対角線上の釣り合い

第1061号 2018年11月8日
▼  対角線上の釣り合い

からだほぐし教室の常連Wさんから、メールを頂戴しました。先日の教室でWさんの股関節を操法させてもらったその後の経過報告です。

ーー 右股関節の不具合 その後の報告をさせていただきます

 結論から言いますと、左の前肩をケアしたら、すっと楽になりました。骨盤のネジレは なか なかうまくいかなかったのですが、左の前肩を修正すると すっと楽になりました。

 そういえば、木曜日の教室で先生はまず 私の左前肩の修正をなさっていましたっけ(^^; 当たり前ですが 今更ながら先生の慧眼に恐れ入っております。

といわれて私の方も恐れ入っているのです。右股関節の不調に対して、左肩を操法したのは、たまたま左肩に緊張があるな、と気づいたからであって、それが右股関節に効果があるだろうと予想したからではなかったのです。

教室の時、Wさんが股関節の不調を訴えられたので、じゃあやってみましょう、と気軽に引き受けたんですけれど、「左前肩」が股関節の原因であるとは思っていませんでした。

しかし、いまとなって、落ち着いて考えてみれば、左肩に緊張があり、前に亜脱臼の状態になっていれば、釣り合い上、右の股関節が緊張し、前に寄っていても、おかしくないですね。

ははあ、対角線療法というのは、こういうバランス療法なのか、と気づいたわけです。

結論をいいましょう。《どちらか一方の肩が前に寄っているとき、逆側の股関節に異常が出ている可能性がある》、ということになります。逆もまた真なりで、どちらかの股関節に異常があるとき、逆側の肩にも緊張がある可能性がある、ともいえます。

こういう原則をわきまえておれば、肩や股関節の異常がある時にずいぶん参考になる、ということになります。

この応用として、膝と肘の関係も同じようなことが言えるかもしれません。あるいは、手首と足首の関係も同様です。Wさん、ありがとうございました。

朱鯨亭 shugeitei.com

傷だらけの人生

第1108号 2019年7月19日
▼  傷だらけの人生

これまで怪我が多い人は、それ以降も、怪我が多い。Nさんも、その例に漏れない。

右足の捻挫は、若いころ、バスケをやっていて、やってしまったそうですし、スキーに行った時に、お尻を打って、尾骨も折れていました。こういうことが色々と続くことが多い。

すると、あちこちにそのしこりや、靱帯の伸び、などが残ることになります。

まずは足首の故障から始めてみよう。足を色々と探っているうちに足裏の長趾屈筋の腱が張っていることに気づきました。

左の長趾屈筋を緩めると、背中の脊柱起立筋が緩むはずです。そこで、伏臥になってもらって、起立筋を確認しました。

腰椎のところで起立筋がピンピンに張っていて、腰椎が沈んでいるように感じる人が多いですが、特に老人ほど、その傾向があります。Nさんの場合、老人という年齢ではないけれど、腰椎が深く沈んでいました。

そこが緩んで、深く溝になっている感じがなくなっていました。

ただ、左の肋骨が下がっているので、エーーイッと一声。これで左の肋骨が上に上がりました。

次に母趾操法をしようと考えました。これは下腿を安定させるための方法です(足の母趾を誰かに押さえてもらい、ぐっと押し合った後、ぱっと勢いよく離す)。左の下腿が安定せず、腰を引っ張っていると感じたからです。

ところが、母趾操法をしようとすると、左足に力が入らないと感じます。足に力が入らない場合は、側頭骨と頭頂骨の境にある鱗状縫合のところに愉気すると力が入るようになる

2分ほどもそうしていて、再び母趾操法に戻ると、確かに力が入るようになっています。

その後、頭のことを思い出したので、頭を打ったことはないか、と聞いてみました。すると、後頭部を打ったことがあると。そこで、日本とブラジルの関係にある対蹠点の前頭部を探ってみると、そこにも出っ張りがあります。

この二点を愉気していると、耳のこもっている感覚が少しずつ緩んでくるらしい。こういう効果は、これまで確認していませんでしたが、そういうこともあるらしい。

次はどこを狙うか。やはり左側ですね。左眼がしんどいということだったので、左手の「蝶形骨共鳴ポイント=小指の中節骨の外側」をそっと指先方向に撫でてみると、左眼が動く感覚があると言われる。

