さて、どんな方法でアプローチしたものか。思案するうちに、肩の高さが違うことに気づきました。これは立ったままでも大丈夫だろう。

右肩が高い。ということは、右腕に緊張があるわけです。であれば、腕が変化すれば、坐骨神経痛が改善するのではないか、というインスピレーションが下りてきました。

こういうやり方をこれまでにしたことがありません。ですから自信があったわけではありませんが、多分、右腕を変化させれば両脚にかかる体重の比が変化するはずだから、左脚の症状が変化するのではないか、という読みです。

特に肩の緊張と深い関係にあるのは、上腕三頭筋です。この筋肉が緊張していれば、たいてい肩が高くなっています。

この筋肉を緩めるのに普段オルゴン・リングを使っているのですが、この時は、持参していませんから、手で上腕三頭筋のあたりをしごいてみるということをしてみました。

これでも緩むだろうという読みはありました。しばらくこの操法を続けるうちに緊張で上がっていた右肩がしだいに下がってきました。「下がってきましたね」と解説を付け加えて。

さて、左脚はどうですかと尋ねてみると、「いまはしびれていません」というお答え。

なぜ、こんなことで解決するのか、解説を付け加えます。鞄をいつも同じ右肩にかけていると、永い間には、そちら側の腕が緊張して、右肩が高くなる。すると、体幹部が左に傾くことになるので、左脚に負担がかかる。その結果、左脚に坐骨神経痛のような症状が出てくる、というわけです。

両脚がぐあい悪いということだったので、もう片脚はどうするのか。それは一気には行かないので、朱鯨亭にお越しください、と言って終わりました。

というような次第で、操法に必要なのは、インスピレーションではないか、と改めて思いました。どうすればインスピレーションが下りてくるようになるのか。

まあ、これは難しい問で、同じような場合を繰り返すこと、繰り返し見学することでしょうね。見学がいかに重要であるか、を知らない人が多い。見学をしたからと言って、インスピレーションが湧くようになるわけではありませんが、その時、私の中でどのようなことが起きているのかをひそかに伺うことはできるはずです。

ただ、こう答えてしまうと、単なる経験主義になってしまうので、ここの認識と行動の構造を明らかにすることは、これからの私の課題だろうと思っています。

ですから、今年のこれからの集中講座・実習では、このあたりの話を大幅に充実させて、皆さんの期待に応えたいと思っています。

最後になりますが、参加くださった大勢の方々にお礼を申し上げます。

中でも、マイクを持ってくださったり、いろいろとサポートをしてくださったTさん。古くからの教室の参加者で、参加者中の最長老というべきFさん。同じく教室にながく参加してくださっているF夫妻、遠方から夫婦あい携えて来られたS夫妻、長らく通ってくださったお客様のMさん、Tさん、Tさん、教室の古くからの常連のYさん、以前に朱鯨亭に行ったことがあるという方もありました。大勢の未知の方々が来てくださいました、まことにありがとうございました。

啓林堂のスタッフの方々も、サクラとして待機してくださっていたようで、これもまた感謝にたえません。総勢30名ほどの皆さんが集まってくださったおかげで、場所を提供してくださった啓林堂に恩返しをすることもできたかな、と思っております。

サインをさせていただいた方々は、17人だそうです。下手な字で我慢してくださって、ありがとうございました。

915 孫の夜泣き

孫の夜泣き  

今年の夏は、1か月近くのお休みを頂戴しましたが、ゆったりと休みがとれたとはいいがたい。

まずは新刊のこともありましたが、二人の孫(母親は別々)が同時にやってきて、保育園状態になったからです。

そのうちの一人Sちゃんが夜中に目を覚まして、ぐずぐずいう。Sちゃんから「かーか」と呼ばれる私の上の娘がさっそくだっこして、あやそうとするが、なかなかいうことを聞きません。

私の寝ているところまで、騒動が聞こえてくるので、仕方なく、私は母子が寝ている部屋へ行って、何かをしてやりたいと思いました。

夜中にぐずぐずいうのは、結局のところ、おとなのいびきと同じで呼吸の問題なんだろうと見当をつけました。

そこで、背中の胸椎に愉気(手当)をしてみたらどうだろう、と思ったわけです。母親がだっこしている背中(左右の肩甲骨のあいだ)に掌を当ててみました。直接さわると、いやがるかもしれません。手を直接当てる必要はありません。手を離してかざすだけでいいです。

