論理のレベルについて

路地裏の整体術 第786号 2015年4月2日
▼ 論理のレベルについて

──私が、かくかくしかじかの操法をしてみたら、こうなりました。
なぜでしょう?

とか、

──私が、かくかくしかじかの操法をしてみたら、うまく行きません
でした。どこかが間違っているのでしょうか?

こんな質問を頂戴することがよくあります。講座の席上でも、メールでも。
でも、ちょっと待っていただきたい。

人の身体は、一人ひとり違っています。身体を取り巻いている状況も、その
時々でさまざまです。大げさに言えば、この世界で起きていることがらは、
すべて一回かぎりの【個別性】のレベルにあるからです。Aさんが操法する
のと、Bさんが操法するのとでは、当然違った結果が出ます。操者の違い
だけでなく、受け手の違いもあります。Cさんの身体の反応と、Dさんの
身体の反応とは当然ながら違いがあります。

テキストにこう書いてあったけれど、やって見たらうまく行かなかったと
いうようなことは、私自身がたびたび経験していることで、言わばそんな
ことは「当たり前」のレベルの話です。そういうことは前提としてテキスト
に含まれていると考えてもらわないと、無数の質問を受けて、私は身体が
いくつあっても足りないことになります。

また同じCさんの身体でも、全力疾走をした直後の身体の状態と、寝室で
熟睡した後の身体の状態では、まったく違うと言っていいでしょう。また
同じ人でも、心の状態によって身体の状態が変わることも珍しくありません。

ですが、そこに共通することがらも当然ながらあります。骨盤が右前に
捻れている人であれば、右前に捻れている人に共通の特性があるに違い
ありません。左前の捻れの人には、左前に特有の性格が見られるかも
知れません。右前の人に共通する【特殊性】とか左前の人に共通する
【特殊性】とかがあるわけです。

ですから操者として私は一回一回の【個別性】のなかに見られる【特殊性】
を意識して、この場合は、こう、その場合は、そう、と【特殊性】を整理
しながら操法をして行くことになりますし、講座で話をしたり、メルマガに
何かを書いたりしています。

お分かりでしょうか。一回一回の【個別】のレベルで体験したことを、その
まま「こうだった」と放り投げても、それは一回一回違うとしか言えません。
そういう質問は、質問にもならないし、時間の無駄にしかなりません。質問を
投げかけるなら、せめて、この【個別】の出来事の中にどんな【特殊性】が
隠れていたかを明らかにして、「こういう条件の時に、こうこうでした」と
問いかけるのでなければ意味がありません。

つまり操者がこういう条件にあって、受け手がこういう条件にあり、その
結果こうなった、なぜか、と問いかけるなら、問われた方も、その条件なら
こうこうです、と答えやすい、ということです。

論理のレベルということで言えば、さらに【一般性】のレベルもあります。
この場合はこうだ、という【特殊】な場合と(たとえば右前の人ではこうだっ
たというような)、別の【特殊】な場合(たとえば左前の人ではこうだった
という)とをつなげると、右前であろうと、左前であろうと、こういう操法
を施すと、こういう結果になるという【一般性】(普遍性といってもよい)
にたどり着きます。ここまで来ていれば、質問にも大いに意味があります。
(いうまでもないことですが、うまくいかない場合もここに含まれています)。

質問するというのは、実は【個別】から【特殊】を経て【一般】のレベルまで
を含んでいるので、生易しいことではないと言えます。質問をする時は、
自分が【何を尋ねたいのか】を自覚して、頭の中をしっかり整理してからに
していただきたいと思います。

これは時間を無駄にしないための、私からのお願いです。

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毒出し法、その後の後

路地裏の整体術 第780号 2015年3月6日
▼ 毒出し法、その後の後

昨日のからだほぐし教室で、毒出し法の効果について報告がありましたので、
ご紹介します。今朝、Mさんがメールで詳しく送ってくださったので、それを
以下に転載します。これは参考になります。

──やり方は第四指と第五指の間に、足指パッドをはさんで靴下を履き、寝る
だけです。

効果は

▼朝目覚めた時、ドライマウスで口のなかが、カラカラになるのがマシだった。

▼目覚めた時の背中・首の違和感が軽減されている。

▼日中も肩甲骨周り・首の違和感が軽減されている。

▼仰向けに横になる時 めまいがでない。(普段Mさんには、この症状がある)

▼睡眠が深くなった。

以上です。私にはありがたい技です。今夜は手の指にも挟んで寝ます。

手当て【続】

路地裏の整体術 第782号 2015年3月16日
▼ 手当て【続】

前号の「手当て」について、Oさんから次のようなお便りをいただきました。
とても興味を唆られましたので、ご紹介します。

──整体の仕事をしているわけではないのですが、記事がいつも面白いので拝
読しています。「手当て」のメルマガを読んで、お伝えしたいことがあった
のでメールしています。