もうこうなってくると、一つ一つ考えながら次のポイントを探る必要はありません。ジャズの即興演奏の要領というか、一つのポイントを触ると、そこから次のポイントを触るヒントが次々現れてきます。

インプロビゼーションを楽しんでいるような調子で、次々と進んでいきます。Nさんは、過去にどこを打ったか、次々と思い出されるらしく、事故やら、スポーツの怪我やらが次々と出てきます。どんな順序だったか思い出せないほどです。

でも最後は骨盤の捻れを扱った操法だったと思います。頸の周りにかゆみがあって、恥骨操法をやったのだと思います。これがほとんど最後。腸の動きが悪いという話をされたので、それなら骨盤のゆがみが直ったので、大丈夫だと申し上げたと思います。

こんなに難しい症状の方を相手に、鼻歌の一つも出て来そうな勢いで即興演奏ができたのは、ラッキーとしかいいようがない。

天の神様も、しゃれた遊びをなさるようです。傷だらけの人生も、まんざらではない。

朱鯨亭 http://shugeitei.com

1050 体軸操法 2.0

第1050号  ’18年8月26日
▼ 体軸操法 2.0

以前に体軸操法というものをご紹介しました。基本は変わらないながら、そのバージョン・アップ版を。つまり、体軸操法のバージョン 2.0。

最近、なんとか2.0というのが増えていますから、それをやってみようという魂胆でもあります。

簡単に肩こり操法と呼んでもいいと思います。肩こりより深い「首こり」と呼ぶのが適当な、厄介な肩こりが増えていると感じています。おそらく PC やスマホの作業が増えているからなのでしょう。

肩こりというより、首こりといった方がよい。常に首が調子が悪いと嘆いているあなた。そう、誰か他人の話ではなく、あなたのことです。電車に乗ったら、直ちにスマホを開いてタップしたり、スライドしたりしているのではありませんか。

おそらくそれが原因なのではないか、と思われるコリを肩や首のあたりに溜めている人が増えている感じがしています。誰か他人の話ではなく、あなたの話です。かく言う私も、スマホ・デビューしてしまいまして、しまった止めとけばよかったと後悔している次第。

すると自分の凝りに対応せざるを得なくなりました。首が凝っているのは、実に気分の悪いもので、すぐになんとかしたいと感じます。とはいえ、首の骨をいじりまわるのは怖いし。どうすべえ、と思っていたのですが、何とかなりそうな見通しが立ったので、ご紹介しようと。

まず、体軸操法 1.0 は、どんなものか。→ https://shugeitei.wordpress.com/2017/02/07/inbox-shugeiteigmail-com/ ここには詳しく書いていないので、かいつまんでまとめてみましょう。

頸の左右どちらかが痛いとしましょう。特に首を左右に回旋しようとすると、痛くて回らない、などの症状があるとしましょう。例えば左側が痛い、とします。

仰向けに寝ます。両脚は大股開きにする。左側が痛い場合、左脚を内側へ息を吸いながら捻じります。ある程度捻じったところで、パッと息を吐いて、足を緩める。これを3回繰り返す。今度は、両脚を少し狭めた状態で、同じことをやる。最後にさらに狭めて、同じことを3回。

それで首の回旋をしてみると、楽になっています。痛かった右より楽になっていることもあります。

ところで、体軸操法 2.0 とはなにか。上にまとめたものをもっと簡単にしたものです。

この場合の脚の開きとはなにか。脚の開きが大きいと下の方に効きます。開きが小さいと上の方に効きます。なぜかといえば、両脚のラインを上の方へ延長して考えると、開きが大きいときは、2本のラインの交点が上の方に来ますね。その交点のあたりに効果が出るわけです。

というわけで、首に効かそうとすれば、開きの角度を小さくすればよい。

ですから、2.0では、開きの角度を変えて何度もやらなくても、小さい角度で3回ほど繰り返せば効果がでます。

例えば、電車の中でスマホをやっていて、首が痛くなってきた。さあ、えらいことになって来た。と思えば、両脚の開きの角度を小さくして、痛みのある方だけ、3回繰り返すと、痛みが消える、というわけです。

