842 季肋操法

路地裏の整体術 第842号 2015年10月2日
▼ 季肋操法

「季肋部」 という表現があります。肋骨の季(すえ)、つまり肋骨の下という意味です。肝臓が悪いと、季肋部に痛みが出る、というような言い方をします。

ここでは、肋骨の直下という意味よりも、文字通り肋骨そのものの下部という意味で使いたいと思います。言い換えれば下部の肋骨ということになります。

この辺りに違和感があったり、肋骨の下の方が前に突出していたり、そういう人がいらっしゃるでしょう。特に肋骨の左下が何だか膨れている、という人が多いかもしれません。

肋骨が飛び出して来るとすれば、肋骨は背骨にくっついているわけですから、背骨に何かの歪みがあるに違いありません。それが肋骨の歪みとなって違和感を生んでいるのかもしれません。

ですから背骨を正常化することが大切だとはいうものの、本人にとってはすぐにこの違和感や痛みから逃げたいに違いない。どうすればいいでしょうか。

掌を使います。肋骨操法では掌の縦一文字を使いますから、今度は横一文字を使ったらどうか、そう考えました。感情線の起点から生命線の起点に向けて、横一文字にこすってください。たったそれだけのことで、大きく状態が変わると思います。

何にでもツッコミを入れるのが好きな人は、生命線から始めて、感情線に向うのではダメですか、と言うかもしれません。それでもいいと思いますが、どちからに決めておかないと、効果の検証ができませんので、とりあえず上のように決めて、やってみたわけです。そうしたら効果が上がった。

もちろん、いつものように左右のバランスを取るために、両手とも同じ操法をすることが大切です。

肋骨操法は、何度も繰り返してはいけませんが、この操法は、繰り返しOKです。季肋部が凸になっている人などは、少し時間をおいて繰り返せば、効果が出てくる、つまり凸になっていた肋骨が次第に凹んでくることでしょう。

(余談) 初めから生命線と感情線が一つにつながっている人がいます。これは手相の方面では 「ますかけ」 といいますね。調べてみると、人の上に立つ人に多いらしい。そうでなくても、自分の主義主張を強く押し通す人であるらしい。歴史上の人物でいうと、家康とか信長とかは 「ますかけ」 だったいいますが、本当でしょうか。誰が調べたのか。ま、神話のような話しでしょう。

「ますかけ線」 の持ち主は、この線を小指側から親指側へ横一文字にこすればよろしい。

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842 浮き指(4)頸こりと食いしばり

路地裏の整体術 第841号 2015年10月1日
▼ 浮き指(4)頸こりと食いしばり

前回の 「浮き指専門サイト」 の説明では、親指を甲側に曲げて、直角を超えて曲がるようであれば 「浮き指」 であるとなっていましたが、このように概念を決めると、ほとんどの人が 「浮き指」 であることになってしまうようです。見かけ上、指が浮いていると見えない人も、曲げてみると直角に曲がる。

このサイトの笠原さんは、こういう 「浮き指」 概念が正しいとしています。概念は現実の認識に従って人間が決めるものですから、これはこれでいいので、別に文句をいう必要はない。しかし、次のような概念規定をしている人もいることを知っておいた方がいいでしょう。

──親指の下に名刺のような小さな紙片を置いて親指でグッと押えつけるようにしながら、手で引っ張ってみるだけだ。
このテストをして、紙が簡単に抜けるようならば、親指が十分に機能していないことになる。つまり浮き指である。
松藤文男『「足の指」まっすぐ健康法』(KAWADE夢新書、2009年)

となると、どちらが概念として適当かは各人が研究して決めればよい。私は、松藤説を採りたい。笠原説では、あまりに対象が広がり過ぎて、何でもかでも悪いことになってしまうと考えます。

松藤さんは別に「足の健康度を知る簡単テスト」も提案していて、「台の上に足をのせて、親指をこぶしで叩いてみる」。軽く叩いただけでも痛みを感じる人は、「間違いなく親指が傷んでいる」と書いています。(原文は「痛んでいる」となっていますが、意味の上から「傷んでいる」が正しいでしょう)

笠原説に関して、次のようなメールも頂戴しました。

──でも、それ[笠原さんのいう治療]を続けているうちに本当の意味での治療がなされるかというと、個人的には懐疑的です。
変形の順序としては確かに足や足指からスタートしているのかもしれませんが、足首、膝、股関節、骨盤・・・と捻じれなどのアンバランスが全身を浸蝕してしまっている状態では、足のみの観察、施術では効果はさほど期待できない気がしています。

