924 指輪が怖い 16/10/17

指輪が怖い先日の上級講座の席上、左肩に違和感のある男性Nさんの左腕を操法している時に、はっと気づいたのは、薬指に指輪がしてあることでした。

これまで指輪は、対象外にしていたのですけれど、どうも怪しい感じがする。ブレスレットなどと同じような影響を与えているのではないだろうか。手の中手骨を緩めていた時、どうもこの指輪が気になる、思わず「これや!」と叫んでしまいました。

こういう時の直感は、的確なことが多くあります。Nさんは、この指輪を外しながら、「これを外してもいいのなら、嬉しい」とか、何とか、冗談を言っておられましたが、外してみると、肩の違和感が消えたという。

指輪だけで違和感が消えたのかどうか。そこのところはよく確認してはいなかったのですけれど、肩の違和感と指輪とが関係していることは確か。

次は、先日のお客様。この方も、左肩に違和感がありました。Nさんの場合と同じように左腕を対象に操法をしようとしたのですが、この時、気づいたのは、右と左とで、鎖骨の位置、正確にいえば、喉の下にある二個のグリグリです。つまり胸鎖関節の位置が少し違っています。

右に較べて、左が少し下がっているのに、気づきました。操法をしようとして、今回も気づいたのは、薬指の指輪。しかもこの方の場合は中指にも指輪が嵌っていました。それでまず中指の指輪を外していただきました。

「怪我よけ」で有名な大阪サムハラ神社の指輪だそうです。その次に薬指の指輪を外してもらおうとしても、なかなか食い込んで外れない。やっとの思いで外された時、私が「はっ」と気づいたのは、胸鎖関節が左右で揃っていることでした。

ご本人は、そんなことには気づかないでいられたのですけれど、肩の感覚をお聞きすると、軽くなっています、とのこと。やっぱり、指輪は影響しているんだ、と改めて確認する結果になりました。

指輪がなぜこのような結果を生んでいるのか、その理由は不明です。色々なことが考えられます。指輪の金属と、歯に詰めてあったり被せてある金属とのあいだに微弱電流が流れるからかもしれませんし、薬指を締め付けて、いるために、その共鳴点である腕に何かの障害が発生しているのかもしれません。

いずれにせよ、指輪を外すと、鎖骨の位置が微妙に変化したのを、この目で確かめたのは事実です。

読者の皆さん、指輪を外すと、肩がどんな結果になるか、お知らせくださると、今後の参考になります。どうぞ、よろしく実験結果をお送りください。

908 肩痛のカンタン操法

2016年8月1日

肩を傷めている人が多い。寝ている間に疼くので、眠れない、というような訴えをよく聞きます。そこで。

もちろん、来ていただいて、すべて解決すれば、それに越したことはないが、なかなかそうも行かない場合、慢性化している場合がありますから、そんな時は、自己操法をしていただくことになります。

とはいえ、複雑な操法をお教えしても、覚えていただけないことが多い。そこで、カンタンで効果の高い方法を案出しなければなりません。

考えたのは、肘のカンタン操法の肩バージョンを作ればどうか、ということです。

つまり、こういう方法です。

まず右手で左の肩をつかむ(左利きの人は左右逆)。肩と言っても、肩先よりも、その下(三角筋のあたりでよい)をつかむ。次に、左手で右の肩をつかむ(左利きの人は左右逆)。そのまま数分のあいだ、じっとしている。以上です。

なぜ右手で左肩をつかむ方を先にするのか。それは右利きの人は、右肩が前に来ている人が多く、それを修正するのに、左肩が前に来る方が望ましいからです。

ですから、この操法をしばらく続けると、胸椎上部の捻れがとれてくる可能性もあります。そのためには、テレビでも見ながら、じっと十分でも、する方が効果が高いかもしれません。お試しください。

ただし、坐り方が悪いと、かえって逆効果ですから、横坐り状態などでは、決してしないように願います。正坐か椅子坐がよろしい。脚を組んではいけません。

お断りしておきますが、これですべての肩痛が解決すると、大げさなことを言うつもりはありません。肩痛を解決するためには、いつも申している通り、手の捻れなどを解決する必要があることを申し添えます。

901 肘のカンタン自己操法

第901号 2016年6月8日
▼  肘のカンタン自己操法

肘に問題を抱えている人が多いですねえ。というと、私は何ともない、という反論が返って来そうです。

ところが、肘の先の肘鉄(肘頭)の周辺をぐっと押さえられると、あいた、となる人が多い。自分では痛みがないつもりでも、押さえられると痛い。こういう人は肩や膝にも問題を抱えていることが多いものです。