簡単でしょう。

頸が痛いのではなく、胸椎のあたりが痛いのなら、もう少し開き加減でやればよい。

痛みのある側だけやると、反対側が却って痛くなったりすることがあります。それを避けようとすれば、両脚を同時に、痛い側だけ少し大きめにやればよい。

ただし、あまり何度も繰り返さないこと。何度もやると、変なところを傷めますから、要注意。なにごとも過ぎたるは及ばざるがごとし。

以上ですが、これでは少しわかりにくいという方は、朱鯨亭の教室に出かけてください。詳しく実演してみせますから。

1047 肘痛・腕と鎖骨の関係

第1047号  ’18年7月22日
▼ 肘痛・腕と鎖骨の関係

肘の痛みは、簡単に見えますが、複雑な場合もあるという例。

このメールマガジンに登場いただくのは、何度目か、珍しい症状が現れている場合が多いので、過去にも何度かご登場願ったことのある50代の男性Sさん。

機械の操作をして居られるので、普通にはない複雑な症状で、いつも頭をひねることになります。

痛みがある時、その原因が周辺の筋肉の緊張にあると考えて取り組むと、どうもうまく行かないという場合は往々にしてあるものです。

原因の一部は遠く離れたところにあることが多い、と考えた方がいい。

肘が痛むという訴え。前回もそう言って来られて、一か月後に改善していないということです。

肘といえども侮れないですね。

腕の異常の出発点として、前腕から始めるのは定石通り。

確かに、前腕が緩んでくると、腕全体が楽になります。しかし、まだ完全にはとれていないらしい。

次の定石は何か。

手に異常があるとき、胸鎖関節に異常がある場合が多い、ということです。

例えば、指が動かなくなっている人で、胸鎖関節を調整すると、ただちに動くようになった例がありました。そんな困難な症例でなくとも、指の動きが悪い人は、胸鎖関節を調整すればよい。

どうするのか。難しいことは何もなく、胸鎖関節の飛び出しを三本の指でつまんで、じっとしているだけでいいのです。

これで肘の痛みが少し軽くなった。

次は何をすればよいか。胸鎖関節が硬くなっているのですから、その一端に連なる鎖骨を緩めればよい。

つまりは地獄の整体、失礼、極楽の整体ですね。そう言われれば、朱鯨亭の講座を受けた人なら、ご存知、極楽整体をしてあげればよい、と考えました。

これは鎖骨の後ろに指を差し入れて、腕を大きく回す方法です。非常に痛がる人が多いので、俗称、地獄の整体、しかしその後の解放感を思えば、極楽の整体というべきです。

これで、ほとんど肘の痛みが消えたようです。

というわけで、手指の動きが悪い場合、肘の痛みが簡単に消えない場合など、腕の不調があると、原因の一端は鎖骨周辺にあることが多い。リュウマチのような場合でも、鎖骨で指の動きが少し軽快することも、今日、別の方で確認しました。

1042 月日の経つのは早いか?

第1042号  ’18年6月21日
▼ 月日の経つのは早いか?

「月日の経つのは早いですね」というのが最近の挨拶になっているかもしれません。「もう正月から半年経ちましたからね」。という受け答えが何度繰り返されていることでしょう。

でも私は、

最近、逆のことを感じています。月日の経つのが実にゆっくりに感じられるようになってきたのです。

何と臍まがりな、とおっしゃる向きがあるかも知れません。そんな言葉は一種の儀礼言葉だから、正面から反対のことを言ってカドを立てることはない、という考えもあることでしょう。

しかし、

私の実感では最近、時間の進行が実にゆっくりになって来たという感じなんです。小学生の頃は、実に月日がゆっくりと流れていたな、と思います。そういう感じです。もちろん、世の中全体がそうなったと主張しているわけではありません。私個人の感覚です。

なぜか。

毎日、来られるお客様が、バラエティ豊富というか、まことに従来とは違った症状の方々が次々とお越しになる。それも、超難しい人ばかりです。そうなれば、こちらとしては、いつもの操法を繰り返しているだけでは対応できませんから、毎日毎日、操法の工夫を凝らしていなければなりません。