すると、不思議なことに、ぐずぐずいうのがピタッと止まった。すぐに私は自分の部屋に戻ったけれど、静かになったままです。

これほど、よく効くとは予想外でした。ネットで探ってみると、○○イリーなどという製品も出ているようですが、そんな面倒なことをしなくても、背中に手を当てるだけなら、誰でもできるし、簡単ですね。効果が100%あるか、と聞かれると、やってみてください、と答えることになります。

でも、赤ちゃんがいるお宅では、ぜひお試しを。

914 シートベルトをしていたら(2)

【承前】まず、どこがどうなっていたかを書いておきましょう。痛みのある胸椎は、強く右へ捻れていました。そのため、操体法を使ってみても、一向に効果が出ないほどでした。一つずつ椎骨を修正するという面倒な作業をしなければ、どうにもならないほど硬く捻れていました。

これは前後に押す力よりも、腰をはじめとして捻じる力が強く働いたことを示しています。

この点は、今度の私の新刊『ねじれとゆがみ』の中で、特に詳しく取り上げた点ですので、そちらを参照していただきたいと思っております。

次に腰椎。ここには左へ捻れる力が働いています。なぜ、ねじれの方向が腰椎と胸椎とで反対に出るのか。これは交通事故という強い力が働く場面でなくとも、通常の生活の中でも、腰椎と胸椎とは、逆方向へ弯曲していることが多いことでも分かります。

脊柱には、「自然弯曲」と呼ばれる前後の弯曲があります。ここに強い力や、繰り返しの力が働くことで、前後の弯曲が左右の弯曲に変わっていくメカニズムがあると思います。

骨盤はどうなっていたか。Oさんの普段の骨盤を見せてもらったのは、2年半前ですから、どうなっていたか、はっきり覚えているわけではありませんが、普段の状態が強調されて出ているのではないか、と思われました。仙骨は右前・左後ろの方向に回旋していました。仙骨の左側が硬くなっていました。

頸椎や後頭骨にも異常がありましたが、これは通常の範囲ではないか、と思われました。交通事故でよく言われるのはむち打ち症です。しかし、むち打ち症が強く出ていたか、と言えば、そうではありませんでした。むしろ腰椎を正常化すると、頸椎も正常化するという範囲の歪みでした。

事故の後、すぐに今回のOさんのように、全身の歪みをチェックして修正しておけば、むち打ちが出ないで済むかもしれません。

こういう各部の歪みを正常化して行くと、Oさんの表情は明るく変わっていき、呼吸もしやすくなったといわれます。呼吸がきびしい感じになっていたのは、胸椎の捻れによるものでしょう。

最後に距骨を整え、歩いてもらうと、どこも何ともない、という状況になりましたが、まだ胸椎には捻れが残っていて、楽観を許しません。今週末に再度、来ていただくことにしました。

シートベルトの状態についてお聞きしてみたところ、緩めにしていた、運転していた人は、きつめにしていたので、体にベルトの跡が残っているほどだけれど、異常はでていない、とのことでしたとすると、シートベルトは、お添え物どころではなく、大きな効果があるから、しっかりしなければならない。

そして事故にあってしまったら、信頼できるところで操法を受けるのが望ましい。というか、そのままにしておくと、たいへん厄介なことになるでしょう。

でも、そういうチャンスのない人は、事故のあと、どうしているのでしょうか。痛みやむちうちに苦しんでいるのでしょうか。

913 シートベルトをきっちりしておけば(1)


シートベルトさえしっかりしてあれば避けられたかもしれない問題があるのではないか、と感じさせられた事故体験の後を見せていただきましたので、その貴重な報告。

東京都中野区の女性さんから、休業中で申し訳ないけれど操法を受けたい、という趣旨のお申込みをいただきました。

Oさんは奈良市内に実家があり、お盆で帰省中という状況。昨日、車で川に沿って走っている時に、川に気を取られたのか、センター・ラインを少し越えてしまって、衝突。Oさんは助手席。

エアバッグが出て、Oさんはエアバッグと座席に挟まれる格好になり、朱鯨亭に来られた時は、右胸に打撲の痛みがあった。

座席から押さえつけられたのは胸椎で、私が見た時は、胸椎がひどく歪んでいるらしく、左右の肩甲骨の間に痛みがあると訴えられていた。

朱鯨亭は休業中ですが、そんなことも言っておられないので、本日朝すぐに来ていただいた。

救急車で運ばれた病院では、骨には異常がありません、という決まり文句で終わりだったそうです。

さて。どこから取り掛かるか。何しろ寝返りを打つだけでも痛む状況なので、簡単に動いてくださいともいえない状態です。

胸に問題があるのは分かっているけれど、右胸だけが痛むとすれば、胸が捻れているだろうから、骨盤の捻れから調べようと考え、仰向けになっていただきました。しかし、

仰向けになるだけで、大変な苦痛らしく、顔をしかめながら。操体法の動診を使ってみようと考えました。仰向けになって両膝を立て、左右にゆっくり倒してみる、というあの方法です。

