930 脚長が揃う 16/11/18

脚長(脚の長さ)が違うと色々不都合が出て来るかもしれません。ちょっと考えてみただけでも、歩きにくい。まっすぐに絶ちにくいといったことがありそうです。股関節の不都合もあるかもしれません。

脚長をどこからどこまでと考えるか、考え方によって違いがあるでしょうが、とりあえず、大転子のところから始まると考えれば解りやすいと思います。

大転子というのは、股関節の外側、大腿骨の角といえばいいか、骨盤に大腿骨が差し込んである場所といえばいいのか。要するに、股関節の横あたりにぐりぐりの骨の突起が感じられます。と言っても、腸骨(こしぼね)のことではないので、お間違えのないように。

もっと、ずっと下、股関節の横です。。この位置は、手との相応関係でいえば、どこになるのかというと、小指の中手骨骨頭の側面です。わかりやすく言うと、手の小指の手前にある長い骨の付け根の側面。これが大転子に相応します。

この点に軽い刺激を入れると、大転子が変化し、脚長も変化するということです。

さて、それでは始めましょう。

初めに左右の内果(うちくるぶし)の位置で、脚の長さを較べてみます。仮に右が長く、左が短いと仮定しましょう。もちろん逆の人もいます。

こういう場合、小指の中手骨の骨頭側面を、右は手前方向、左は足先方向に撫でて、しばらく、そのまま受け手に寝ておいてもらいます。

すると、受け手の内部感覚で右脚が伸びる感覚があって、数分してから見てみますと、両足の長さが揃っています。そんなばかなことがあるはずがない、と思う人は、実際にご自分の脚で試してご覧になればよいでしょう。

今まで色々な人で試してみましたが、全然動かなかったのは、ご老体のみで、大抵の人は、脚長が揃って、立ち上がった時に、「違いますね」「あっ長くなった」などとおっしゃいます。

もっとも何にでも例外はあるもので、股関節に人工関節が入っている人の場合は、左右の脚長が違う状態でバランスをとっているらしく、脚長が揃うと却ってあるきにくくなった人もいると試してみた人から聞きました。でも、これも慣れの問題かもしれません。

教室で、この実習をしている時に、片方をどんどん伸ばしたら、どうなるかしら、などと奇抜なことを考えていた人もあるようですが、心配しなくても、そういう摩訶不思議なことは起こりません。

多分、関節のアソビの部分で縮んでいたところが伸びるのでしょう。決して必要以上に伸びるような奇妙なことはありませんので、ご心配なく。

また操法を間違えた時とか、逆にしてみたいという時は、操法を逆にすればいいだけのことですから、言ってみれば、脚長を自由に揃えることができるわけです。

脚長が大きく違う人の場合は、うまく行かないでしょうが、少しばかりの足底板で調節するような厄介なことをしなくてもよくなれば、脚の不自由で困っている人にとっては朗報になるかな。色々お試しください。

不都合や、すばらしい成果などありましたら、お知らせくださると、さいわい。

 

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929 鼻の穴と腸骨の捻れ  16/11/14

奇妙な題名ですので、果たして何の話だろうと訝しく思われた方も多いと推察します。からだほぐし教室での話題。

いつもの参加者Mさんが両目の見え方が違うとおっしゃる。そこで、ちょっとやってみましょう、と目の調整にかかったのですが、片方が近視、片方が老眼だったか遠視だったか、とかという珍しい状態で、うまく行きません。目の問題は、足指に目のツボがあることからしても、足に原因があるのではないか、と考えました。そこで操法をしているところを枕元から、足元に変更しました。

そこから見ると、両方の鼻の穴の大きさが違います。鼻の穴の大きさを指摘されると、恥ずかしいという人が多いですが、これはなぜなのでしょう。顔の真ん中についていて、皆が人前にさらしているものなのに。

「鼻の穴の大きさが違うので、揃えてみます」と言ったものの、さて、どこから取り掛かるのか。足元から見ると、からだのあちこちの左右差がよく見えます。骨盤のところを見ると左右の上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく、ASIS、腰骨の前の出っ張り)の高さ(床からの高さ)が違います。腸骨がねじれている。

他に大きな歪みは見当たらず、どうやらこれが原因らしい。Mさんは「何か恥ずかしいな」とか呟いていらっしゃるようですが、構わず、腸骨ねじれの調整に取り掛かります。と言っても難しいことをするわけではありません。両手の甲の有鉤骨(ゆうこうこつ、薬指の中手骨の付け根あたりにある小さな骨)の前後に指を当ててじっとしているだけです(詳しい操法は共鳴法教本 http://shugeitei.com/stext.html などを参照してください)。

やがて腸骨の両端が揃ってきました。鼻の穴を見ると、左右の大きさが揃ってきています。なぜかは分かりません。確かなことは、腸骨のねじれが解消すると、からだのあちこちに繋がって存在している歪みやねじれが解消していくことです。

 

853 仙骨と背中

路地裏の整体術 第853号 2015年11月23日
▼ 仙骨と背中

先日来られた50代の女性Sさん。一つの典型的な例のように思えたので、ここで取り上げさせていただきます。どなたかの参考になれば幸いです。

Sさんの主訴は珍しいものではなく腰が痛いというものでしたが、珍しい症状が随伴していました。内臓がのきなみ下垂していると感じる、というのです。

初めお話を伺っている時に感じたのは、症状の推移をこと細かに描写されることです。何年の何月にこんなことがあって、何年前にこうこうでと、ともかく細かい。腰痛程度といったら失礼ですが、腰痛の推移をそんなに詳しく覚えている人は珍しい。特別な場所に特殊な症状がある人なら、そういう例も珍しくもないが、腰痛でそんな人は珍しいと思います。

