1008 バスタオル枕

第1008号  2017年12月15日
▼ バスタオル枕

どんな枕がいいかと迷っている人が多いように見受けられます。デパートや寝具専門店で枕を探すと、高値がついていて買うのを躊躇する人が多いかもしれません。私もその一人でした。

私自身はこれまで枕をしないのがいいと考えて、それを実践してきましたけれど、枕で困っている人を見るにつけ、そうも言っておれなくなってきました。

どんな枕がいいか、これが決定版という提案はありませんが、私自身が試してみて、これなら「まずまず」というものをご紹介しようと思います。

ただし、これは万人向きの枕というわけではないので、お間違えのないように願います。仰向け寝がよいという人向きです。

ちかごろ、「最高の枕」などと宣伝するものを何種か、見掛けました。それらに共通するのは何か。中心部が凹んでいることです。

つまり、中心部では仰向けに寝る。両側の盛り上がり部分では、横向けに寝る、という機能分化が考えられています。

これを試してみようと考えたわけです。といっても、高い材料を使って高いお金がかかるものは避けたい。収入の格差が議論される時代ですから、誰でも使えるものにしたい。

そこで、次のようにしてみました。

バスタオルを1枚用意してください。材料はこれだけです。

まずバスタオルを縦に(縦方向の中心線に沿って)二つ折りにします。細長い帯状のものになりますね。

次に、その両端を中心部に向かってクルクルと巻いて行く。中心部は巻かないでそのままにしておきます。

これを裏返しにすると、両側の渦巻き状の部分と、中央の帯で繋がった部分から成る左右対称の形になります。これを裏返すと出来上がりです。

この中心部分に自分の頭を載せると枕になります。タオルそのものですから、汚れればすぐに洗濯できます。こんな便利な枕は他にありません。

ただし、これは仰向け寝の人専用ですから、横向きでないと寝れないという人には向きません。

寝返りが打てないわけではありませんが、仰向けが主になるのは間違いないので、寝返りを打たないと身体に悪いと信じている人は使わないように。

私は横向けで寝るのが苦手で、横向けになると、何だか苦しくてたまりません。ですから、この枕がぴったりというわけ。これは何々の体癖だという詮索は好きな人に任せておきます。

横向けになると、夜中に腕や肩が痛くて、という人にも使っていただけるはずです。

枕はある程度の高さがないと物足りない、という人は、大判のバスタオルを使うなり、4ツ折から始めるなり、3ツ折りから始めるなり、自分に合ったものを工夫してください。

何しろ、バスタオルを折り曲げただけのものですから、どんな形にでもできます。お好みに合わせて、あなたの枕を作ってみてください。

枕で困っている人が多いので、考えてみた次第です。別にこれが枕の決定版と主張するつもりはありませんので、念のため。

試してみられた方は、この枕は良かった、とか、この枕はアカンとか、何か感想をいただけると幸いです。

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1001 首こりからの逃走

第1001号 2017年11月16日
▼ 首こりからの逃走

[第997号] で書いたように、首こり状態の人が大幅に増えています。

色々な要因があると想像できますが、何が原因でそうなっているかはともかく、それから逃走する簡単な方法を書いておかないと、苦しむ人が増えてくることでしょう。

大方の人がPCやタブレットなどに一日向かっているような異常状態の中では、今後も増え続けると考えて置かなければ、なりません。

あなたの首の右側が凝っていると仮定しましょう。

あなたの右手の中指を見てください。これはあなたの首の右側と対応しています。そこで、右手中指の第2関節の外側(薬指側)をさっと指先方向に撫でます。1センチほどの長さでOK。

さて、首を回してみてください。右をみると、いままであった、痛みや違和感が大幅に軽減しているはずです。

(首を回すというと、首を色んな方向にランダムに回す人が多いですが、そうではなく、痛みや違和感のある側へ水平に回す、あるいは反対側へ水平に回すという意味)です。

これなら、PC作業中に痛くなってきたような時にも、自分でさっと対応できるでしょう。もちろん、これは「根本療法」ではなく、「対症療法」に過ぎませんが、とりあえず、膏薬をはるようなことをするよりは、ずっとマシでしょう。

