909 『ねじれとゆがみ――毎日すっきりセルフ整体教室』

路地裏の整体術 第909号 2016年8月2日
▼ 『ねじれとゆがみ──毎日すっきりセルフ整体教室』

 

私の本が今月末ごろ発売となります。題名は上のタイトルの通りです。

出版社:晶文社、定価:1800+税、ソフトカバー。

このメルマガと同じく、アマチュアだけれど、自分でやれることをやって見たいという人、いま整体など関連の技術を勉強中で、今後の進め方の参考にしたい人を対象にしています。

そこで、整体の考え方・からだの見方を中心に据えて、その流れの中で、役立つ操法を紹介していくという構成です。

言葉遣いは、私が講座でしゃべっているような雰囲気が出るように工夫してみました。HPの記事がもとになっているので、皆さんおなじみの部分が登場するかもしれません。

従って遠隔地の方で、奈良まで行くのは無理という方でも、講座を受けているような感じで読み進めていただけると思います。

すでに操法テキストをお読みの方は、操法は、よくわかったが、全身のつながりが分かりにくいと感じていらっしゃる方もあるでしょう。そのあたりの記事が大きな部分をなしています。

練達のイラストレーターが分かりやすい図を描いてくださったので、たいへん充実したものに仕上がりました。

晶文社のサイトには、内容紹介もあります。
http://www.shobunsha.co.jp/?p=4036

アマゾンでもすでに表示されています。
https://www.amazon.co.jp/dp/4794969325/

ここで先行予約が可能ですので、よろしければどうぞ。

894 連動という対応関係

第894号 2016年4月29日
▼  連動という対応関係

全身と手とが相応(対応)関係にあることは、このメルマガの読者の皆さんには、基本的なことがらであると思います。例えば足首は小指の第1関節と相応する。要するに手は全身の縮図になっています。

ところで、手の変化と全身の変化とは、どちらが先に起きるのか。たとえば、先日の実例。股関節が痛むという方でした。

股関節の痛みは、『共鳴法教本』 では薬指と小指のそれぞれの中手骨の間の溝の部分に手を当てていればよい、となっています。

ですから、その基本通りにそこに手を当ててみたのですが、何だか掌側の触り心地が落ち着かない。ごつごつして骨が飛び出しているような感触です。

おそらくは、薬指の中手骨が掌側へ転位して(ズレて)いるに違いない。そこでそこをわざとグッと強めに押さえてみると、「あ、そこは痛いですね」 という反応。

そこで、掌を敷物の上に押し付けてもらって、甲側から手でぐっと押え、パッと放すという反動法をやってみると、ズレが解消しました。そこで、股関節はどうか、と尋ねてみると、痛みが取れているようでした。

そうなると、股関節に異常があるから、手の相応箇所に異常が出たのか、それとも手に異常があるから、股関節に異常が出たのか、どちらともいえそうな状況です。

こういう場合は、一方が他方の 【原因】 であると捉えるよりも、手と股関節が 【連動】 していると捉えるほうが事実に近いのではなかろうか、と思いました。

つまり相応関係とは、他方が一方を映し出しているという関係であると捉えるより、互いに連動する関係と捉えるほうがいいのかな、とも考えられます。

そう考えてみれば、からだの各所に連動関係がありますから、各所にさまざまの相応関係が観察できるとしても不思議ではありません。「足つぼ」 なども連動関係なのかもしれませんね。

885 スイスの遠隔治療とは?

第885号 2016年2月27日
▼ スイスの遠隔治療とは?

所変われば品変わる、といいますが、スイスに行くと、遠隔治療はどんな具合にやられるのか、という話です。そう、スイスにも遠隔治療があって、病院が公然と勧めるのだといいます。

Oさんという方からご紹介があってお知らせするものです。原文はこちら→(英文です)
http://houseofswitzerland.org/swissstories/society/mystery-faiseurs-de-secret

以下は、その要約と説明。

スイスのフランス語地域(スイス西部のフランス語を話す地域)には、秘伝の呪文を唱えて患者を直す faiseur de secret ファズル・ド・セクレ(フランス語、日本語にすれば 「秘術使い」 か)と呼ばれる人々がいて、この人達に治療を頼む人が多い。その方法は科学的に説明がつかないが、多くの病院もその効果を認めている。

このファズル・ド・セクレというヒーラーたちが唱える、呪文(祈りの言葉)による方法は、民間療法由来のもので、伝統的な医学に反するものと考える人もいるが、数世紀にわたって人々の経験知を集めたものである。

同じような方法が存在しているものの医学界から禁止されたり拒否されたりしているヨーロッパの他の地域とくらべ、スイスのフランス語地域では、禁止されたり・拒否されたりすることなく行われている。ファズル・ド・セクレたちの電話番号は、病気の種類に従って分類されたリストになっていて、簡単に知ることができる。

【疾患】唱える短い呪文は、たいていが宗教的な性質を持つもので、病気を癒やしたり軽減したりする効果がある。やけど、出血、デキモノ、捻挫、皮膚炎、などが対象。
例えばやけどの場合、相手を対象に呪文を唱える。ヒーラーは自分自身の身体で、相手のやけどと同じ位置に十字を切ることもある。祈りの言葉は聖人に向けたものが多く、プロテスタントの場合は三位一体やイエスに向けた祈りを行う。