肘鉄の周辺をあちこち押さえてみてください。どこも痛いところはありませんか。

もし痛ければ、どうして治すか。カンタンな方法があって、抜群によく効きますから試してみてください。

まず、痛みがあった肘頭を反対の掌で包む。次に痛くない方の肘頭も痛みのある側の掌で同様にします。つまり腕組みを、肘と掌でするわけです。

後はこのまま数分の間じっとしている。それだけです。

またまた「数分」とは、どれくらいですか、などと初歩的な質問をする人がいるといけないので、言っておきますが、数分というのは目安で、当然、人により、体の状況により、違います。2分で止めて痛みが取れていなければ、もっと続ければいいだけのことです。

あまりカンタンすぎて、信じられない。そうでしょう。でも、やってみればわかります。

肩が悪い人、膝が悪い人にお勧めです。

ただし、この操法をいくら続けても痛みが取れない人は、症状が深刻化しているわけで、そういう人は、ただちに朱鯨亭に駆け込んでください。

「肘のカンタン自己操法」について、その効果を知らせてくれた方が複数あり、ご紹介しておきます。

●大阪府在住のMさん

先日、腰痛で来られた時に、「友人に教えたら、1分もしないうちに効果があったみたいですよ」と。そして、もう一人の人に勧めたら、肘だけでなく、腰まで治ったようです」とのことでした。

●静岡県在住のOさん

丁度良いタイミングで、妻が肩と膝と腰が痛いと言ってきましたので、早速、肘の操法を試してみましたところ、おっ!肩も膝も腰も良くなった! とお褒めの言葉を頂きました。

というわけで、この操法(具体的には、前号を参照してください)は、膝や腰にも効果があるようです。

肘を治すと膝が治るのは、昔から言い習わされていることで、特に珍しくありません。ですから、膝が痛くて困っている人は、この操法を繰り返し行なって肘周辺の痛みを治しておくと、膝にもよい効果があるに違いありません。

ですが、腰が治るのは、どのような理由からでしょうか。肘を治すと、肩の動きが改善します。ということは、肩から背中にかけての影響も変化するということです。背中の状態が変われば腰が変わるというのは、操法をしている人なら、いつも経験している現象でしょう。

こんなふうに、肘が変わると腰も変わります。人体には、このような連動性があちこちに観察できますから、連動制の体系をとらえることは、操法に取り組む人の大きな課題であると思います。

894 連動という対応関係

第894号 2016年4月29日
▼  連動という対応関係

全身と手とが相応(対応)関係にあることは、このメルマガの読者の皆さんには、基本的なことがらであると思います。例えば足首は小指の第1関節と相応する。要するに手は全身の縮図になっています。

ところで、手の変化と全身の変化とは、どちらが先に起きるのか。たとえば、先日の実例。股関節が痛むという方でした。

股関節の痛みは、『共鳴法教本』 では薬指と小指のそれぞれの中手骨の間の溝の部分に手を当てていればよい、となっています。

ですから、その基本通りにそこに手を当ててみたのですが、何だか掌側の触り心地が落ち着かない。ごつごつして骨が飛び出しているような感触です。

おそらくは、薬指の中手骨が掌側へ転位して(ズレて)いるに違いない。そこでそこをわざとグッと強めに押さえてみると、「あ、そこは痛いですね」 という反応。

そこで、掌を敷物の上に押し付けてもらって、甲側から手でぐっと押え、パッと放すという反動法をやってみると、ズレが解消しました。そこで、股関節はどうか、と尋ねてみると、痛みが取れているようでした。

そうなると、股関節に異常があるから、手の相応箇所に異常が出たのか、それとも手に異常があるから、股関節に異常が出たのか、どちらともいえそうな状況です。

こういう場合は、一方が他方の 【原因】 であると捉えるよりも、手と股関節が 【連動】 していると捉えるほうが事実に近いのではなかろうか、と思いました。

つまり相応関係とは、他方が一方を映し出しているという関係であると捉えるより、互いに連動する関係と捉えるほうがいいのかな、とも考えられます。

そう考えてみれば、からだの各所に連動関係がありますから、各所にさまざまの相応関係が観察できるとしても不思議ではありません。「足つぼ」 なども連動関係なのかもしれませんね。