すると、左はあまり問題なく動くけれど、右側はあちこち突っ張って動きにくい。ということは、腰椎が右へ捻れているわけです。

どうなっているのか、想像力を働かせるところです。

そこで、操体法の操法をやってみましたが、ビクともするものではなく、ほとんど改善が見られません。

どんな優れた操法でも、苦手なものはありますから、何でも万能と考えない方がよい、というのは私の意見。

何が引っかかっているのか。うつぶせになってもらいました。

この調子で実況中継風に書いていくと、たいへん複雑なことになるので、(本当は、操法をする人たちは、詳しく書かれているものを読んでみたいと思うかもしれないけれど、一般の読者にとっては読みづらいものになるので)少しまとめてお話しすることにします。


(続きは次号)

897 手の指が痛い

第897号 2016年5月22日
▼  手の指が痛い

Sさんは、県内の某研究施設で、研究活動をされている中年男性。手を使ってけっこう力をかけることがあるそうです。

そのためか、時々あちこち痛くなって、いらっしゃいます。今回は、手の指が痛いという訴えでした。

ところが普通の指の痛みとは様子が違います。たいていは関節のズレで痛くなるのですが、関節ではなく、関節と関節のあいだの甲側が痛いという。

初めどこから取り組めばいいかと思案をしました。甲側が痛いとすれば、小さいながらも伸筋(しんきん)があるはずです。

筋肉には伸筋(しんきん)と屈筋(くっきん)の区別があり、上腕の力こぶは屈筋の代表選手です。つまり肘を曲げる(屈曲する)時に働きますね。一方、上腕の後ろにある上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)は伸筋で、肘を伸ばす(伸展する)時にはたらきます。

指の甲側(爪側)に存在している伸筋は、指の関節を伸展する時に働きます。Sさんの手の指でも、とくに拇指(ぼし)つまり親指が痛いと言われる。痛いだけでなく、拇指の動きがおかしいとも。確かにカクカクとぎこちない動きです。

そこで、伸筋のあるところに愉気をしてみることにしました。

その前に腕の異常を治すときの鉄則を。それは橈骨の下がりを修正すること。これを忘れてはなりません。橈骨の上端と下端に指をあてて、そっと微圧をかけます。これで橈骨がいくぶん上がり、拇指の付け根の圧迫が除去されたはずです。手や肩も含め、腕のどこかに異常がある時は、必ず、この操法を最初に行います。

それから異常箇所の対処にかかると、うまく行きやすい。

というわけで、指の伸筋の愉気にかかりました。確かに触りごこちが硬い。ふわっとした感触ではありません。その硬いところに愉気を続けます。数分も続けたでしょうか。様子をみてもらうと、かなり痛みがとれたらしい。

── 「かなり」 というのは、まだ 「少し痛い」 という意味ですか。
──もうほとんど痛くありません。
── 「ほとんど」 というのは、まだ 「痛みがうっすら残っている」 という意味ですか。

われながら 「しつこい」 と思われるほど質問します。こうしないと曖昧な状態で終わると、再発してしまうことがありますから、確認の作業は 「しつこい」 くらいでちょうどいいと、いつも思います。「痛くないでしょ」 と誘導尋問をする操者はあまり感心できません。

両手とも同じところが痛いそうなので、反対側の手も同じようにします。

これで両手の指の痛みが改善しました。ここで、感想。

親指を反らせると、ぐっと思い切り反る人がいますが、あれは、拇指の伸筋が縮んでいるか、硬くなっているのだと思います。反るのが嫌だという人は、拇指の伸筋に愉気をしてみれば、反りが弱くなるのではないでしょうか。

856 スギナの効用(続)

路地裏の整体術 第856号 2015年12月2日
▼ スギナの効用(続)