この程度では満足できないという向きは、朱鯨亭にお越しください。他にも色々な方法がありますので、お教えします。

1000 胸肋関節

第1000号 2017年11月5日
▼ 胸肋関節

本号は第1000号。我ながら呆(あき)れるほどのしつこさというか、よくもこれだけという感じです。第0号は、2006年1月でした。

そこで1000号記念に、今回は出血大サービス。この操法で助かる人がずいぶんいるはずです。

胸骨という骨は説明が必要でしょうか。胸の真ん中にある骨。両側に肋骨がくっついています。ここも骨のつなぎ目であるかぎり、やはり関節で、胸肋(きょうろく)関節と呼ばれます。

で、この関節に不具合のある人が、実は多いらしい。特に猫背傾向になっている人、四十肩の人、五十肩の人ではここんところに不具合を持っている人が多いように思われます。

もちろん六十肩とか、七十肩という人(そういう人がいるとして)も同じことです。先日は、私は八十肩だ、といばっていた人がいました。

肋骨は複数ありますから、胸肋関節は一つだけではありません。肋骨は詳しく見れば12本ありますので、胸肋関節も12あるのか、といえば、そうではなく、下の方の肋骨はまとめて癒合していますので、実際は6つ~7つほど。

区別する必要があれば、右1番の胸肋関節、左3番の胸肋関節、などと呼べばよろしい。あるいは右第1胸肋関節、左第3胸肋関節などと呼べばいいでしょう。

ちなみに、第1番は鎖骨のすぐ下にありますので、間違えないように。

で不具合があると、どのような症状が出るか。胸肋関節のところに圧痛が発生するわけです。ご自分で押さえてみれば分かります。

肋骨という骨は、鳥かごのように胸郭を取り巻いていますから、前にずれがあれば、当然うしろにもずれがあるはずで、背骨の胸椎にも異常があって、それが猫背を形成しています。

このような圧痛が出ている場合、どうすれば解消できるのか。カンタンです。

まず、あなたの掌(てのひら)をみてください。その真中、やや凹んでいるあたり。左手の掌心(てのひらの中央)に右手の人差し指の指先をおいて、中指の付け根に向けてサッとまっすぐに撫でてください。それだけです。1度でダメなら、何度か繰り返せばよろしい。

両手とも同様にやってください。うまく行けば胸肋関節の圧痛がすべて解消するはずです。なぜか。ここが胸骨の共鳴点だからです。

うまく行かなかった場合は、どうするか。別の方法がありますが、強くやると別の問題が出る場合がありますので、うまく行かない人は、朱鯨亭まで足をお運びください。

さて、五十肩で苦しんでいるあなた。今日から、これで少し楽になるはずです。完全に楽になるには、どうすればいいか、とお尋ねでしょうか。

五十肩という症状は全身症状ですから、一箇所を変化させれば解決するというほど単純ではありません。例えば足からも引っ張られています。もちろん腕からも。それを一つ一つ解決して行くことが必要です。

ただ一発解法もありそうです。そのアイデアは今あたためているところですので、いずれ2000号記念くらいで発表することにいたしましょうか。1000号まで12年かかっていますから、あと12年待っていただくことが必要かもしれません。

997 首が凝る、あるいは首こり

第997号 2017年10月26日
▼ 首が凝る、あるいは首こり

ちかごろ「肩が凝る」といわず、「首が凝る」と表現する人が増えているように、私は感じています。

肩が凝るというより、首のきわが凝っていて、首を左右に回旋させようとしたり、首を横に傾けようとすると、突っ張るという症状を「首が凝る」と表現しているのでしょう。

これも肩こりの一種には違いないが、わざわざ首が凝ると表現するには、それなりの理由もありそうです。このことを少し考え、解決法を提示してみたいと思います。

原因の主なものは、やはりPCとスマホでしょう。私自身も少し首凝りの気味があって、PCの作業を続けていると、症状が強く出ます。

このような症状を福富章さんという方が「パソコン・スマホ症候群」と呼んでいます。

福富章 『指ではじくだけで肩の痛みが治る!』
自由国民社、2015年、1300円+税

この本は、筋肉の筋腹(太いところ)ではなく、腱(*注1)の重要性を強調している点で、参考になる内容を備えていますが、論点が十分に整理されておらず分かりにくい点があるのが残念。

この本の表現を使えば、「等尺性収縮」(*注2)が問題だということになります。

ここでは、この福富さんの方法ではない別の方法で、首こりを解決してみたい。

首こりの症状をかかえている人を観察してみると、左右の腕が硬くなって、頚椎7番(*注3)、胸椎1番あたりが左右どちらかに引っ張られていることが多い。このあたりの椎骨は、左右の腕からの張力のバランスの上に成り立っているからです。

