819 膝の痛みを止める

路地裏の整体術 第819号 2015年7月20日
▼ 膝の痛みを止める

膝が痛いとき、どうするか。もちろん、足首を調えるとか、骨盤を調えるとか、やるべきことは色々あるはずです。そうしたことをやった上で、まだ痛いという。さて、どうするか。という問いです。

膝に問題のある人の場合、私は朱鯨亭の階段を上がり降りしてもらいます。すると降りる時に「痛い」などの反応がありますから、その場合はまだ問題が残っていると考えて、次の手を打ちます。

何度やっても痛いというような人の場合、何がどうなっているのか、といいますと、お皿に引っかかりがある。半月板の位置がおかしいのかもしれませんし、膝蓋骨のどちらかの表面に拘縮ができているのかもしれません。いずれにせよ、そのような引っ掛かりがあって、本人は痛みを訴えます。

こういう時は膝の共鳴法の対応箇所、つまり小指の第2関節(PIP関節)をちょっと押し加減で揉んでみると、そこにも痛みを覚えるはずです。

その痛みが軽くなるまで、しばらく揉み続けます。やがて、小指の痛みが軽減してきます。すると、階段を上がり降りしても痛くなくなります。
中には膝には痛みがないのに、小指に痛みを感じるという人もいるかもしれません。そんな場合は、そちら側の膝も、すでに何らかの異常をかかえている可能性がある。そちらの膝も大事にしなさい、という警告と考えた方がよい。

簡単なやり方なので、騙されたと思って、試してください。きっとお役に立つはずです。これは膝に限らず全身どこでも、対応個所を揉んでみると、よくなるという場合が色々あるはずです。

階段を降りる時に痛いと感じた時など、ちょっと立ち止まって、この操法をしてみると、確かに楽になったと感じられるはずです。

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818 仙腸関節の締まり過ぎ

路地裏の整体術 第818号 2015年7月17日
▼ 仙腸関節の締まり過ぎ

昨日のからだほぐし教室でのこと。常連のTさんが腰が痛くて、一向に改善しないと。早速、見せてもらうことにしました。どうやら仙腸関節に痛みが出ているようですので、伏臥になってもらって仙腸関節の辺りを押さえてみます。

といっても正確に言えば、仙腸関節という骨盤の中にある関節は、直接触れることができません。仙骨の外側のラインから斜めに上にあがって行くライン、私が「仙腸ライン」と呼んでいるラインの辺りを押さえてみます。

この辺りには、もちろん腸骨・仙骨という骨がありますが、その表面に筋肉が広がっているので、正常な人の場合は、さほど硬くはないはずです。ところがTさんの仙腸ラインは、かなり硬く感じられます。

「硬く」とは、どのくらいなのかというご質問がありましたが、こういうご質問は、たいへん答えにくいものです。「感覚」ですから、どのくらい「熱い」のかとか、どのくらい「張り」があるのか、とかのご質問と同じく、感覚で感てみるしか捉えようがありません。

こういう時は【仙腸関節が締まり過ぎ】になっていることがあります。というと、仙腸関節は、体重を支えている関節だから、開き過ぎというのは、ありえても、締まり過ぎはないのではないか、というお考えの人もあるかと思います。

しかし、現実に【締まり過ぎ】としか考えられない場合があることを否定できません。締めるのではなく、緩めることによって問題が解決するからです。

共鳴法で仙腸関節を締めようとすると、「仙腸操法」と呼んでいる方法を使えばうまく行きます。→ http://shugeitei.com/bempi.html/ の下の方に図示してある方法です。これは締めるときの方法なので、逆方向に撫でると、仙腸関節が開きます。

私は、Tさんの右の仙腸関節のみ【3回緩め、その後、1回締める】という操作をしました。Tさんが痛みを訴えていたのは右の仙腸ラインだけだったからです。

3回緩めて、1回締めるのなら、2回緩めるだけでいいのではないか、と言う人がいるかも知れませんが、現実はさほど単純ではない。ねじを締める時のように全体に緩めておいてから締めるという操作をしないと、うまく行きません。

さて、この操法をしただけで、Tさんにどんな様子か聞いてみると、痛みはなく、ボカボカした感覚がある、そうです。Tさんは、仙腸関節は締めればいいものだ、と思っていたそうで、一生懸命に毎日締めていたんだ、そうです。締まり過ぎになっていたわけです。