昨日の記事にも書いたように、東城百合子とはまったく別の角度からスギナについて考察している人がいます。ルドルフ・シュタイナーです。

──例として、腎臓を取り上げましょう。何らかの症状から、病気の経過の主な原因が腎臓にあると思われるとします。精神科学を診断に用いると、この腎臓が周囲の消化プロセスと分泌プロセスを感覚する器官としてはほとんど働いていない、ということが分かります。腎臓があまりにも代謝器官になりすぎていて、均衡が崩れているのです。そのような場合、私たちはなによりも、「どのようにして、この腎臓をもっと感覚器官にしようか」と考える必要があります。「腎臓が十分に消化プロセスと分泌プロセスのための感覚器官になっていないことを示しているので、珪酸を必要なだけ腎臓に与えねばならない」と、私たちは言うことができます。(60ページ)

シュタイナーのものの言い方には、独特の言い回しがありますので、分かりにくいかもしれません。でも、スギナ茶を飲み続けた現在までに感じるのは、丹田のあたりの内部感覚が以前より鋭くなったことです。

自分にとって好ましくない波動がやってくると、丹田のあたりが冷たく感じるようになりました。その反対の場合には、丹田が暖かく感じます。この感覚は何なのか、と考えていたのですけれど、シュタイナーの上の文章を読むと、なるほど、と納得できます。腎臓の感覚が鋭くなった結果、丹田にそのような感覚が出てくるようになったのでしょう。

次に出てくる文章を引用します。

──特に腎臓において珪酸プロセスを刺激することが必要です。周囲の植物界に薬を探すと、珪酸を多量に含むスギナが見出されます。単に珪酸を摂取しても腎臓に達しません。スギナはその他に硫酸塩を含んでいます。硫酸塩を用いると、リズム系・分泌器官、特に腎臓に作用します。スギナの硫酸塩は、珪酸が腎臓に左右しやすくします。(62ページ)

以上、出典は次の本からです。

『シュタイナー<からだの不思議>を語る』(西川隆範・訳、イザラ書房)

(この本を読んでみようと思われる人は、シュタイナーの他の本をいくつか読んで、その文章の癖に慣れることが必要です)

まったく別の関心から読んだ東城百合子とルドルフ・シュタイナーが、ここでスギナを通して一つにまとまりました。まことに「不思議」を感じます。

それにしても腎臓が感覚器官であるとは、今の今まで知りませんでした。からだの不思議には、本当に限りがありません。

835 踵正坐(四論)

▼▼▼
▼ 路地裏の整体術 第835号 2015年8月31日
▼ 踵正坐(四論)

踵正坐の効果について、滋賀県在住のMさんから詳しいお便りをいただいたので、ご紹介します。

その前に、踵正坐の復習。詳しい方法などについては、金聖一『朝30秒の正座で腰痛が治る』(ダイヤモンド社、2013年)をご覧ください。ただし、この方法は金さんの独創というわけではなく、他にも野口整体の一部など少しずつちがったやり方をしている人がいるようです。

要するに、左右の踵をくっつけて、その上にお尻を載せるやり方ですが、始めたばかりの人は、足首が痛くて、うまくできないかもしれません。朝30秒間だけ、少しずつやっていると、だんだん楽にできるようになってきます。痛すぎてできない人は、本を参照してタオルを使う方法を学んでください。

さて、Mさんのお便りから。

──先日、一緒に働いている子が、腰が痛くて朝起き上がれないといってて、その日店でもしゃがむ時に壁に手をつきながらゆーっくりしゃがんでいたので、試しに朝おきたら踵をくっつけて正坐してみーとゆってたら即 実行したらしく、2日後店に来たときは、「あんなに痛かったのがうそのよう~!!」と、すっかり治ったらしいです。やっぱりかなり簡単だけど、効き目はかなりありそうですね。

──そして、うちの姉はなかなかゆうことをきかないので[効果があると認めようとしない──編者注]、一人目がなおったらしいでといった時もまだ信じず、あれをやったらほかのところが痛くなった、といってまじめにやっていないようでしたが、、しかし痛みは訴える。。そして二人目も治ったでといったときは黙っていましたが、そのまま数日が過ぎて、今度は胃の調子が悪くなったらしく痛い痛いとこれまた訴えてきてました。。。。
そういえば腰痛の方は何も最近ゆわへんなとおもっていたら、先日、「あれはやっぱりけっこう効くみたいやわ」とぽつっとゆってきました。だまってやっていたのか、効き目があったようです。どうも意識がほかに移ったのと、踵正坐のおかげでだいぶよくなったとおもわれます。うちの姉が認めるのはかなりすごいですよ(笑)

