第1041号 ’18年6月15日
▼ 対症療法
以下にご紹介するのは、根本療法ではありません。いわば対症療法です。
それにしても、世の中に氾濫するのは、対症療法ばかり、といえば言い過ぎでしょうか。ようするに、痛みがあれば、それを軽減する方法、痺れがあれば、それを軽減する方法です。
その問題があれば、それを根本的に解決する方法よりも、軽減する方法ばかりがもてはやされる。
「ダイエット」しかり。なぜ体重が増えるのか、その根本には手をつけず、まずは体重が減ればいいんでしょう、とばかり、に色々な方法が案出される。根本治療は厄介だと敬遠される。
もちろん、言うまでもなく、西洋医学の方法は、殆どが対症療法ですね。薬を与えて、症状が消えればいいんでしょう、というわけでしょうか。あるいは手術をして症状のあるところを切り取ってしまえば、解決するでしょう、というわけでしょう。
以前にも、卵巣の除去手術をするのに、子宮もついでに取っておきましょう、と言われた、という話を聞きました。悲しいことに、世の中の実情はそんなものです。
これに対して、根本療法をするには、原因を突き止めなければなりません。ところが、物事の根本原因などは、そんなに簡単には探し出せません。
ここで、本当は根本原因をどうして探り出すか、という話しをしなければならないのですけれど、これがまことに難しい。症状によってまったく違うことが多いので、一律にこうだ、とは言えないわけです。
そこで、私も対症療法を一つ紹介して、お茶を濁すことにしましょう。
歩いている時に外反母趾が痛むという人は多いようです。少しでも簡単に軽くする方法はないものか。
ここで、対角線療法を使ってみようと考えました。
となると、例えば左足の外反母趾が痛むとすれば、右手の親指を使えばよいことになります。
昨日のからだほぐし教室でのこと。京都府城陽市に住む女性Yさんが、歩いている時に足の親指が痛むと言われるので、試してみました。Yさんに中央の敷物のところに出てもらって、その右手の親指をジッと握っていること数分。
── じーっと足の親指に来てます。とのこと。
やがて立ち上がって、
── あ、大部よくなっています。
これなら歩きながらでも出来るでしょう。対角線の指をジッと握っているとよい。Yさんは、
── この小指、曲がってるんですけど。
おそらく、母指の対角線なら、同じ母指ではなく、小指に当たるのではないか、と思われたのでしょう。しかし、それは考え過ぎです。
考えすぎかどうか、は、どこで判断するのか。それはやって見れば一目瞭然。効果がある方が正解ということです。
こういう遠回りな対症療法もあるという例でした。