【方法】あるヒーラーによれば、方法は次のようだ。電話を受けると、依頼者の名前と誕生日、身体の問題箇所を尋ねる。呪文を唱えると、効果は即座に現れる。一度でだめな時は、同じことを効果が出るまで繰り返す。

問題ごとに違った呪文が使われることが多い。患者が直接コンタクトするのがよいが、動物や子ども、電話が難しい人の場合は、代わりに家族が看護師に連絡して、ヒーラーに取り次いでもらう。

この方法は、スイスでもフランス語地域、イタリア語地域でよく知られ、ドイツ語の地域ではそれほどでもないが、多くの州で行われている。自然療法(超自然療法)の一種として分類されている。宗教的な習慣とみなされることもあるものの、依頼者が信者である必要はない。ヒーラーは「信仰の問題ではなく、信頼関係の問題だ」と説明している。動物にも効果があるので、プラセボ効果によるものではありえない。

【継承】 伝統の継承が重要で、その知識は保護されている。悪用されてはいけないという理由ではなく、能力の保持者が後継者を選べるように、という理由からだ。秘密保護の規則は以前は厳格だったが、伝統の維持が難しくなっているので、規則は緩やかになっている。現在の唯一の責務は、若い人に秘法を継承させることだ。

【実例1】 スイス出身で南アフリカ在住の女性が慈善団体で働いている。彼女が電話をかけて来ていうのに、彼女の住む貧しい地域では、掘っ立て小屋の住人が火事を出してやけどを負うのは珍しいことではない。あるこどもが家に一人でいる時に火を出してしまったが、親は治療を受けさせる金がない。助けてもらえるだろうか、という。もちろん、と承諾して、数千キロ離れたスイスから電話で遠隔治療を試みた。一週間も経たないうちに、「こどもが完璧に回復した」と慈善団体の女性にところへ連絡があった。彼女は信じられなかったという。

【実例2】 ある人の息子がドイツで事故に遭い、右腕が壊滅状態になった。医師団は切断が不可避であると判断し、スイスに移送するのはダメだと言った。傷が化膿していて、搬送はリスクが高すぎるという。両親は絶望した。隣人が教えてくれたのは、スイスのジュネーブに感染症の治療で知られたヒーラーがいる、ということだった。アドバイスに従ってみたところ、翌日には、息子の腕の状態は劇的に回復した。医師たちは、我が目を疑った。それだけでなく、息子は、翌日スイスに戻ることができた。カルテには、「信じられない改善」 と書かれていた。回復とリハビリに長期が必要だったものの、現在ではほとんど正常になっている。驚いたことは、ファズル・ド・セクレの電話で即座に効果が出たというだけでなく、彼女が息子の身体と性格について描写できたことだ。

【謝礼】 ファズル・ド・セクレは、男性のことも女性のこともある。自分の仕事以外に、ヒーラーの仕事を兼ねている。患者は封筒に何がしかのお金を入れて謝意を表すこともあるが、たいがいは無料で行われる。ビジネスにしようという動きは、たいてい猛反発を引き起こしている。

【医師との関係】 この地域では、科学で説明できない神秘現象や説明不能のものごとを許容する余地などないが、科学的な証拠がないからといって、研究者が民間療法を迷信やハッタリであると切り捨てることはない。多くの目撃者の証言から、この種の民間療法の効果は認められている。心の広い医師の中には、ファズル・ド・セクレと一緒に仕事をするのを承諾する人もいる。例えばガン専門医で、放射線治療による火傷を直すのに、やけど専門のヒーラーの治療を受けるようにアドバイスする人がいる。

治療を受けた人たちの言葉──大切なのはなぜ効くのかではなく、効くという事実だ。

852 遠くから始める

路地裏の整体術 第852号 2015年11月19日
▼ 遠くから始める

例えば肩凝りの場合。操法は無数にあることでしょう。ではどれを選ぶか、となった時、方針として 「遠くから」 というのがいいのではないか、という話を。

足から始めるのがいいのではなかろうか。肩が凝っているからといって肩から始めるのではなく、足から始めるのが最良ではないか。

足から肩こりを直すなどという遠回りなやり方では、満足できないという人もいるでしょうが、結局その方が効果が持続して、いい結果になるものです。

なぜか。

一つには、近くから始めて早く結果が出ると、操者がそれで操法を終わりにしてしまうことになりがちだからです。

ところが肩の凝りは確かに解消できたとしても、その他の部分、例えば背中に凝りが残ってしまう。そうなると効果が持続しにくい。すぐに 「元の木阿弥」 になります。背中の凝りが再び肩を引っ張る結果になるからですね。

遠くからアプローチすると、遠くの変化からの影響が各所に残っていますから、効果が持続しやすいわけです。操体法の橋本敬三さんは 「肩こりは足を操作する」 という意味のことを、どこかに書き残していました。

足から始めると、膝や骨盤、背中にも影響が残ります。それが好結果の持続につながる。

せっかく懸命に操法しても、すぐに 「元の木阿弥」 では、何をしていることになるのか。「元の木阿弥」 ならまだしも、元より悪くなってしまう場合だってあります。悪くなって困り果てて、やってくる人が多いのには驚かされます。

そうならないためにも「遠くから」という方針が、好結果に結びつくのではないか。「急がば回れ」 ということわざにも関連しますね。

今回は肩こりを例に上げましたが、他の症状でも同じことが言えそうです。「近くから」 やろうとすると、うまく行かない。