私自身は、何度もやってみて、数分間坐ることもできるようになっています。痛くて坐れないと訴える人は、前頚骨筋の拘縮がきついのではないかと思います。この筋肉の腱が足の甲のところを通っていますが、これが痛むようです。

Mさんのような日常的なお話で結構ですので、色々と効果を教えていただければ、他の人の参考にもなります。どんな操法でも、効果の確認ができないと、みんなが使えるようになりません。皆さん、お知らせをどうぞ、よろしく。

効果がなかったとか、逆効果だったという報告も貴重ですから、よろしく。ただ、そういう場合は、その人の独自な身体の状況があるはずですので、それもお書き添えいただければ、ありがたいですね。

830 ナンバ歩き(三)

路地裏の整体術 第830号 2015年8月16日
▼ ナンバ歩き(三)

昔の人々のからだの使い方を見るのに最適の本があります。

葛飾北齋『北齋漫画』(芸艸堂、2007年)

この他にも文庫本も出ています。(青幻舎、2014年)

私の持っているのは前者です。

人の歩く姿を探して見るのですが、ぶらぶらと何も持たずに歩いている姿がほとんど見当たりません。歩いている人は、多くが肩に何かを担いでいるか、手に何かを持っています。つまり、歩いていても、ほとんどの人が何かの仕事の一部として歩いています。飛脚とか、駕籠かき等もいます。

これは北齋が、そういう姿に興味を持ったからだ、とも言えるでしょうが、今の人々が歩く姿と比べると、随分と違うなと感じます。歩くことが仕事と一体になっていたといえばいいでしょうか。北齋を探しても、歩く姿がありませんので、今度は広重の版画をみてみました。

東海銀行創立50周年記念『風景版画の巨匠 広重』(1991年、非売品)

という画集に「東海道五十三次」などが網羅されています。

ここには歩く人の姿が多数見られます。隷書版五十三次の「日本橋」に江戸は日本橋を渡る人々の姿がたくさん描かれていて、興味を唆られます。ただし、ここでも、腕をぶらぶらと何も持たずに歩いている姿がほとんどありません。

武士が二人並んで歩いていて、手前を行く武士は腕と脚が同時に前に出ているように見えます。ようするに、ナンバ歩きをしていると見えます。何も持たず歩いているのは、中央付近をあるいている僧侶、しかし、この人は手がころもの中に隠れていて、腕を振っている様子はありません。

他は、天秤棒を担いでマグロか何か大きな魚を運んでいる男、風呂敷を背に、お使いにでも行く様子の丁稚風の若い男、振り分け荷物を肩にした旅人、桶を担いで行く鉢巻すがたの職人、数人かたまって行く若い女性集団、彼女たちは、いずれも袖の中に手が隠れていて、腕を振っている様子はありません。

こんな風で、どの人を見ても今風に腕を振って歩いている人は一人もいません。北齋と同じで、すべて働いている人達のように見えます。用もないのに、街の中をぶらぶら歩くという習慣がなかったと思われます。時代劇などに、通りをぶらぶら歩いている人達の姿が出てきますが、あれは、史実とは違っているのではなかろうか。

朱鯨亭のお客様で、山間部から来られた女性に、おたくの近くだったら歩けるところがたくさんあるでしょう、と尋ねたところ、うちの近くを一人で歩いていると、あの人は「おかしい」と言われるとおっしゃったのが妙に記憶に残っていますが、江戸時代もそうだったのかもしれません。

要するに現代とは、歩く文化がまったく違っていたと思われます。仕事や職業のあり方もまったく違っていたでしょう。衣服の違いもありますし、今の観点から、それをどうこうと言ってみても仕方がない、という気がします。

江戸の日本橋を歩いている人達の共通点は何か。腕を大きく振って歩いている人がいないという点ですね。

それから全体に杖をついている人が今より少ない。老人が少ないということもあるでしょうが、ナンバ歩きを続けていると、膝がよくなって来たという報告もあります。身体を捻らないため、膝に故障を起こしにくいのかもしれません。

◆ナンバ歩きをしている人からのご意見
──一度大阪で講習を受けバネ指をその場で治して頂きました。それから体と
良く向き合うようになりました。ナンバ歩きは何年も前に古武術で普段役に
立つ本の中に書いてました。それから仕事には意識して階段の上り降りにし
ています。凄く楽になりました。ガスメーターの検針をしていますが、夏は
特にやくにたっています。会社で言うのですがみんな難しいので出来ません!
説明が下手なのでしょうね? 年を重ねた人にもっと広まれば良いといつも
思っています。