何にしても【過ぎたるは及ばざるがごとし】。過ぎた時は、逆向きの操法が必要であるという、明らかな実例でした。Tさんは、操法を知っているから、こんなことになったのではないか、と考える人もいるでしょうが、操法を受けに来られたお客様で、同じ状態の人が先日ありました。なぜ締り過ぎだったのかは分かりませんが、あるいは他所の整体師にグイグイ締められたのかも。

811 すべては下に(2) 顎が開きにくい

路地裏の整体術 第811号 2015年6月27日
▼ すべては下に(2)

70代女性Hさんの場合。シリーズ第2回です。階段を降りる時に膝が痛い。

これも大切なポイントで、「すべては下に」というタイトル通り、足を操法すればいいのですけれど、詳しく書く必要があるので、またの機会にして、今回はHさんが帰りがけに、「先生、後ちょっとこれだけ、顎が・・」と言われた。顎の開きが悪くなっているのだそうです。

終わりの頃にこういうことを言われると困るわけです。顎の開閉がちょっとで済めばいいけれど、大抵はそうは行かない。

顎関節が整うためには、頭蓋骨を調える必要があります。それで、今回は足で操法してみようと考えました。

ご本人は、顎が悪いと言っているのに、足を触られるとは面妖な、と思われたかもしれません。でも不思議なことに、顎の不正は足の第3趾、つまり中指の付け根をもみほぐすとよい

たいていの人は趾(あしゆび)の付け根を触られると痛みを感じるものです。特に中指の付け根は堪(こた)えるかもしれません。

手の親指と人差指で第3趾の付け根を摘んで、上下左右に揉んでやります。これをしばらく(数分程度)続ける。反対側の足の趾も同様にしてやります。

さあてこれで起き上がってもらって(寝たままですと、顎の位置が適当ではない)、顎を動かしてもらいますと、「はい、大きく開きます」とのことで無事、終了することができました。

自分でもできますから、顎の開きにくい人は、やってみられるといいです。自分でやるより、仰臥して、誰かにやってもらう方が効果が高いかもしれません。

すべての顎の問題が、これで解決するわけではないですが、顎の問題を抱えている人は試してみる価値があると思います。クリック音がする場合は、別の操法が必要かもしれませんが。

というわけで、この日一日で足は全身にとって大切なところであることが確かめられたことになりました。

886 セルフ整体教室・募集→満席です。

路地裏の整体術 第886 2016年3月4日
▼ セルフ整体教室・募集

人に直してもらうのではなく、やはり自分で直せないだろうか、と考えている人が多いと思います。従来から「からだほぐし教室」をやっていますが、長く通っている方が多く、レベルが非常に高くなっていて、素人には入りづらいという声を頂戴しておりますので、初歩からぼちぼちの教室もほしい。

お一人、お一人のお客様には、その人に合わせて体操などをお教えする場合があります。だが初歩から積み上げたものでないだけに、どうしても偏った方法になりがち。

そこで登場。「セルフ整体」──つまり自分ひとりで自分に操法をする教室です。自分自身に操法をしてメンテナンスをしようという趣旨です。もちろんご家族・ご友人にやってあげることも可能です。

ただし時々誤解する人がいるので、単なる体操教室ではないことをお断りしておきます。

【日時】毎月、第1土曜・第3土曜の2回。午前10時~11時50分。
<第1回>4月2日(土) <第2回>4月16日(土)・・
毎回参加が必須ではありませんが、初めのうちは毎回参加されるのが望ましいです。
【場所】朱鯨亭2階(奈良市西笹鉾町40)
【費用】1回2000円(毎回納入の場合)。3ヶ月10000円(一括納入の場合)。
【資格】特にありません。どなたでも結構ですが、保育はありません。
整体のプロを目指す方は、講座の方にご参加ください。
【服装】動きやすい服装なら結構です。ジーンズ・スカートは不可。着替えることも可能。金属類ははずしてご参加ください。
【テキスト】特にありませんが、「共鳴法教本」が参考書になります。→
http://shugeitei.com/stext.html
【定員】場所の関係で、最大14名に限定。【すでに満席】
【申込】shugeitei@gmail.com 宛に、お名前、ふりがな、およその住所(奈良県王寺町・大阪市天王寺区など)、メルアド、電話(できれば携帯)、どういう症状に関心をお持ちか、「共鳴法教本」をご希望の方は、その旨もお書き添えください。