毎日一つ以上の新しい操法を案出しておかなければ対応できない状況になって来ました。メルマガに一つ一つ書く暇もないほどです。たとえば「高血圧の操法」を案出しました。

この操法をすると、すぐに血圧が下がります。それは目覚ましい下がり方。血圧が高くて薬を飲んでいる方、おっしゃってください。すぐに薬が不要になるのは間違いありません。

すみません。メルマガを発行しない日々が続いても、どうか見放さないでください。その間、いろいろ考えているわけですから。

というわけで、毎日、工夫を凝らしていると、退屈している暇がない。

例えば、

先日、探索シートと言うものを使って、中級講座でデモをやりました。探索シートの上に地図をおいて、神社などの気の状態をチェックするというのをやってみたんです。ところで、参加者の一人 I さんが朱鯨亭の状態をチェックし始めた。そこで私もチェックしてみたところ、悪化しているんです。その日は、なぜか、と考え続ける日になりました。

結論は、おそらく朱鯨亭のブレーカーの下に貼ってある「結界シール」が古くなっているからだろうと考えられた。物質として質が落ちてくると、気の質も落ちてくるものと思われます。

そこで、新しいものに貼り変えて調べてみたところ、

瞬間で状態がよくなりました。(結界シールに興味をお持ちの方は、教室などにお越しくだされば、差し上げます)朱鯨亭は春日大社より気の状態がよいくらいになっています。

というようなことが毎日起きているわけで、毎日が眼をみはるばかり。まことに月日の経つのはゆっくりだと感じられます。

1040 めばちこ or ものもらい

第1040号  ’18年6月8日
▼ めばちこ or ものもらい

関西のことばでは「めばちこ」といいますが、他の地方では、どういうのでしょう。「めいぼ」とか「めぼ」という言い方もあります。「ものもらい」というのが標準語の表現でしょうか。

さて、ものもらいの直し方。これは簡単で効きめの高い方法ですから、ぜひお試しを。

患側の目を同側の掌で覆い、愉気を続けます。これだけです。まあ数分続ければ、1回で治ってしまうでしょう。ウソだと思う人ほど、やってほしいと思います。

1039 足が攣る

路地裏の整体術 第1039号  ’18年6月3日
▼ 足が攣る

夜中に足が攣(つ)るという訴えをたびたび聞きます。以前にも、これについて書いています。それに関して幾つかの投稿をいただいて、それはそれで興味深かったのですけれど、肝心の簡単に足が攣るのを直す方法が焦点ぼけになってしまっていました。

そこで今回は足が攣るという現象を速攻で直す方法について。

その原因については、色々有るのでしょうが、一番多いのが腓骨(ひこつ)の下がりです。

骨が下がるって、どういうこと、と疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。また寝ている時に骨が下がるというのも、よくわからんな、とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。

正確にいうと、下がるだけでなく、左右に開いています。下腿には腓骨と脛骨(けいこつ)という二本の骨があって、上からの負荷が強すぎると、自然に開いて、下腿が太くなる現象が見られます。

足が攣るという人の下腿を見てみますと、必ずと言っていいほど、腓骨の両端が出っ張って来ています。

言い換えると腓骨の上端=腓骨頭、および下端=外果、の二箇所が出っ張っているはずです。もちろんどんな人でも少しは出っ張っているわけで、その程度が強くなっているという意味です。

程度が強くなっている、その程度とはどの程度だ、と訊かれたら、何人かの人に上記の二箇所を触らせて貰えばよろしい、と答えればOKでしょう。普通はそんなに出っ張って来ているものではないので、自分の腓骨両端が普通より出っ張っていれば足が攣る可能性がある、ということです。

で、足が攣るのを速攻で直す方法はどうするのだ、とお尋ねでしょうか。次のようにします。

足が攣っている状態にあるとしましょう。攣っている側と同じ側の手の小指を用意してください。そして、小指の外側を第1関節から第2関節へと、そっと反対側の手指で撫で上げます。これを攣る状態が消えるまでくりかえす。

以上です。お試しください。速攻で楽になるはずです。でも、この簡単なことが覚えられない人も多いようですね。

そういう人は図を書いて、寝室の壁にでも貼っておいてください。