827 またムドラー

路地裏の整体術 第827号 2015年8月4日
▼ またムドラー

またか、とお思いでしょうが、再びムドラーの話題です。日本語でいうと「印相」ということになるでしょう。手で何か意味のある形をとって、ジッとしていること。仏さまが胸の前で手を一定の形に組んでいるようなのが、ムドラーです。ヨーガの世界では別の意味で使われることもあるようですが、ここでは「印相」という意味で使います。

この前の肩ムドラーには、効果があったというご報告をいくつかいただきました。ただ、お断りしておかねばなりませんが、慢性化して、かちかちになってしまっている症状に対しては、あまり効果が期待できないかもしれません。あくまで近ごろすこしおかしいな、という程の症状に対して効果が期待できるということで、毎日、「寝床体操」をしている人などには大した効果が現れないと思われます。

インドのヒーラー、チャクラバルティさんが『聖なる旅路』の中で取り上げている本格的なムドラーの場合は、1日のうちに時間にして45分続けるということになっています。あるいは30分を2回でもいいそうですが、私がここで取り上げているムドラーは、そんなに長い時間続けなくても、効果があると思います。

さて、今回のムドラーは「またムドラー」つまり、股関節のムドラーです。立ち上がった時、歩き出した時に、あ、股関節がおかしいな、という程度の時に試してみてください。

身体全体と手の共鳴関係でいうと、股関節は小指の付け根にあたります。小指の付け根のMP関節(第3関節)の骨のところに、親指の先を当てます。その状態でしばらく歩いてみればよろしい。しばらくすると、股関節の違和感が解消しているでしょう。

ですから、この前の「肩ムドラー」との違いは、相手の指が薬指か小指かという違いだけです。このような関係を見つけ出せば、自分で新しいムドラーを見つけ出すこともできるでしょう。

皆さんの工夫をお待ちしております。

★スマホの問題について次のようなお便りを欧州在住の方から頂いています。

──スマホ の電磁波の危険性が日本語版ウィキに載っていない、というのは興味深いですね。もう10年前になりますが、フランスでは、12歳未満の子供の携帯電話の使用は禁じられていることを知りました。それから、電話会社社員の医療保険掛け金は一般より高く設定されていることも。フランスでは、電磁波の影響を真剣にうけとめていることはショックでした。

826 坐骨神経痛と手首の深い関係

路地裏の整体術 第826号 2015年8月2日
▼ 坐骨神経痛と手首の深い関係

古い友人からの紹介で来られたFさん。「坐骨神経痛」というありがたくない診断名を頂戴しているそうです。この病名の人は厄介なことが多い。医学界の正式見解では、この病気は、坐骨神経の障害ということになっているわけです。

しかしながら、実のところは脚に問題があることが多い。それだけではなく、臀部の筋肉の状態などもからんでいるので、どこの操法家も迷う症状ではないかと思います。

このメルマガでも、最近これに関連した記事を何度か書いています。例えば、第785号「坐骨神経痛という症状」、第792号「身体はどう捻れるか」、第803号「手をついた」などです。

Fさんが初めて来られた時は、脚を主に操法しました。それで痛くないという状態に辿り着いたのですけれど、2回めに来られた時には、完全に戻っているらしい状態でした。

そこで、この日は違った操法と取り組んでみようと思いました。そのヒントになるのは、第803号「手をついた」。この記事にある状況では、腰椎5番が手首の操法で変化したという不思議なといっていいほど、離れた関係でした。早速Fさんに尋ねてみると、手をついたことがあるらしい。そこで、手首を操法すれば腰が変化するはずだ、すると「坐骨神経痛」の症状も変化するかもしれない、とこんな推論だったわけです。

私は、時々こういう大胆な推論に基いて操法することがあります。言ってみると、ある種の賭けともいえますが、平凡な操法をしていたのでは、変化しないとなれば、ある種の賭けも必要になります。ダメ元でやってみる。まあされる方は、えらい災難ですが、うまく行くかもしれないので、災難だとも限らない。

手首の操法は、第803号に書いておきましたので、そちらを参照してください。要するに一言でいえば、手首の捻れを取る操法を行ったことになります。

ただ、この操法は自分ではやりにくい、だれかにやってもらわないと難しい。ですから、ここでは自分でやるやり方を書いておきます。

手首のところにグリグリが二つありますね。親指側の「橈骨茎状突起」と小指側の「尺骨茎状突起」です。それぞれの突起の一番飛び出しているところに、反対側の手の親指と人差指をそっと当てて、二つの突起の頂上の皮膚を内側へ(親指側へ)捻る方向にわずかに捻じります。そのまま数分間、じっとしているだけでよろしい。これで、手首の内ねじれが改善してくれます。