810 すべては下に(1)

路地裏の整体術 第810号 2015年6月26日
▼ すべては下に(1)

月に一度、メンテナンスに来られる70代の女性Hさん。今日は、首を回すと痛いのと、階段を降りる時に膝が痛いのと、この二つをおっしゃいました。

首を回すと痛い、という症状はごくありふれたもので、打ち込み法を使えば簡単です。「打ち込み法」と私たちが呼んでいるのは、正體術矯正法で、足をトンとやる方法のことです。

例えば、右に回すと痛みが出るとしましょう。右に回すと痛いのは、背骨がどこかで左に捻れているからです。そのために、右へは捻じりにくくなっているというわけです。

ここで「背骨」というのは、頸椎も含めて言っています。頸椎か胸椎か腰椎かは分かりません。頸椎と腰椎は互いに関連していることが多いので、腰椎が捻れている可能性も高いと思われます。

この状態を修正するためには、首の捻れと反対向きに足首を捻って、トンと足を打ち込めばいい。背骨が左へ捻れているのですから、修正する方向、即ち、右へ向けて足首を捻って、打ち込めばいいはずです。

それなら左足首を左に捻ってもいいのか、という質問が出てくるかもしれません。確かに、それでもOKですが、どちらの足を使うかは、足首の形を見て決めるのがいいと思います。

足首が内側へ閉じすぎている人や、外側へ開きすぎている人を見かけることがありますね。そういう場合は、それを修正する方向を選択すればいいわけです。

例えば、右足首が外へ開いていて、左足首が内側へ閉じている人なら、右側を選択して、右足首を内側へ捻るようにしてから、トンと打ち込めば、開きの修正にもなります。逆に右足首が内側へ閉じ、左足首が外へ開いている人なら、左足首を内へ、右側へ捻ってトンと打ち込むと、背骨の捻れの修正と足首の開きの修正が同時にできることになります。

さてHさんの場合は、どうだったか、首をどちらに回しても痛いのだそうで、こういうケースは、どうしたらいいのか迷いますが、両方やってやればいい。

足首の動きを確かめてみると、両方とも、内側へ行きにくいことになっていましたから、両足をいずれも、内側へ捻って、トンと打ち込んでみました。そして椅子に坐ってもらって、首を回してみると、左右とも自由に回る状態
になっていました。原因は下の方にあることが分かりますね。

首が横に倒しにくくなっている時は、どうすればいいのか、とおっしゃるのでしょうか。その場合は、腕から引っ張られていますから、手指や腕をよく調べて、凝りを取り除いてやることが必要でしょう。

808-9 顔面痙攣 

路地裏の整体術 第808号 2015年6月16日
▼ 顔面痙攣をどうする

右の目がピクピク動く症状の女性Oさんが来られました。「眼瞼痙攣」か「眼瞼ミオキミア」などの病気が考えられますが、目だけでなく周辺の筋肉までが動くので、片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)が疑われます。

ウィキペディアから引用すると、

──片側顔面痙攣(hemifacial spasm、へんそくがんめんけいれん)は、片側の顔面がピクピクと痙攣を起こす不随意運動の一つ。半側顔面痙攣と呼ばれることもある。日本神経学会での正式用語は片側顔面攣縮である。

となっています。

様子を拝見していますと、痙攣が起きるたびに、まぶたが垂れ下がったようになって目がふさがり、ものを見るのが不便なだけでなく、容姿にも大きな影響があります。

このような症状の方は時々見かけることがあるものの、それを主訴として来られたのはOさんが初めてです。どうやれば解決するのか、まったく見当がつきません。

ご本人のお話によれば、神経の手術をしないと解決しないと言われたとか。脳を開けて、その辺りを切り刻むのでしょうか。それとも頸の神経を何とかするのでしょうか。詳細は分かりませんが、いずれにしても難しい手術が必要だと言われたわけで、大抵の人は、言われただけでひるんでしまうでしょう。