888 鎖骨になぜ左右差があるのか

第888 2016年4月1日
▼ 鎖骨になぜ左右差があるのか

鎖骨は人体の中で、左右対称になっている典型的な場所として、捉えている人が多いのではないでしょうか。確かに水着姿の女性の鎖骨など美しいと感じる人もいるでしょう。

ところが、よく調べてみると、さほどでもないことが分かります。見かけ上、左右が対称であるように見えても、胸鎖関節を押さえてみると、圧痛を訴える人が多い。

さらに鎖骨の部分をはだけて、よくよくみると、胸鎖関節の位置が左右で違っていることも多い。

【胸鎖関節とは、喉の下にグリグリが二つありますね。それです。胸の中央にある胸骨と、鎖骨のつなぎ目なので、胸鎖関節と呼ばれている】

先日、私自身の胸鎖関節が左右でえらく違って来ていることに気づきました。触って見なくても、関節のところに違和感があります。

同時に、背中の胸椎のどこかが痛む。えらいことになって来たと思って、どうしようどうしようと少し焦りぎみになった。胸椎を通常の方法で整えてみても、痛みが変わりません。

その前日のこと。『共鳴法教本』を使って講義をしていたので、そこに胸鎖関節の直し方が書いてあったのを思い出しました。書いた本人が自分で読んで役に立つこともある。

【『共鳴法教本』についてはHP参照。→http://shugeitei.com/stext.html

鎖骨と対応する場所は普通に考えれば中指の付け根、手のひら側ということになります。確かにそのあたりでも効果が出る場合もありますが、そこより中指の第二関節の横紋のところ(つまり手の平側)、をクルッと撫でると良い。

なぜ、こんな場所が鎖骨と対応しているのか。それは頚椎、胸椎の関係から考えれば、ここの場所が頚椎・胸椎のつなぎ目の裏側にあたるからでしょう。

で、この操法をやってみました。すると、驚いたことに、鎖骨が正常になっただけでなく、背中の痛みも消えてしまった。今に至るまで痛みが出ていません。

共鳴法の操法には強い効果の出るものが色々ありますが、これほどの操法は私の記憶の限りでは初めてです。

以上の経験を総括してみると、鎖骨の左右差は、胸椎の歪みと連結していることが分かる。つまり胸椎のどこかがゆがんで、それに伴って鎖骨の左右差が出てくるわけです。考えてみれば、当然のことですが、当然のことも経験してみないと、なかなか分からないものです。

言い換えると、あなたの左右の胸鎖関節のどちらかに圧痛があれば、あなたの胸椎のどこかが歪んでいるといえる。それが中指の横紋をクルクルっと撫でただけで解決するといえるわけです。

からだほぐし教室で、この操法をやってみた時に、Fさんが、クルクルと撫でた瞬間、頭にピキッと来た、とおっしゃっていました。

これは想像ですが、鎖骨のような横長の骨は互いに連動することがあるらしい。横長の骨とは何か。足の舟状骨、膝の半月板、鎖骨、そして頭の中の蝶形骨です。これらは連動することがあるらしい。

ですから、中指の横紋をクルクルっと撫でる操法で、実は蝶形骨も整ってしまう可能性があるだろうと思います。

昨日、緑内障の方の足首を整えたところ、目が楽になったとおっしゃっていましたが、これは舟状骨が整ったために、蝶形骨が動いた結果かもしれません。

横長の骨が互いにどのように連なっているかは、興味深い研究課題です。と同時に、足を整えることによる効果が、どこまであるか、これも深い研究課題だと思っています。【これについては、いずれまた書きたいですね】

人体の不思議は尽きることがありません。

880 複合症状【3】

第880号 2016年2月1日
▼ 複合症状【3】

【承前】一週間後、Aさんが来られた。「痛くなった」と言われるのではないか、
とこちらはひやひやものですが、開口一番が、こうだった。

──夜中にうずいて眠れないということはなくなりました。

ということは、胸肋関節のズレが解決したということです。

やれやれ。「ホッと胸をなでおろす」というのは、こんな時。ひどい肩の痛みは、肘関節と胸肋関節の二原因による複合症状だったわけです。

こういうことがあるから操法は難しい。ここでも、「なぜ」という質問に答えるのはさらに難しい。なぜ、こんなことになっているのか。二原因のあいだに必然的なつながりがあるのかどうか。これはAさんの生活を詳細に検討してみなければ判明しないでしょう。

でも、なぜ過去の例のように激痛が出ることはなかったのか。おそらく、その人の感受性による違いです。同じ操法であっても、人により時期により、その反応は違います。

一般論として言えば、「正體術」の高橋迪雄が書いているように、比較的柔らかな女性や子どもでは、強い操法を避けなければならない。それに対して頑健な男性や身体の硬い成人では少々強い操法でも大丈夫なことがある。そういうことでしょう。