実際に私がFさんに施した操法は、下橈尺関節をそっと捻る方法でした。でも、上に書いた自己操法でも同じ効果が得られるはずです。確認のため腰椎5番を強めに押さえてみました。すると痛くない、とのこと。

これで手首の操法が奏功しているはずです。「どうぞ、立ってみてください。」とFさんに立ってもらった。すると、お尻の痛みが消えているんだそうです。不思議なことに坐骨神経痛の痛みが、手首の簡単操作だけで消えてしまった。

私も、ここまでの効果があるとは思っていませんでした。賭けでしたから。

その後、「これで終わりにすると、不安になるでしょうね」とFさんに尋ねた。そうですね。ということだったので、1週間ほど後で来て貰う予定にしました。それが本日だったのですが、刻限が来ても、Fさんは来られない。電話をかけてみますと、寝過ごしたんだそうです。調子はとお聞きしてみると、良いと言われるので、それなら、しばらく様子を見てください、と言って電話を切った。

具合が悪ければ、人は決して忘れたりしません。だいぶよくなっているのだと思われます。早とちりの癖のある人に言っておきたいのは、この操法がすべての坐骨神経痛に効くと主張しているわけではないことです。「坐骨神経痛」と言われた人の中に、この操法で助かる人もいるんじゃないだろうか、という話です。

坐骨神経痛のある人で、手首を傷めたことがある人は、試してみてください。もし、これで改善したという人がいれば、詳しい状況を知らせてくださると、皆が助かります。

823 踵正坐・再論

路地裏の整体術 第823号 2015年7月29日
▼ 踵正坐・再論

いま、奈良国立博物館で「白鳳」展が開かれています。自宅から歩いて行ける距離にありますので、昨日、出かけました。白鳳時代の仏像・仏具などが煌星のように集められ、国宝・重文級の作品がひしめいているのは、壮観でした。

一例として、現在修理中の薬師寺東塔の相輪や水煙が目の前で見られるんです。レプリカを展示してあるところがあるかもしれませんが、実物を目の前で見る機会はもうないでしょう。修理の終わった東塔によじ登りでもしなければね。

博物館や美術館にいると、作品の前でじっと立っているわけです。すると次第に疲れて来ます。さっさと歩いている時とは違った疲れで、休憩席があると、よっこらしょと腰をおろしたくなります。

一巡して、玄関の椅子に坐ったので、ここで踵正坐をしてみようと思いました。背もたれのない椅子なので、ちょうど具合がよい。踵正坐そのものは、何度もやっているので、いまさらという感じもあるのですが、ともかくやってみよう。

一昨日に山口のNさんから電話をいただき、以前、腰椎1番が出っ張っていたので、「これは老化だと言われましたね、だけど、踵正坐をすると凹んできました」というご意見を聞かせてもらったので、どんなことになるか、と興味もあって、やってみる気になったわけです。こんな風にご意見をくださる方は、大変ありがたい存在です。

この頃では、Nさんに「老化だ」と言い放った私自身の腰椎1番が出っ張って来ています。これはまずい。という思いもありました。
で、踵正坐をしてみると、とても痛くで坐れません。普段から時々これをするようにしていますので、痛くて坐れないということはなかったのですが、それが坐れない。立っているうちに踵の周辺が歪んで来たということでしょう。

とすると、立ち仕事の人は、大変ですね。常に歪みの要因を抱えていることになりますから。立ち方が真っ直ぐなら問題ないか、と言えば、それはそうだとしても、そんなに常に気を付けて真直ぐに立っていられるか、という話しです。

以前から、立ち仕事の人におかしな歪みが多いなと思っていましたが、立ったままでじっとしているのは、かなり歪みを起こす原因になっているのでしょう。博物館で立っているのは、立ち仕事のうちに入るようです。

博物館の椅子の上で痛くても、踵正坐を続けてみました。すると、次第に痛みが和らいできました。踵まわりの歪みが修正されて来たということでしょう。立って歩いてみると、さきほどのような重さがなく、さっさと歩けます。

この踵正坐を提唱している金聖一さんの『朝30秒の正座で腰痛が治る』という本によれば、いくつかの注意点があるようです。本の題名にあるように「朝」にやる方が効果が上がること。寝る前にすると、交感神経を刺激して眠りが浅くなる、という点です。