「それで、いま現在はどうなんですか」 と遮ろうか、と考えたくらいでした。でも聞いている内に、この人は、かなり重篤な症状を抱えているのではないだろうか、と思えてきました。

そこで、お話を伺うのはそこそこにしてさっそく操法にかかりました。例によって木のスツール(イケアで材料を買って、自分で組み立てたもの)に坐ってもらい、背中から観察にかかります。すると、背骨が左へまっすぐ傾いている。これはかなり重篤だなと思いましたし、実際そのようなことを呟いたかもしれません。

背骨が一本の棒のように斜めに傾いている人は多くない。70代の方で、そういう例がありましたけれど、若い元気な人で、そんな人は見かけません。(50代では若くもないかもしれないけれど)

この傾きは放っておくことにしました。骨盤をなんとかすれば、なんとかなるのではないか、と思ったからです。なぜそう思ったのか、うまく説明できませんが、「かん」のようなものですかね。骨盤から背骨に繋がっている辺りの角度をみて、そう思ったようです。

うつ伏せになってもらって、仙骨に触れてみると、仙骨全体が盛り上がり、硬くなっています。尾骨もおかしい。

お尻を打ったことがありますか、と尋ねてみると、こどものころ、体育の時間に跳び箱を跳ぶ自信がなく、跳び箱の上で止まるだろうと思って、跳んだところ、うまく跳び超えてしまって、着地できなかった。そのため、尻餅をついてしまった、というのでした。

跳び箱の事故はよくあるらしく、この前も跳び箱の事故の後遺症を抱えた人を見ています。その人の場合は、跳び箱の最上段が少しズレていたため、跳ぶ瞬間に最上段がさらにズレて落下し、自分もアタマから真っ逆さまに落ちたという。

ついでながら、時々めまいを感じることがあるので、薬をもらっていたが、薬を止めたら、逆にめまいがらくになったという。でも時々ふらふらすることがある。薬の副作用で、逆に症状が強くなるという例は珍しくないように思います。

めまいと仙骨とは密接な関係があります。めまいを起こす人は、たいてい仙骨に異常があります。だから、仙骨がおかしい状態なら、めまいを起こすのも不思議ではありません。

仙骨の左右を押さえて見ますと、左が(床からの高さが)高く、しかも仙骨全体が盛り上がっています。こういう人は、ストレート・バックの傾向があり、常に不調を訴えているはずです。

仙骨が盛り上がっている人は、手の有頭骨を掌側から反動で動かせば改善するはずですが、左が高く回旋しているので、反動を使うとおかしくなるかもしれません。そこで別の方法を採ろうと考えました。

仙骨の共鳴点は手の甲の有頭骨ですが、高くなっている左側は有頭骨をぐっと押え、右側は、出ておいでと言い聞かせるように、撫で撫でするのです。これでしばらく放置しておくと、仙骨の回旋がじわりと取れてきます。不思議なことに、この時、じっとしていなくても構いません。長い時間をかけて、じわじわと変化するらしい。

これで仙骨の回旋が取れ、平らになりましたが、まだ盛り上がったままです。では「反り腰体操」をしてもらいましょう。

私たちが 「反り腰体操」 と呼んでいる体操は、次のようにします。

まず、仰臥する。腕は体側に添わせておく。膝を曲げて両足を揃え、ズリズリとお尻に近づけて行く。足が尻に出来るだけ近づいたところで、両脚を持ち上げ、太ももを床に直角になるまで持ち上げる。次に膝から下を水平より45度斜めに持ち上げて、その位置で5秒保つ。その後、斜めに上げた両足をたらりと膝からたらし、足裏を床にドンとつけます。その後、3呼吸する間は休憩です。これが終わると、両脚をそろそろと伸ばし、元の体勢に戻る。これで終わりです。反り腰の修正がみごとに行っておれば、これだけでおしまいにしてもいいですが、修正が不十分な時は、同じ体操をあと2回ほど繰り返してもよろしい。(これは『一瞬整体』 の本に紹介されている体操を反り腰用に改変したものです)

さて、この体操をSさんにやってもらったところで、伏臥になってもらって仙骨を調べると、見事に整っていました。これなら普通の仙骨です。これほど見事に変るとは、期待以上です。

まるで全身がいっきに変化して、これ以上は何もすることがない。あと、足の趾のしびれがあったので、それの対策をして、終わりです。立ってもらって結果の確認をします。

仙骨が整ったので、もちろん腰痛は消えています。目まいもおそらく出なくなっていると思われます。

何よりも驚いたのは、内臓が下垂している感じが消えていたことです。するとその感じは、仙骨の異常によって生まれていたのでしょう。仙骨が前に倒れていたため骨盤も背中も前傾し、内臓が下垂した感じが出ていたのかもしれません。

急に全身が変化したので、ひょっとすると、今日・明日は、しんどくなったり発熱したりということが起きるかもしれませんが、3日ほどすれば楽になるはずですよと言って終わりました。来週来られた時に、どんな様子に変化しているか、楽しみです。

以上の記事は詳しく読んでいただけると、操法をしている方には、随分と参考になる点があるはずです。