実は私のパートナーが、この手当てができる人なんです。

専門があるらしく、彼は火傷を治すことができます。患部の広さにもよりま
すが、手のひらもしくは指先を、近距離でありながら触らない距離に当てて、
動かすのです。魔法をかけられているようにも見えるのですが、こうして火
傷による熱を取り除いているそうです。

ある日、湯たんぽのお湯がこぼれて私の太ももに熱湯がこぼれ落ちて、3度
の火傷を負ったことがありました。皮膚がめくれ上がって、とても痛くて、
泣き出しそうでした。いえいえ、しっかり泣きました。パートナーが手当て
を40分ぐらいしてくれたのですが、その後は痛みがなくなって、通常通りと
変わらず眠ることもできました。子供の頃から火傷は何度かしていますが、
大抵、痛みが続くものです。とても不思議でした。

あとで、パートナーが言っていましたが、実はこの夜ビールを飲んでいて、
ちょっと酔い気味だったので、効くかどうか分からなかったとのこと。しか
も、この手当てをするには、エネルギーも消費するので、疲れているときに
は効果が、 元気な時と比べて低いこともあるということも触れていました。

パートナーがどのようにこの手当ての方法を得たかというと、母親から譲り
受けたのだそうです。決まりはひとつ。お金を取らないこと、と言われたと
言っていました。世の中には、このような手当てができる人が沢山いるよう
ですが、暗黙の了解で本来なら経済的な利益を得てはいけない、ということ
があるようです。

★私も同じような経験がありました。妻は肩が凝っていると、肩にカイロを貼っ
ていたのですが、そのうちにうたた寝をしてしまい、起きてみると、肩の皮膚
が赤くなったと騒ぎ出したのです。低温やけどをして病院に駆け込むと、大変
な「治療」をされるようで、私も少し焦ったのですけれど、気をとりなおして、
長時間手当てをしてみることにしました。手当ての時間は通常は数分程度です
が、この時は1時間やりました。すると赤変していた皮膚が普通の色に戻って
おり、痛みもありませんでした。やれやれ。

Oさんは「近距離でありながら触らない距離に当てて、動かす」とお書きです
が、私の場合は、衣服に直接当ててやりました。動かしていません。「経済的
な利益」はもちろんありません。

手当て

路地裏の整体術 第781号 2015年3月9日
▼ 手当て

──痛いとき、自分で何かやるとして、どうしたらいいですか?

これはよく頂く質問です。もちろん場所によって色々な方法はあるわけです。
でも操法家が使う方法は、たいていが複雑であるか、またはそれなりのコツが
あって、一朝一夕で身につくものではありません。

その証拠に書店の店頭には、健康本が山ほど積まれていて、あきることなく、
次から次へと同じようなことを書いた本が出てきます。そういう本が成り立つ
のは、簡単に身につくようなことが書いてあるけれど、現実にはそう行かない
という証拠かな、と思っています。

そこでどう答えるのがいいか。私は断然「手当て」がいいですよ。と答えます。
痛いところがあれば、そこに手を当てる、不都合なところがあればジッと手を
当て続ける。「手当て」というのが一番だれにでも理解してもらえる言い方で
しょう。

昨日もそんなやりとりをしましたので、これは何度でも書いておいた方がいい
と思って書いています。もちろんHPには野口晴哉の「愉気」について書いて
いますし、「松本道別」の項目には「輸気」について書いていると思います。

しかし、「愉気」とか「輸気」とか言っても、一般の人たちに簡単に分かって
もらえるわけではありません。やはり「手当て」といった方がわかりやすい。

世の中には「手当て」専門の操法家もいて、それぞれの流派によって一家言が
あり、そのやり方を教えるだけでウン十万円などというところもあるようです。
難しく説明しだすと方法が色々あり、それなりの修行をしないことには、使え
ない、という考え方もあるのは、分かりますが、そんな難しいことはともかく、
痛いところに手を当ててみることから始めればどうでしょう。痛みが消えると
納得できて、次回から、こういう風にやってみようと考えるようになっている。
それが出発点です。

注意事項があるとすれば、手当て、といっても初めての人は力をかけてしまい
やすい。ぐっと押してはダメです。そっと触れている程度がいい。具合の悪い
ところにそっと指先を当てている、あるいは面積が広いところであれば手の平
をそっと当てている。それだけ。初めは家族にやって上げる。

色々試してやっているうちにやりかたも上達して行くかもしれません。腰痛が
直せるようになるかもしれない。皆さんのご精進を期待します。

毒出し法【その後】

路地裏の整体術 第778号 2015年2月28日
▼ 毒出し法・その後

先日、本誌で取り上げた「毒出し法」について三名の方からご意見を伺いまし
たので、ご紹介します。

【1】Mさん(東京都在住)この前の「小指と薬指の間にペンを挟む」という
方法を読みまして、以前お世話になった京都の先生のことを久しぶりに思い出
しました。http://yasuda-iin.jp/feature/#book
凝っている側の小指を丸めてティッシュ等を握っているとコリが取れる、また
歩きながら行うのも良い、とのことで歩きながら小指と薬指の間に(ペンでは
痛いので)ハンカチを折ったものを持っているとバランスが良くなる感覚があ
ります。(その時々で左右を変えます)

