926 首の横が痛い 16/11/3

鎌倉・靜照庵の庵主、田沼雅康さんのブログを読んでいると、「右肩上がりと食欲の関係」という記事がありました。何気なしに読んでいたのですが、→ http://www.geocities.jp/josyoan/seitaidayori.html ここに次のような仮説が書いてあった。

──特にこりが右肩に集中するようなら食べすぎも疑ったほうがよいでしょう。 これは胃に関係する胸椎6番から9番の左側が硬直を起こし、左に傾いた椎骨が右側の僧帽筋を引っ 張ることによるものです。

この仮説が正しいかどうか、どうやって確かめればよいか。胸椎の左側に硬直を起こす原因を取り除けば、右肩のこりは解消するはずです。これは講座で私がしばしば強調していることですが、左腕に原因がある。左の前腕の二本の骨が開いてくると、左腕全体を緊張させ、胸椎を左に引っ張るわけです。

事実かどうか、右肩のこりやすい人は、【反対】側、左腕(前腕)の開きを締めてやれば、胸椎左側の硬直が解消して、肩のこりが消えるはずです。どうすればよいか。『ねじれとゆがみ』 の巻末に「寝床体操」の第1~第5が書いてあります。第5をご覧ください。257ページ。

要するに、腕をぐっと伸ばし、手の平を向こうに向けて開き、反対側の手で押さえておいて、互いに押し合い、パッと放す。(詳しくは本書をお読みください) この動作を数回繰り返すわけです。必要なら、十数回繰り返してもよろしい。すると、前腕の頭骨・尺骨という二本の骨が締まってきます。

ここから先は、理屈が一本道で、前腕が締まることで、腕全体の硬直が解消し、それによって胸椎の左側の硬直が解消し、それによって、右側の僧帽筋の拘縮が解消し、右肩のこりが見事に消え去るはずです。

本当かどうか、右肩に凝りがある人は、試してみよう。Go!というわけで、寝床体操は無視できない威力がありますから、何か不都合があって、どうすれば解消するかよくわからないと悩んでいる人は、数日続けてみてください。色々な不調が面白いように解消して、驚かれることでしょう。家庭に一冊、『ねじれとゆがみ』。

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905 枕は是か非か

第905号 2016年7月12日
▼ 枕は是か非か

50歳代の男性Tさん。大阪市内にお住まいだそうです。その方の訴えは

──自分は昔から枕なしで寝ていた。それでまったく問題がなかった。ところが先日、目まいを起こした。調べてみると 「良性発作性頭位目まい症」 という種類らしい。ネットで色々と調べてみると、枕をした方がいいという記事をみつけた。

そこで、しばらく低めの枕をして寝ていたが、朝起きるときに、頸椎や胸椎がボキっと鳴って、不気味な感じがする。まして 『首や腰をボキボキ鳴らすと早死にします』 という本を読んで、いっそう怖くなった。何とかならないか。

厄介な話です。私自身も常に枕なしで寝ていて、たまに枕をすると、同じようなことがあるので、他人事だと思えません。そこで、枕を使わずに横になってもらい、十数分ほど寝ていただきました。その間に春風操法をしましたので、その効果があったかもしれませんが、いずれにしても、起き上がってもらうと、ボキボキという音がしませんでした。目まいも起きなかった。

[春風操法とは、寝る前に両手の外側(小指側)を小指の先端から始めて、手首まで、撫でおろす。そうして仰臥する。11分ほど寝てもらうという方法。こうして寝ているだけで全身がかなり整う場合があります]

これをどう考えたらいいのか。枕をすると、顎を引いた状態で寝るので、のどが詰まることがない、というのが枕必要論の論拠になっています。しかし、いつもそうだとは限りません。私自身は、枕なしで寝たからといって、呼吸が苦しくなるようなことはありませんし、軽い呼吸音を立てているようですが、ひどい鼾をかくこともありません。

むしろ、枕をすると、枕の高さだけ、背中が猫背状態で寝ているわけで、そのことの方が嫌な感じです。毎日、猫背になる練習をして寝ているようで、気持ちがよくありません。

枕をして寝てみて、そのあと起き上がると、猫背になっている背中が無理に引き伸ばされるような感覚があって、その時にボキっと鳴る感じがします。

ただ、横向きに寝るという人にとっては、横向きになったとき枕がないと困るというのはある気がします。だとすれば、首の後ろを支える程度の枕を、タオルで作ればいい。

具体的に書いてみましょう。まず、一枚のタオル。これはバスタオルでなく、普通のタオル、これを下に敷く。これはシーツが汚れるのを防ぐ意味だけです。その上に、バスタオルを縦に長くグルグル巻いたものを置きます。これを首の後ろにあてがう。

昔、木枕というものがありました。西式医学というグループが使っていたものです。探してみると、今でも販売されているようです。私自身は試していませんので、お勧めというわけではありませんが、試してみてもいいか、とは思います。(時代劇に出てくる、武士がしているような高い枕とはまったく違うものです)

いずれにしても、Tさんにとって、枕をするかどうかは、死活問題になっていた、枕をすると、目まいが起こらないという、あやふやな情報を信じたがために、困っていたわけですが、枕をしなかったというだけで、解決したということです。

目まいはどうすれば、いいのか。YouTube に 「試してがってん」 の動画がありますので、それを試してみてください。BPPV(良性発作性頭位めまい症)の直し方が見られます。
https://www.youtube.com/watch?v=qPP_m0_FnpA

さまざまな「健康情報」のあり方について、言いたいこともありますが、それに関しては、いずれまた。

898 カフェの風景

第898号 2016年5月26日
▼  カフェの風景

奈良市内のとあるカフェで、壁際に一列にならぶ座席に坐ってジュースを飲んでいると、二つ開けて隣に30歳代の男性が坐っています。ノートPCに向かって、懸命に作業中の様子です。

彼は私が横から見ているのに気づいていません。机の上に置かれたPCの画面に目を近づけているため、横から見ると、顎を突き出した猫背、という形になっています。典型的な姿なので、参考のため写真を撮っておこうか、と考えたほどに、見事な形でした。

人の頭部の重さは体重の1割あるそうで、彼の体形から見て、体重は平均並みの60キロ程度として、6キロの重さを支えていることになります。

このごろは仕事場でもノートPCという人が多いそうですから、こんな姿は、いまでは、ごく当たり前の光景なのでしょう。なるほど疲れるだろうなあ、と思わずにいられません。

そのせいかどうか、近頃、首が痛いと訴える人が多い。くだんの彼も、作業が一段落したのか、傍らのコーヒーを啜る。その後、首を捻じって 「コキッ」 と言わせた。首にストレスが溜まって来ているのでしょう。

首のストレスというか、首が凝る、首がつっぱるという症状が出てきたら、どうするか。

おそらく、この男性のようなことをするか、凝っている方をぐっと伸ばそうとするか ── そんなところでしょう。

けれど、ここでは逆のことをお勧めしておきたいと思います。

例えば首の右側が凝っているとしましょう。右側がつっぱって痛みがある。右側の筋肉などが突っ張っているわけです。突っ張っているというのは、そちら側の筋肉が縮んでいるのですから、縮んでいるところは、さらに縮めてやる、というのが原則です。

それなら、突っ張り感のある右側を縮めてやればよいわけですね。つまり、右側に首を倒してやればよい。普通に人がやろうとする方向の逆に動かすのがよい。そうして、しばらくじっとしています。すると少し楽になるのではありませんか。縮んでいるものを伸ばそうとするから、うまく行かない。