という次第で、Aさんの場合は強い操法が正解であった、ということになります。しかしこれは事後に言えることで、やはり普通は強い操法を避け、緩やかな操法を採用した方が危険が少ない。

よく整骨院などで、グッと力をかけて押されたので、おかしくなったと言って来る人があります。そういうことは、くれぐれも避けなければなりません。Aさんの場合、いわば結果オーライといえますが、Aさんの身体は頑健なものだったのでしょう。

さて、Aさんの症状はまだすべて解決してはいません。肘と膝が残っています。この先、どうなるか、お知らせするに足る情報が含まれていれば、続きを書いてみたいと思っています。

879 複合症状【2】

第879号 2016年1月31日
▼ 複合症状【2】

【承前】寝た時に、肩がズキズキ痛むというAさん。尾骨の処理で背骨がまっすぐになったのに、肩が一向によくならない。さて、どうしたらよいか。

肩の高さが違う場合に、まず第一に調べるべきは、腕のうしろにある伸筋の上腕三頭筋です。肩の高さが違う人は、高い側の上腕三頭筋が硬くなっています。

これを、操者の好みの方法で柔らかにしてやれば、肩の高さは揃ってくる。だがAさんは、肩の痛みが強いために、上腕三頭筋が痛いかと尋ねられても、何が何だか分からないらしい。大して痛みを感じるほどではない、ということでしょう。

しきりに「この辺りが痛い」と腕の上の方を押えるだけで、何がどうなっているのかよく分かりません。そうすると、次に調べる候補は肘ですね。肘頭の周辺に圧痛があるかどうか。

ところが、肘も肩の痛みとくらべれば、大したことではないらしく、むにゃむにゃで終わりです。こうなると、こちらとしては打つ手がなくなってくる。操者にとっては苦しい局面。指を調べてみても、何ともない。

どこが痛いのかよく分からない人は難しい。何が難しいかといえば、こちらは症状を手がかりにして、次の一手を考えているからです。「むにゃむにゃ」では一手を考えようがないわけです。

こういう時に、こちらの体勢を立て直すには、どうすればいいか。方向転換。これですね。こういう時は。とりあえず「むにゃむにゃ」というところは置いておく。そうして、新しい方向の探求に向うわけです。そのうちに、さきほどの方も道が開けてくるものです。

すみません。このあたりは完全に操法をする人向けの話になっていますね。自分の症状を自分でなんとかしようと考えている方々には、興味のない話かもしれません。でも、自分でやる場合も、操者と受け手が同一人であるというだけで、実は同じことだと私は思っています。時に自分でやる場合でも方向転換が必要なことがある。

方向転換しても、いずれ道が開けてくるのは、全身がつながっているからですね。

で、この場合、どこに方向転換したか。肩が痛いというだけではなくて、胸の上部が痛いと言っておられたので、そこを見てみようと。胸が痛いというのは、肋骨の変位があるからです。それ以外に、肋骨にひびが入っているケースもありますが、Aさんの場合は、そういう軽い痛みとは違っています。ひびはまず考えなくてよい。

そうすると、ありうるのは、胸肋(きょうろく)関節のズレです。胸の中央に縦に存在している胸骨と、肋骨とのつなぎ目。それが胸肋関節です。ですから、一つではなく、肋骨の数だけあります。

痛みの場所から見当をつけて、3番の肋骨と胸骨との関節をぐっと押さえてみた。すると、「痛い!」と強い反応。ここに間違いありません。ということはAさんの肩の痛みの正体は、腕から来ているものと、胸肋関節のズレから来ている部分とが合しているから、分かりにくく、本人にとっては辛い症状になっていると思われます。

そこで、この胸肋関節の調整にかかります。右腕全体を、当該の胸肋関節の延長上に持ってきます。そしてグッと腕を引く。一度やっても、改善したという声がないので、もう一度ひっぱりました。この日は、これで終わりです。書いてみればこれだけのことで、何だ短いというようなものですが、やっている当人にとっては、長丁場です。

こういう複合症状を持っている人の場合、痛みが消えたかどうか尋ねてみても、よく分からない場合がある。そうすると、これでよくなっただろうという想定のもとに、終わりにしなければなりません。

ところが昔の話になりますが、胸肋関節のずれていた人を調整したら、翌日、激痛になったというケースがありました。ひょっとしてAさんの胸が今ごろさらに痛くなっていて、今晩あたり電話がかかってくるのではないかと、気が気ではない。あんな強い調整法を採るべきではなかったかと反省しきり。(続く)