左右両腕のバランスが崩れていると、このあたりの骨がどちらかにずれてしまうわけで、野口晴哉のような名人さえ、自分の背骨もこの辺りが崩れているとどこかに書いています。

たいていの人は、左右どちらかの腕を逆側より頻繁に使いますから、頻繁に使う方の腕が硬くなっているとしても不思議ではありません。

ということは、左右両腕のバランスを回復させたら、頚椎7番あたりのバランスが回復して、この辺りの違和感が消失するのではないか。そう考えると、解決策が見えてくるでしょう。

腕の張力(*注4)でおそらく一番強いのは、前腕部の二本の骨(橈骨と尺骨)(*注5)の開きのために生まれている張力です。ですから、この前腕の開きを締めさせたら、左右バランスが回復するのではないだろうか。

そこで、よく使う方の腕を前に突き出して、寝床体操の5番(*注6)をすればよいことになります。

事実、やってみますと、確かに楽になる。よく使う方だけでなく、反対側もやってみると、更に楽になりますね。

(*注1)腱 筋肉の両端は骨に付着しているが、そのため両端は細くなっている。この細くなった両端のやや硬い部分を「腱(けん)」と呼ぶ。

(*注2)等尺性緊張 関節を動かさず、筋肉の長さを変えずに筋肉の張力を高めるような収縮。マウスを持って同じ角度を保持している時のような筋肉の働き。

(*注3)頚椎7番 第7頚椎と呼んでもよい。7個ある頚椎(首の骨)の一番下の骨。このすぐ下に「大椎(だいつい)」というツボがある。その下の椎骨が胸椎1番。

(*注4)張力 人間の身体には、重力が働いている。腕には腕の重みが掛かっているし、
脚には脚の重みが掛かっている。従って、何か痛みなどがある時、その原因は、こうした下からの重みが一役かっているのではないか、と考えるのが筋道である。しかしこのようなことを指摘している人は少ないようである。人体の状態を観察する時の要点の一つは、この原則を考えること。

(*注5)橈骨と尺骨 ひじから手首までの前腕部には、橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)という二本の骨がある。この二本の骨は前腕部の作業が続くと、次第にその間隔を開いて行く。その結果、この部分が硬くなっている人が多い。これも張力の一つの原因となっている。

(*注6)寝床体操の5番 goo.gl/9N8Mgr にやり方の説明がある。

983 末端に注目(2)

第983号 2017年7月29日
▼ 末端に注目(2)

「末端に注目」の第2回です。症状のある場所そのものをいくら触ってみても、うまく行かない時、その末端にあたるところに注目すればうまく行くことがある、という原則です。

ご承知の通り、私は夏休みでいま操法を休んでおりますので、記憶を頼りに書きます。細部は少し実際と違っているかもしれません。中年の女性を仮にAさんとしておきます。

Aさんは、肩に痛みがあると、来られた方です。肩こりをとおり越して、肩が痛いという方も実に多いですね。ひどくなると、腕が動かないということになります。

肩に何か問題があるのかと尋ねてみると、レントゲンを撮ってもらったが、骨はなんともないそうです、といった答えが返ってきます。肩を打って骨折をしているなら、夜間もシクシク痛むという理由が分かりますが、そうではありません。

そうなると、肩にシクシク痛む箇所があるのは確かですが、なぜ痛みが出るのか、その原因が分からないわけです。

こんな時、私は「末端に注目」します。肩から見て末端とはどこか。いうまでもないと思いますが、手指が末端です。時に途中の肘や手首に原因が潜んでいることがないとは言いませんが、大抵は手指に問題があります。

Aさんに尋ねてみました。

── お若い頃、中学生、高校生の時代に指を傷めたことはありませんか?
── あります。あります。突き指を何度もしていました。
── そうですか。バレーボール、バスケット?
── ソフトボールです。
── なるほど。それで分かりました。

といいながら、Aさんの手指を見ると、第2関節がどれもこれも節くれだっています。突き指はどういうわけか第2関節に多いものです。

手指を曲げてみると、第2関節がもっともよく曲がるはずです。第1関節・第3関節はさほどではない。ということは、ここがダメージを受けやすいということになりますね。

ですから、突き指を調べる時は第2関節を調べるといい、と思います。第2関節を握ってみて、かなり硬く節くれだっている感じを受けたら、まず突き指と考えて間違っていません。