さて、どちらの説が正しいかはさて措いて、浮き指にどう対処すればよいかという観点からみれば、別の見方もできることが分かってきます。

浮き指になっていると、趾(あしゆび)の付け根に圧痛が出ることが多いです。趾の付け根を押えるなり、強くつまんだりすると痛む人が多いのではないでしょうか。ここで付け根というのは、必ずしも第3関節のことではなく、基節骨(趾の付け根の骨)の周辺というほどの意味です。その辺りに圧痛が出ないかどうか、試してみてください。すると、指によって圧痛に多少の差があることが分かってきます。

笠原説でも、松藤説でも、親指のテストだけで「浮き指」の判断をしていますけれど、趾の付け根の圧痛を調べる方法ですと、一本ずつ「浮き指」かどうかの判断ができます。こうやって調べてみると、中指の「浮き指」が一番多いということが分かってきます。中指はたいていの人が「痛い」といいますから。

こんな時、圧痛の出る趾の中指の付け根を揉んでみる。中指の付け根を揉んでやると、次第に付け根の痛みが弱くなって、消えてゆきます。揉むのが嫌な人は、付け根をじっとつかんで、愉気をしてやるのでもよい。

不思議なことに、この操作によって下顎がまともになる。逆に言えば、下顎に歪みがあれば趾の中指を操法してやればよい。

面白いことに下顎が整うと、頸の痛みが消えることもあります。事実を確認したければ、頸が痛いと言っている人の、痛みと同側の足中指の付け根を揉んでやればよい。頸の痛みが消えて行くはずです。

こういうことが事実として成り立つのは、下顎の緊張が頸を引っ張っているという現象が起きているからでしょう。「頸凝り」という症状は、顎にも原因がある。まとめると、趾→下顎→頸という凝りの連鎖がある、ということです。

だから頸が凝っているからと言って、頸を揉んでやってもダメで、根本にある趾の凝りを解決すれば、頸が正常になるわけです。頸の凝りがさまざまな病気の原因になっていると主張している人がいますが、それが正しいとすると、趾に凝りがあるというところまで遡らないと根本解決にならないと思います。

付け加えると、「喰いしばり」とか「歯ぎしり」と呼ぶ現象も、趾と関係しています。こういった現象が下顎の状態と関係があるからで、「頸凝り」だけでなく、こういった現象も、足の中指の付け根を揉んでやると、改善する可能性があります。心当たりのある方は左右の中指の付け根を試しに操法してみて下さい。

840 浮き指(3)

路地裏の整体術 第840号 2015年9月25日
▼ 浮き指(3)

浮き指の問題について、極めて詳しいサイトを見つけました。次のところです。

浮き指専門サイト http://www.ukiyubi.net/

浮き指について、私の考えを書こうと思って、この連載を始めましたが、この
記事を読むと、そう簡単には終わらない感じになってきました。内容が広いので、
私自身このサイトの内容を検討していません。無責任のようですが、各人で判断
なさってください。今後少しずつ読んで行きたいと思っています。

ここに書かれていることが正しいとすると、足について、考え方を改める必要が
あるな、と思いますが、ようするに、靴を履いて、舗装道路の上を歩いている、
足の裏を使っていないということに尽きるのかもしれません。さて、みなさんは
どう感じられるか。ご意見をお寄せ下さると、ありがたいです。

839 浮き指(2)

▼ 路地裏の整体術 第839号 2015年9月21日
▼ 浮き指(2)

第1回の内容を読んでメールをくださった方があり、概要つぎのような内容でした。浮き指と関係があるような、ないような。

──知り合い女性(50代)に聞いた話です・・・。ある日足の小指を箪笥だかにぶつけて、いつまでたっても痛いままなので病院に行ったそうです。そこで診てもらうと 「あなたは足の小指の関節が一つ足りない」 と。

当人も長いこと人間をやってきて初めて知ったらしいのですが(笑)、その医者曰く、「昔は100人に1~2人だったけど最近は30~40人いる。歩いたりふんばったりすることがなくなったから退化的に進化しているんじゃないか? アメリカあたりでも同様の事態になっている。」 とのこと。

その医者的には 「だからまぁ、心配することではない」 というニュアンスだったそうですが、また聞きの私からしてもうすら怖い内容です。

またその医者は 「そのうち指の数も減るんじゃないか?」  と笑っていたそうですが、なんだか全く笑えない ・・・。

同感ですね。『私たちは今でも進化しているのか?』 という興味深い本があり、「炭水化物ダイエット」 に反論するのが著者マーリーン・ズックさんの論点のようですが、進化が起こるのに、数万年というような長期間を要するという考え方は誤りで、いまもどんどん進化が起きている。私たち人類にも進化が起きているということのようです。