▼なるほど、ペンのような硬いものでなく、ティッシュやハンカチのような
柔らかいものを挟むとよい、というご意見ですね。これは試してみましょう。
ついでにこの安田先生のやり方は面白い。「ホムンクルス」という小人を身体
のあちこちに見つけて、それを使おうという「共鳴法」と同じ発想法です。
これも参考にさせていただきたいと思います。

【2】Nさん(山口県在住)(電話で)クルクル回す代わりに、毒出し点を
ぐっと指で押えると、上の方まで効いてくる。足の毒出しをすると、股関節の
辺りまで効いてきます。こんなポイントをよく見つけたものだ。

▼これは上記Mさんが「軟」派とすれば「硬」派というべきでしょうか。経穴
もそうですね。古代中国の人たちは、よくあれだけ(361穴 とかいいますね)
のものを組織的に発見したものだ、と感心します。「奇穴」という登録されて
いる経穴以外のポイントも色々とあるみたいで、これからも色々な新穴が出て
来るのかもしれません。

【3】Kさん(奈良県在住)(からだほぐし教室の発言から)教室で前回、
肩の高さが揃ったという方から──一週間後に、今でも効き目があるようで、
肩が揃ったままでした

▼このように、色々な方面からご意見をいただくと、非常に参考になります。
自分ひとりで試してみるのには限界がありますから。自分の身体だけで試して
結論づけてしまうのは、危険でもあります。これからも、小さな気付きも歓迎
しますので、何なりとご意見を送っていただけると、ありがたい。

毒出し法【続】

路地裏の整体術 第775号 2015年2月21日
▼ 毒出し法【続】

先日のペンを指の間に挟んでおくという操法の続きです。一昨日の「からだ
ほぐし教室」で試してもらいました。肩の高さを較べて、明らかに左右差の
ある男性二人に白板マーカーを指の間に挟んでじっとしていてもらいました。
しばらくそのままにして、少し時間が経ってから肩をみると、お二人とも、
肩の高さが揃っていました。

肩の左右差があるのは高いほうの肩に緊張がある証拠です。そちらの指に細
工を施したわけです。その結果、肩の緊張が緩み、肩の付近に滞留していた
疲労物質が流れ去ったのでしょう。なぜ、そんな効果が出るのかは不明です。
また、この操法で肩の高さが必ず揃うと保障できるものでもありませんが、
ダメ元で試してみる価値はあります。

毒出し法

路地裏の整体術 第774号 2015年2月19日
▼ 毒出し法

「毒出し法」というものが、色々な人によって唱えられています。でも面倒な
ものが多い、というのが正直なところです。例えば、エドガー・ケーシーさん
というアメリカ人のヒーラー(といえばいいのか見者といえば正確なのか)が
ヒマシ油の湿布を使うことを繰り返し提唱しています。絶大な効果ということ
です。

昔わたしもやってみようとしたことがあるのですが、温熱器を使うとか、ネル
に油を塗りつけるとか、慣れればどうということもなく、絶大な効果があるの
でしょうが、どうも面倒で止めてしまいました。(これはケーシー療法を実施
している方々を批判しているのではなく、ただものぐさな自分を批判している
だけです)

「毒出し」という考え方は分かりやすい。身体のあちこちに、特に関節の周り
にいろいろな疲労物質がたまりやすい。それが簡単に出ていってくれるのなら、
そんなありがたいことはありません。この前に書いたのは、中川式の毒出し法
でした。薬指と小指のあいだを指圧棒でグルグルと刺激するだけですから、さ
ほど面倒だとは思いませんが、からだほぐし教室の参加者Tさんには面倒だと
感じられたのでしょう。
http://www005.upp.so-net.ne.jp/nakagawa/ に毒出し法の写真があります。

グルグルやらなくても、薬指と小指をもって、日本の指(趾)を開いておれば、
効果があるのではないか、と質問された。そういわれても私は、そんなことを
したことがありませんから、なんとも答えようがなかったのです。でも試して
みようと思いました。私は根がものぐさですので、日本の指を開いているのも
面倒くさい。代わりに二本の手指の間に、太めのマジックペンを挟んでジッと
することにしました。違和感のあるところを指圧棒でゴシゴシ擦ることも不要
です。

この前から、右肩に少々違和感があるので、これが何とかなるかもしれない、
と思ったわけです。

やってみると、

効果満点。数分間ペンを挟んでいるだけで違和感は消失し、ごりごりいう音も
消えました。何とも不思議な操法ですが、確かに効果があります。肩が痛い、
肩が動かない、と悩んでいる方、お試し下さい。効果があれば、メールで教え
て下さるとありがたい。ぜひよろしくお願いいたします。まったく効果がない
という方も、お知らせくださるとありがたいです。