いまは、そこに異常を感じていないかもしれません。しかし、そこに突き指の痕跡が残っていることが多い。体の他の部分ですと、打撲痕が問題になりますが、指の関節は曲がる構造ですから、突き指の痕跡を残していることが多いわけです。

実際に硬くなっている関節を解剖してみたわけではないので、推測ですが、第2関節の周辺の組織にカルシウムなどが沈着して硬くなっているのだろうと思います。指節間の靭帯などが硬化して、関節と関節のあいだに圧痛を感じる場合もあります。

さて突き指の直し方ですが、誇張法が最適です。突き指になったら、すぐひっぱれ、などと言われますが、そんなことをしたら、よくなるものも、逆に悪くしてしまいます。人間の体は、外力に抵抗する習性があって、引っ張ると、縮もうとする。押し縮めようとすると、逆に伸びようとするわけです。

ですから、突き指があれば、(仮に数十年前の故障であっても)その関節を軽く押し縮める方向でじっと押さえて(といっても愉気の感覚でよろしい、強く押すと失敗します)いればよい。すると、関節がもとに戻ろうとします。

比較的新しい突き指であれば、そのようにじっとしていると、骨が勝手に動いたと感じる瞬間がやってきます。(それは操者も受け手も同じように感じます)それでOKです。それ以上、押える必要はありません。古い突き指では、そう行かない時もあります。直ったと感じる瞬間がない時もあります。

Aさんの場合は古すぎて、いずれも動く感じがありませんでした。そこで、このくらいの感じかな、とカンで終わったのですが、第2関節を動かしてもらうと、何れも動きが改善していました。

すると、肩の痛みがずいぶん軽くなったようです。かなり自由に腕を動かせるように変化していました。

というわけで、肩の問題が突き指を直すことで解決したわけです。突き指かどうかを判断するカンタンな方法があるのか。と尋ねられると、当該の関節を突く方向に動かしてみることです。突く方向と、ひっぱる方向に軽く動かしてみて、突く方向が行きやすければ、突き指の可能性が高いことになります。

そんな面倒なことを一つ一つやってられないと感じるならば、ともかく第2関節を拇指と示指とで挟んでみて、硬い節くれだった、盛り上がった感じがするかどうか調べてみてください。そうすると、ほぼ突き指かどうか判別できることでしょう。

足の指についても同様な方法が使えることがあります。

前回は膝の痛みの原因が踵にあった、という話でしたが、今回は肩の痛みの原因が手指にあった、という話で、いずれにせよ、「末端に注目」という原則がそこに潜んでいました。

977 ツボをきつく押されすぎて

第977号 2017年6月23日
▼ ツボをきつく押されすぎて

からだほぐし教室の常連のひとりMさん。左の肩が異常に痛いという。肩が痛いだけでなく、上腕にも痛みや違和感が広がっているらしい。

教室が始まる前に、色々やってみたものの、いまいちよくならない。そこで教室終了後に空き枠があったので、そこに入ってもらいました。

心当たる原因について話合っている内に、次のような話が出てきました。

先日、某足ツボの講座に参加したそうです。そこまではよかったが、その指導者にツボを必要以上に強く押されたという。それも足のツボではなく、手のツボ、拇指と示指(人差し指)の谷間にある、よく知られたツボ、「合谷」(ごうこく)を思い切り押されたらしい。

痛いのを通り越して、思い切りしびれるほど押された。それも一度でなく、何度も強圧されたという話です。それ以来、肩の調子が悪いように感じるという。

もちろん、こんな話を聞けば、誰でも何かおかしいと思うことでしょう。ツボを押すという方法は、確かにありますが、そんなに思い切りしびれるほど押すなどという激しい方法は聞いたことがない。どんな方法を使うにせよ、まずは気持ちがいい程度というのが原則です。

押されたことも原因の一つかもしれないと考えて、指を触ってみると、示指の基節骨や中手骨が異常に硬くなっています。この辺りが硬くなっていることはよくあることで、珍しくありませんが、それにしても、ここだけ異常に硬い。

「合谷」というツボは、普通、拇指と示指の谷間というふうに説明されていることが多いものですが、ツボの専門書の記述をみると、示指側の中手骨の付け根くらいの位置で、どちらかといえば、示指寄りの位置です。