いずれにしても右側にだけ筋肉の緊張があるわけですから。まずはどんな風に緊張が生じているのか、しばらく観察することにしました。

【観察なくして解決なし】──これが操法の極意というか、操法に取組む場合の要諦です。

Oさんの場合、常に筋肉の運動状態があるわけで、静止状態の筋肉を観察するより遥かに解りやすい。目の下の咬筋、頬筋あたりが目と一緒に動いています。

つまりこれは下の方に緊張があって、それが顔面の筋肉を引っ張っているのではないだろうかと考えられます。原則としてまとめると、【上方の緊張は、下から来ている】ということです。

初回は、あちこち観察することで、時間が来てしまいました。滋賀県から来られているので、何度も来ていただくのは恐縮ですが、止むをえません。

第2回。緊張は脚から来ているという仮説のもとに、観察と操法を進めました。そうすると、下腿の緊張が緩むと、顔面の緊張が緩み、一時的ではありますが、痙攣が止まりました。

ところが、さらに操法を追加して、緊張を緩めようとすると、痙攣が再開してしまいました。下の緊張と痙攣が完全に並行しているわけでなく、下の緊張が、いろいろ寄り集まって顔面の緊張を作りだしているのでは、と思われる状態だったといえます。

私は「これでおおよその見通しがつきましたから、大丈夫ですよ。次回さらにやってみましょう。」というようなことを言って帰っていただきました。

第3回。今回は、脚の続きをするのでなく、なぜか、手をやってみようと思いました。なぜかは自分でも判然としないのですが、Oさんの目の表情を見ている内に、これは手から来ているのではないか、とふと思ったのでしょう。

このあたりのところは、言わく言いがたいところで、説明しようとしても簡単に説明することができない。これまでの経験の集積で、【何となく】そう思うということがあるものです。

実はこの【何となく】の構造は、大切なポイントなんではないか、と思っているのですが、いずれにしても文章で説明しにくい。話して説明するのも困難です。

データを分析して、、というようなことを言う人がありますが、これはデータの分析で出てくるような問題ではない。データの分析にかからないところに、実は大切なポイントが隠れているように感じています。いつの日か、【何となく】の構造を明らかにしてみたいと思っています。佚斎樗山『天狗芸術論』の名が浮かびます。

── 一切の芸術、放下づかひ、茶碗回しにいたるまで、事の修練によって
上手をなすといへども、其奇妙をなすはみな気なり。天地の大なる、日月の
明らかなる、四時の運行寒暑の往来して万物の生殺をなすもの、みな陰陽の
変化に過ぎず、其妙用は言説の尽す所にあらず。(『天狗芸術論』巻二)

顔面痙攣のある女性Oさん。顔面の筋肉が引っ張られている様子だったので、2回目までは脚のどこかが引っ張っているという想定のもとに、脚を調べ操法していました。そして3回め。

脚の続きではなく、手を操法してみようと思った。右側に緊張がありますから、問題があるとすれば右手です。Oさんの右手の指を触ってみると薬指、中指辺りが硬い。

この【硬い】という感覚も説明するのが難しい。あくまで手の感覚なので、操者が自分の経験で「硬い」と感じる感覚を養成するしかありません。どこかで線を引いて、ここまでは柔らかい、ここから硬いと明確に区別できるものでもない。

「これは硬いのですか、柔らかいのですか」と尋ねる人がいるけれど、そんなのを教えることなど不可能です。もし、そんなことを私が教えるとすれば、私の感じ方が、その人の感覚の基準になってしまうでしょう。その人が自分の感覚で、どう感じるかが大切ですから、教えることなどできないし、教えたくない。

指が硬いと、その指が上方を引っ張っている事実をこれまで何度も見てきました。例えば、突き指を直すと肩が楽になる。前腕の拘縮をとると首が楽になる、などの事実です。

そこで、この硬い指をどうすればよいか。オルゴン・リングを使ってみることにしました。

オルゴン・リングに対して否定的な見解があることは承知しています。安価な物ではありませんので、どうしても金銭がからんでくるのは事実ですし、それが嫌という人がいても不思議ではない。

しかし使ってみれば、確かに効果があるのは事実ですし、手をかざしてみれば、だれでもそこから何かのエネルギーが出ていることを感じ取れるでしょう。百均で売っている指圧棒のようなものでこする方法もあるものの、効果が歴然と違う。