「進化」 と呼び、「退化」 と呼んでも、同じことで変化の方向が違うだけですから、足小指の変化も、案外急速に進んでいるのかもしれません。

そこで検索にかけてみると、足小指に触れた記事が結構みつかります。例えば、

http://matome.naver.jp/odai/2139022131366864001

に詳しい記事があります。日本人は、小指の関節が少ない人が多い、というのですが、さて、あなたの小指はいかがでしょうか。

838 浮き指(1)

路地裏の整体術 第838号 2015年9月17日
▼ 浮き指(1)

まぐまぐニュースに次のような記事が出ています。
http://www.mag2.com/p/news/15688

(以下引用)
──真っ直ぐに立てない子どもたちが増えているという事実、ご存知ですか? 子育てに関する具体的なノウハウを配信する『子どもが育つ「父親術」』で今回取り上げられているのはその「浮き指」という症状。放っておくと学力にまで影響するという浮き指の防止・改善法を紹介しています。

親子でできる簡単浮き指防止・改善法
また、ネットで気になる記事を見つけてしまいました。題名は「まっすぐ立てない子どもたち」。mixiニュースでも見かけたので、ご覧になった方もいるのでは? その記事で取り上げられていたのが「浮き指」という症状。「足の指が床につかない」というのですが、想像できますか??

浮き指になると、立ち姿勢でのバランスがとりにくくなるのでまっすぐ立っていられなくなるとのこと。その他にも「膝を曲げてゴリラのように歩く」「座る時の姿勢も崩れて猫背になる」などの影響が出るようです。

浮き指になってしまう原因は、小さい頃に必要な運動が不足していたからと考えられているそうです。「必要な運動」と言っても、そんなに特別なものではありません。

つかまり立ち
伝い歩き
歩行

など、どの子も放っておけば勝手にやるようなことばかりです。

ところが・・・記事中に紹介されていた都内の小学校では、全校児童の8割以上が浮き指だったとのこと。そのため、全校集会で『姿勢体操』なるトレーニングを取り入れているとか。

これは、危機的と言える状況でしょう。

この小学校が悪いわけではありません。むしろ、この異常事態に真摯に対応していると思います。問題なのは、小学校に入るまでの6年間もの間、浮き指になってしまうような環境・状況に子どもたちが置かれていたこと。

いろいろな要素はありますが、これは親の責任でしょう。体力は、全ての活動の基礎になるもの。これを育むのは、まぎれもなく親の責務です(基礎的な体力は、学力にも影響します。このお話は次回に・・・)。

(ここまで引用)

さて、問題の「浮き指」ですが、要するに趾(あしゆび)が付け根の関節から、上に折れ曲がって、上がっている。そのため趾が地面についていない、というものです。程度の差は色々あっても、大人にもよく見られます。「よく」というより、子ども達と同じように「8割以上」の人に見られると言った方がよいくらい蔓延しているのではなかろうか。あなたの趾は地面にしっかり着地しているでしょうか。靴下を脱いで確かめてみてください。少し上に曲がって、
浮いているのではありませんか。

とすれば、あなたも子どもたちと同じ運動不足だということになりますね。どこへ行くのにもクルマという時代ですから、止むを得ないことなのかもしれませんが、趾のこの状況のために、操法をする者は苦労を強いられることになります。つまり身体の全体をしっかりと整えたと思っても、趾が悪いために、すぐに逆戻りしてしまう、という現象が広く見られるようになってきたように感じます。

次回は、この問題を詳しく考えてみます。

837 肋骨操法

路地裏の整体術 第837号 2015年9月15日
▼ 肋骨操法

今朝、目覚めて布団の中でゆっくりしていると、急に肋骨が痛くなってきました。肋骨のどこが痛いのか、は言い難いのですが、肋骨の全体がだる重い感じになり、これは異常だ、と思わせられました。

こういう時は肋骨操法をするに限る。肋骨操法と呼んでいるのは、非常に簡単で、操法と呼ぶのも申し訳ないようなものです。薬指の中手骨の掌側を手首から指の付け根に向けて、さっと撫でるだけです。これを両手とも行います。ただし何度も撫でてはいけません。1回か2回ほど、です。あまり回数を増やすと、鎖骨の下が痛くなって苦しむことになっても、私は責任を持ちません。

これをしたお陰で、肋骨の違和感はすっかり消えました。でも原因は何だったのかが気になります。

原因は明らかです。夕べ、私は寝る前に寝床の中でロナルド・ライト『マヤ文明の旅』という本を読んでいたのです。それも仰向けで読んでいましたから、久しぶりに枕をしていて、枕を外さずに、そのまま寝てしまったというわけです。

それだけのことで、なぜ肋骨が痛くなるのか、とお尋ねですか。枕をして寝ると円背が夜中のあいだ強調され続けていたことになります。背中が丸くなり、胸の側は縮んでいたわけです。それが明け方になって、異常な状態にまでなっていた。