だからこの指導者が合谷の位置を正確に採っていることは間違いない、としても、あまりに強い押さえ方をしてしまうと、打撲を受けたのと同じことになってしまう。何か硬いもので叩かれたほどの損傷を受けていると感じられます。ひどいことをやったものです。

このように拇指・示指のあたりに損傷を受けている場合、以前にメルマガでも取り上げた「小菱形骨点」(拇指の付け根にあたる金星丘のねもと)が一つのポイントになります。

肩の状態から考えて、掌側だけでなく、甲側にも問題があるように感じられたので、「小菱形骨点」と、その裏側にあたる点(大菱形骨の裏側、皇帝の嗅ぎタバコ入れの辺り)を軽く押さえて愉気しました。

いつも「小菱形骨点」を愉気すると感じるのは、ここがよく気の通るポイントであるということです。鍼灸のツボとしては登録されていない点ですが、そういうツボの一つに入れてほしいくらいよく効く。

手の拇指側から、肩まで続く拘縮の繋がり(普通スジと呼ばれるもの)が解消するとよいのですが、それがなかなか簡単には行かない。肘の捻れがあるからです。

この問題については、永くなるので稿を改めて書くとして、肘の捻れが解消すると、肩がよくなってきました。

というわけで、押されて青タンができるほど押すようなところは避けることです。そこに拘縮ができて、打撲を受けたのと同じ結果になります。あな恐ろしや、強いツボ押し。

934 小菱形骨点 16/12/12 

前号で小菱形骨(しょうりょうけいこつ)について書いたところ、そんな話は聞いたことがない、というお便りをいただきました。

確かに、小菱形骨にいついて本誌上で書いたことはなかったと思います。自分で書いたように思い込んでいたのでしょう。

そこで、今回は小菱形骨点について。

小菱形骨という骨はどこにあるか。手の付け根、つまり手根部です。詳しく言うと、示指(じし、人差し指)の付け根。「手の骨」で画像検索してご覧ください。

「ペンフィールドの図」というものをご覧になったことがあるでしょう。ペンフィールドというカナダの神経学者が描いた図で、例えば次のところにあります。変な形の小人を使って表示することから、「ホムンクルスの図」と呼ばれることもあります。ホムンクルスとは小人の名前です。

http://www.gokkuncho.sakura.ne.jp/sector06/20051223.html

これを見ると、拇指(親指)と示指とが神経の働きとしては大きいことがわかります。実際によく使うのも拇指と示指ですね。よく使う指が緊張しやすいというのも理解しやすいことで、拇指と示指の付け根は緊張しやすいところであるようです。

逆に言えば、示指の付け根にある小菱形骨の周辺はコリの発生しやすいところです。ここのコリが肩の緊張とつながっていることに気づいたので、小菱形骨の付け根の手の平側のポイントを【小菱形骨点】と名付けました。

ここは、大抵の人が圧痛を感じる点なので、解りやすい点だろうと思います。示指のラインを手前に伸ばして、手首のラインと交差するあたりの少し上です。拇指の付け根のふくらみ=金星丘の下端あたりといえばいいでしょうか。

肩の前が、前に飛び出している人が多いですね。その飛び出している箇所を押さえてみてください。硬くて、前に飛び出していることがわかります。

これを【前肩点】と呼んでおきます。そこの感触をつかんでおいて、次に【小菱形骨点】に反対手の指を当てて、しばらくジッと愉気をしてください。

すると、さきほど調べた前肩点が緩んでいることが分かるでしょう。これは薬指の付け根(第3関節)のポイントを使っても同じようにできますけれど、薬指の第3関節より、【小菱形骨点】を使った方が効率的に緩みます。

これは、示指や拇指の付け根が肩と密接に結びついていることを示しているわけで、肩の問題を抱えている人は、示指や拇指を緩めることに利点があることを示しています。

【肩の問題を抱えている人は、示指や拇指を緩めるとよい】。

一昨日のセルフ整体教室でも、むかし中指を傷めた経験のある人の中指をジッと握っていると、肩が緩んできました。つまり難しいことをしないでも、示指や拇指を握ってジッとしていると、それだけで肩が緩んでくる可能性があるということです。

そうした中でも特に【小菱形骨点】はよく効果があがる点だと言っておきましょう。