もう一つは、毎日すること。もちろん朝に、です。改善例として上がっている症状にどんなものがあるか。まず腰痛。ヘルニアやギックリ腰、O脚、尿漏れ、膝痛、肥満、などが上がっています。確かにこのような効果があるかどうか、確かめたわけではありませんが、足首が変わると、このような効果があっても不思議ではないといえます。

どうしても痛くて出来ない人には、タオルを使ってやる方法が本書に紹介されていますので、そちらをお読みください。30秒となっていますが、慣れると、数分連続で坐っても痛みなく坐ることが可能です。

で、私の腰椎1番は、どうなったか。いまのところ大きく改善されたわけではありませんが、少し出っ張り具合がマシになってきています。毎朝つづけるのが楽しみになってきました。

819 膝の痛みを止める

路地裏の整体術 第819号 2015年7月20日
▼ 膝の痛みを止める

膝が痛いとき、どうするか。もちろん、足首を調えるとか、骨盤を調えるとか、やるべきことは色々あるはずです。そうしたことをやった上で、まだ痛いという。さて、どうするか。という問いです。

膝に問題のある人の場合、私は朱鯨亭の階段を上がり降りしてもらいます。すると降りる時に「痛い」などの反応がありますから、その場合はまだ問題が残っていると考えて、次の手を打ちます。

何度やっても痛いというような人の場合、何がどうなっているのか、といいますと、お皿に引っかかりがある。半月板の位置がおかしいのかもしれませんし、膝蓋骨のどちらかの表面に拘縮ができているのかもしれません。いずれにせよ、そのような引っ掛かりがあって、本人は痛みを訴えます。

こういう時は膝の共鳴法の対応箇所、つまり小指の第2関節(PIP関節)をちょっと押し加減で揉んでみると、そこにも痛みを覚えるはずです。

その痛みが軽くなるまで、しばらく揉み続けます。やがて、小指の痛みが軽減してきます。すると、階段を上がり降りしても痛くなくなります。
中には膝には痛みがないのに、小指に痛みを感じるという人もいるかもしれません。そんな場合は、そちら側の膝も、すでに何らかの異常をかかえている可能性がある。そちらの膝も大事にしなさい、という警告と考えた方がよい。

簡単なやり方なので、騙されたと思って、試してください。きっとお役に立つはずです。これは膝に限らず全身どこでも、対応個所を揉んでみると、よくなるという場合が色々あるはずです。

階段を降りる時に痛いと感じた時など、ちょっと立ち止まって、この操法をしてみると、確かに楽になったと感じられるはずです。

811 すべては下に(2) 顎が開きにくい

路地裏の整体術 第811号 2015年6月27日
▼ すべては下に(2)

70代女性Hさんの場合。シリーズ第2回です。階段を降りる時に膝が痛い。

これも大切なポイントで、「すべては下に」というタイトル通り、足を操法すればいいのですけれど、詳しく書く必要があるので、またの機会にして、今回はHさんが帰りがけに、「先生、後ちょっとこれだけ、顎が・・」と言われた。顎の開きが悪くなっているのだそうです。

終わりの頃にこういうことを言われると困るわけです。顎の開閉がちょっとで済めばいいけれど、大抵はそうは行かない。

顎関節が整うためには、頭蓋骨を調える必要があります。それで、今回は足で操法してみようと考えました。

ご本人は、顎が悪いと言っているのに、足を触られるとは面妖な、と思われたかもしれません。でも不思議なことに、顎の不正は足の第3趾、つまり中指の付け根をもみほぐすとよい

たいていの人は趾(あしゆび)の付け根を触られると痛みを感じるものです。特に中指の付け根は堪(こた)えるかもしれません。

手の親指と人差指で第3趾の付け根を摘んで、上下左右に揉んでやります。これをしばらく(数分程度)続ける。反対側の足の趾も同様にしてやります。

さあてこれで起き上がってもらって(寝たままですと、顎の位置が適当ではない)、顎を動かしてもらいますと、「はい、大きく開きます」とのことで無事、終了することができました。

自分でもできますから、顎の開きにくい人は、やってみられるといいです。自分でやるより、仰臥して、誰かにやってもらう方が効果が高いかもしれません。

すべての顎の問題が、これで解決するわけではないですが、顎の問題を抱えている人は試してみる価値があると思います。クリック音がする場合は、別の操法が必要かもしれませんが。

というわけで、この日一日で足は全身にとって大切なところであることが確かめられたことになりました。