ということは、円背(猫背)傾向の人は枕をしない方がいい、という結論になります。枕をすると、円背を強調する結果になりかねない。円背になりたくない、と思っている人も枕はしない方がいいのではないだろうか。適切な枕をしなさい、体のために、という意見はよく見かけますが、胸椎や腰椎のことを考えていない意見ということになります。

私の場合と少し状況が違うのですが、次のような例もありました。

──背部痛がここ1週間以上続いております。右側、肩甲骨の下あたりから肋骨の下あたりまであり、腹部ではないんですが、前の肋骨下あたりくらいまで激痛が走ります。

心当たりはあります。娘と一緒に夏休みの工作を作っていた時に背中を猫背にして布を計っていました。その時、かなり伸びました。
痛くなるだろうな…っと思っていましたら案の定、酷い今までにない痛みです。痛み止めが効きません。寝返りもうてません。

かれこれ、10日くらい痛みが増してきてます。猫背になると楽な気がしますが、また痛くなるのが怖く…すぐ伸ばしてます。色々、姿勢を試したんですが、胃の辺りから下腹部に掛けて、腹筋みたいに力を入れて動くと、痛みが和らいだ感じがしました。

この方は、遠方の人で、こんな風に直し方を尋ねて来られて、困ったのを覚えています。こんなひどい症状をメールだけで解決するのは無理だろう、と考えたのですが、苦し紛れで、さきほどの肋骨操法を書き送りました。そうしたら驚いたことに「楽になった」という返事が帰ってきました。

背中も痛む場合は、掌側を手首から撫で上げると同時に、甲側を手前方向に撫で下げるといい場合もあります。こういう症状が出たらお試しください。くれぐれも何度もやらないこと。1回か2回に留めてください。

836 肩と頸の関係

路地裏の整体術 第836号 2015年9月14日
▼ 肩と頸の関係

今朝は頸を直したら、肩もよくなったという報告です。

先日のNHK「試してガッテン」に「ハンガー療法」というのが取り上げられたと聞きました。その詳細は「ハンガー療法」で検索すると、数多く出てきます。

針金ハンガーを少し歪めて、窪みを作り、この窪みをこめかみに当てると、脳の誤作動が正常化して、頸の回旋が楽にできるようになるというものですが、それならハンガーなどとややこしいものを使わなくても、指をこめかみに当てれば、同じ効果が出るのではないだろうか──。

そう考えてやってみると、思惑どおり、頸の回旋が正常になりました。

さて、昨日のお客様はフラメンコをやっているという50歳くらいの女性Oさんです。すでに何回か、腕が痛くて内旋できない、という訴えで来ておられます。

腕を内旋させて、肘を曲げ、外に開こうとすると、肩の前がつぱって痛いという話しです。こういう動作は皆がする動きではないでしょうが、Oさんは踊りの時に、こういう動きをされるようです。

例によって、肩が痛いという人は、必ず手か腕に問題がありますから、手と腕を操法して、かなり改善して来たのですが、まだ決定打が出ない状態でした。

この日は中指の第一関節が時々おかしいという。触ってみると確かに硬くなっています。ヘバーデン結節かな、と思って、「コーヒーはお好きですか」と聞いてみますと、ミント入りの紅茶がお好きのようで、一日に何度か、それを飲まれるそうです。カフェインの作用もあるのかもしれませんが、関節に触ってみると、ズレがある感じを受けたので、関節の操法(誇張法)をしてみました。ズレのある方向へ、少しばかり気持ちだけ動かした感じにしてじっとしているわけです。

そうすると、やがて第一関節が少し柔らかな感じに変ってきました。これでよし、として、肩を動かしてもらうと、少しましになったと。まだ症状は残っています。肩がおかしい人の問題は、指のつぎは、手首関節の異常が多いですから、下橈尺関節を調整します。すると「さらによくなりました」。

ということは、まだ何か残っているわけです。この辺りで止めると、残っている歪みが核になって症状が再発してしまいます。

頸が少しおかしいとおっしゃっていたので、今度は頸をやってみよう。そこで、ハンガー療法を思い出して、指でやってみたわけです。右肩がおかしいので、右のこめかみに指先を当てて、数分。頸を回してもらうと、左右の回旋が揃っていました。

肩はどうですか、と試してもらうと、「なくなりました」と。肩が頸から引っ張られていたのでしょう。通常とは逆の順序ですが、こういうこともあるわけです。Oさんは、一か月後の予約を求めて帰られました。

こめかみに指を当てていると、首が正常化するメカニズムは分かりません。番組での解説にあるように、脳の誤作動が治ったのでしょうか。なぜ、これで誤作動が正常化するのか、私には分かりません。