私は今までのところ、オルゴン・リング本来の使い方はしていません。硬くなっているところを緩める程度の用途にしか使っていませんので、専門の方々から見れば、もったいないと言われるかもしれない。しかし本来の用途に使うには時間がかかる。これがネックになっています。

それはさておき、オルゴン・リングでOさんの硬くなった指をこすってみました。指だけでなく、中手骨もこすってみた。手の平側も擦りました。すると、顔面の反応が緩くなってきた。やがて、痙攣が収まりました。

ちょっと一休み。

また再開してはまずいので、安定させておこうと、追加して指を緩めておこうとすると、痙攣が再開してしまった。指の緊張=痙攣という単純な図式ではないと思われます。

しかし、ここまで来ると、単純ではないものの、指の緊張と痙攣の間に明らかな関連があることが分かりましたから、もう焦ることはありません。ゆっくり全体を整えて行くうち、再び痙攣がなくなりました。

念のため、Oさんには、もう一度来ていただいて、安定させようという意見を差し出したのですが、Oさんはこれで様子を見ることにするということだったので、終わることになりました。

その後、今日に至るまで、痙攣が再開したという知らせを受けていませんので、これでOKだったのかなと思っています。

この件をまとめて考えると【顔面に異常がある時は、手の指を見よ】ということになるかと感じました。ただ、脚も無関係ではないようです。

807 化膿活点

路地裏の整体術 第807号 2015年6月15日
▼ 化膿活点

うちのカミサマ(もちろん神様ではなく、おカミサンの方ですが)山茶花の木に近づいて、チャドクガ(茶毒蛾)の毛虫に刺されたらしい。右腕から肩にかけてひどく腫れ上がって、猛烈なかゆみがあるようです。こんな時あせってはダメ。

さっそく愉気をすることにしました。愉気をする場所は肩と肘の中間点前あたり。この辺りを軽く探ると、少し硬く感じるところがあります。ここが「化膿活点」と呼ばれている場所で、ここに愉気をすると、虫の毒とか、怪我から来た化膿等に対応することができます。

少し硬く感じる場所に、私は右手の親指を押し当てて、じっとしているだけです。「押し当てて」と書きましたが、力を入れて押す必要はありません。押すというより、触っている感じでしょうか。カミサマは、痒いところを手で引っ掻こうとするので、辛抱するように言って、こちらは知らん顔。冷たいようですが、これが一番よい対応法だろうと思います。

そして指を当てること5分ほど。固かったところが少し緩んで来た感じがすれば終わりです。こういう時に「5分」と書くと、6分では長すぎますか、とか、4分では短いですか、とか数字にこだわって質問してくる人がありますが、そんな数字に振り回されるのは愚の骨頂。それより、自分の感覚を信じて、指先に何かの変化を感じた頃が、終わるタイミングです

この原則は、他の操法でも同じ。よく何分くらいと質問する人がいますが、そんなのは、自分で感じるようにして自分の感覚を磨かなければ、いつまで経っても何分ですか、と質問を続けなければならないことになってしまいます。テキストに「何分」と書いてあっても、それはあくまで目安。そんな数字に大した意味はないと思った方がよい。

料理だとか、ものの製造であれば、厳密な時間を守ることが必要かもしれません。しかし人間の身体は、ものではない。人によって、その時の状況によって、時間は長くも短くもなります。それを自分で感じて判断する習慣が求められます。さきほど「5分」と書きましたが、私は時計を見ていたわけではない。時計を見て計測すれば、4分33秒だったかもしれないし、10分だったかもしれない。そんな数字に意味はない、と肝に銘じることが必要です。

話を戻します。何分か指を当てていたら、ふっと緩んだ感じがした。これで何かが急速に変ったわけではありません。しかし翌朝になると、酷かった腫れが少し引きました。痒みもマシになったようです。そこでもう一度同じ操法をしました。腫れのひどい右側だけでなく、あまり腫れていない左側にも同じことをしました。

こうして続けているうちに、腫れがどんどん引いて、痒みも軽減してきた。やれやれです。半年ばかり前から、私は、こんな具合に妻の低温やけどや、骨折や、今回の毒虫騒ぎにつきあってきました。何だか、こんなばかりを繰り返しているような気がします。